米国図書館協会(ALA)の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行する“Library Leadership & Management”誌の第36巻第3号(2022年)に、論文“Balancing Profession and Family: A Survey of Female Library Professionals with Children”が掲載されています。著者は米・モンゴメリー大学のLesley Brown氏とタウソン大学図書館長のSuzanna Yaukey氏です。
女性図書館員が家族計画や子どもの年齢によってキャリア形成の機会を遅らせるかどうかや、子どもを持つ女性図書館員の職場における状況等、女性が人生の中で職業的に最も充実する時期に直面する問題に関して、子どもを持つ米国の女性図書館員から得られた395件の有効回答を基に調査しています。
キャリア形成の機会に関する質問では、回答者の66%が、子どもがいるためにキャリア形成の機会を遅らせたと回答しているとあります。そのうちの66%が育児と仕事の両立を、58%が長時間勤務を不安視していたとしています。一方で、子どもがいてもキャリア形成の機会を遅らせなかったと回答した34%の主な理由は、新しい機会(新しい職場やポジション、あるいは現在のポジションでより責任ある仕事であるかを問わず)に必要な時間を割いて働けると感じた(41%)、職場・家庭において支援されていると感じた(それぞれ40%)であったとしています。
その他、子どもがいることを職場の誰が知っているか、職場において子どものことをどれくらいの頻度で話すことがあるか、採用面接において育児中であることに言及するか等についての調査結果も示されています。
Brown, Lesley; Yaukey, Suzanna. Balancing Profession and Family: A Survey of Female Library Professionals with Children. Library Leadership & Management. 2022, 36(3), p. 1-24.
https://llm-ojs-tamu.tdl.org/llm/article/view/7535