Scholastica、学協会・大学・研究機関の出版部門による学術誌の制作とアクセスに関する2022年版のレポートを公開

2022年12月21日、学術誌のソフトウェア・ソリューション・プロバイダーであるScholasticaが、“The State of Journal Production and Access 2022”の公開を発表しました。

Scholasticaが2020年に実施した調査に続く第2回であり、学術出版者が短期的・長期的な優先事項を把握することを支援し、利害関係者に学術界主導の出版プログラムの進展についてのスナップショットを提供することを目的としています。2022年6月から10月にかけて行われ、28か国の学協会や大学、研究機関の出版者から80件以上の回答が寄せられたとあります。

発表の中では、学術誌の制作に関する主な結果として、2020年の調査に比べてHTMLで記事を作成するジャーナルが増えたこと、50%以上がORCIDやDOIを採用していると回答したが、助成機関IDといった永続的識別子(PID)の採用率は低かったことが挙げられています。アクセスについては、95%が少なくとも1つのジャーナルでオープンアクセス(OA)オプションを提供していること、80%が完全OA出版モデルを採用していると回答したこと等が述べられています。

The State of Journal Production and Access 2022: Report release(Scholastica, 2022/12/21)
https://blog.scholasticahq.com/post/state-journal-production-access-report-2022/

The State of Journal Production and Access 2022 [PDF:45ページ]
https://s3.amazonaws.com/marketing.scholasticahq.com/Final-State-Production-Access-2022.pdf

参考:
研究・出版ネットワークScienceOpen、オープンアクセスに関するアンケートの結果を公表 2021-11-04
https://current.ndl.go.jp/car/45107

OA2020、学術雑誌のオープンアクセス(OA)への転換に関する達成状況を示した“OA2020 Progress Report”の最新版として2019年11月版を公開 2019-11-26
https://current.ndl.go.jp/car/39590

E2346 – 著作権とライセンスからみるオープンアクセスの現況
カレントアウェアネス-E No.406 2021.01.14
https://current.ndl.go.jp/e2346

CA1990 – 動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 船守美穂
カレントアウェアネス No.346 2020年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1990

CA1977 – 動向レビュー:学術雑誌の転換契約をめぐる動向 / 尾城孝一
カレントアウェアネス No.344 2020年6月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1977