育児中の図書館専門職員へのCOVID-19の影響(米国)(文献紹介)

米国図書館協会(ALA)の部会“Core: Leadership, Infrastructure, Futures”が刊行する“Library Leadership & Management”誌の第37巻第2号(2023年)に、米国の医療機関Christiana Careの医学図書館員Stephanie Clare Roth氏らによる論文“Impact of COVID-19 on Parents/Guardians in the Library Profession”が掲載されています。

論文では、COVID-19が米国で図書館専門職員として働く親/保護者に与える現在および将来の影響がどのようなものであるか、また、パンデミック中およびパンデミック後に、組織としての図書館やその管理職がどのようにサポートすることができるかについて検証されています。

研究では、文献調査のほかに、パンデミック2年目の時点で育児中であった図書館関係者51人の体験談が収集されています。体験談を分析した結果、経験談の中で出現したテーマは14種に分類できたとし、言及の多かったテーマ上位3種は、「雇用者のサポート/サポート不足」「育児問題」「メンタルヘルス/ストレス/燃え尽き症候群」であったと述べられています。

文献調査と体験談の分析を踏まえて、管理職への助言がまとめられています。

Roth, Stephanie Clare; Hinton, Elizabeth G.; Jivanelli, Briget. Impact of COVID-19 on Parents/Guardians in the Library Profession: a Narrative Review and Shared Experiences. Library Leadership & Management. 2023, 37(2), p. 1-72.
https://llm-ojs-tamu.tdl.org/llm/article/view/7568

参考:
仕事と家庭の両立:子どもを持つ女性図書館員の調査(文献紹介) [2022年12月07日]
https://current.ndl.go.jp/car/167533