カレントアウェアネス
No.339 2019年3月20日
CA1950
研究文献レビュー
公共図書館のビジネス支援サービス
新宿区立中央図書館:滑川貴之(なめかわたかし)
1. 本稿の目的
国内の公共図書館(以下「図書館」)では、2000年前後からビジネス支援サービスへの積極的な取り組みが実施され、そのサービス内容も多様化し、事業報告も増加してきた。本稿では、図書館のビジネス支援サービスについて、先行文献から研究動向を把握するだけでなく、そのサービスの実態を明らかにすることを目的としたい。
まず、ビジネス支援サービスの発展の経緯を俯瞰し、各図書館の事例報告記事から図書館サービスの実態を明らかにする。一方、図書館がビジネス支援サービスを実施するうえで必要な知識・技術を、日米の職員研修の内容及び文献から把握する。以上により、図書館におけるビジネス支援サービスの全体像が理解できると考えられる。
2. ビジネス支援図書館推進協議会の設立
日本の産業界では、景気の低迷を反映して1996年から1999年には、企業の開業率3.5%、廃業率5.6%という逆転状況となり(1)、大企業を中心にリストラが進み、失業率が上昇していた。そこで、創業を活発化し雇用を拡大するための政策が求められていた。
そのような中、ジャーナリストである菅谷は、米国の図書館についての報告で、各図書館におけるビジネス支援機能の一端を紹介した(2)。これを契機とし、産業界、公共図書館、専門図書館の関係者、菅谷らにより、2000年に「ビジネス支援図書館推進協議会」(以下「協議会」)(3)が設立された。ビジネス支援図書館のモデル事業を展開して、その成果を公開し、新しい図書館の可能性を示すことが目的とされた。こういった協議会の機能が、図書館におけるビジネス支援サービスの普及を促したとみられる。協議会のこれまでの活動については、齊藤らが報告を行っている(4)。
なお、ビジネス支援図書館のあり方については、次のような提案が出されている。竹内は、中小企業の自立に実際に役立つ情報源の整備やレファレンス機能の充実を提案した(5)。情報リテラシー教育を実践する立場の田中からは、図書館とビジネス支援専門機関との連携が(6)、さらに森田からは、図書館と産学官の結びつきの重要性が指摘された(7)。石津は知識経済時代に向けての図書館の役割の重要性とPCや商用データベース導入の必要性を(8)、山重は、地域資源の活用のための図書館の地域資料の重要性を強調した(9)。北は、図書館を取り巻く経済、行政的状況を把握し、ビジネス支援図書館の存在の見取り図を示すこと、戦略と戦術の切り分けの必要性を示した(10)。経営人類学の視点から中畑は、労働者の生活の質向上のためには、図書館の相談業務、レファレンス機能の拡充が必要であるとしている(11)。高坂(12)、常世田ら(13)は、米国の図書館の事例をふまえ、日本の図書館に必要な機能を論じている。
なお、伊藤(14)、田井(15)、大森(16)からは、米国のビジネス支援サービスとの比較や、商用データベースの導入の少なさ、利用者ニーズの欠如、サービス検証の不足などの点から批判も寄せられている。
3. 文部科学省の動きとサブジェクトライブラリアンの模索
一方、国の施策としては、文部科学省が、2005年1月に「地域の情報ハブとしての図書館-課題解決型の図書館を目指して-」(17)、2006年3月に「これからの図書館像-地域を支える情報拠点をめざして-」(18)を発表した。前者では、「司書によるレファレンスや情報検索機能、を核としながら、重層的なネットワークを活用することにより、課題解決型の新しいサービスの提供」を提案し、地域課題として、「ビジネス支援」「行政情報提供」「医療関連情報提供」「法務関連情報提供」などをあげている。
こうした動きと前後し、司書養成課程の根拠である「図書館法施行規則」が2011年に改正され、「情報サービス」が重要な領域として位置づけられた(19)。
ところで、同時期、東京都立図書館等の実践の中では、奥村らが「サブジェクトライブラリアン」の可能性を模索している(20)。これは、日々の生活の中でニーズが高いが、情報提供する上では配慮が必要なビジネス、法律、健康医療などの情報支援をとりあげ、レファレンスを中心とした図書館機能の枠内でどのようなサービスが可能かを検討し、そのために必要な能力を明らかにし、人材育成を図るものである。その成果は主に、都道府県立図書館で、市町村立図書館を対象とした研修の実施という形で現れている。
以上が、ビジネス支援サービスが普及した前提の一つと考えられる。
4. 実態調査からみたビジネス支援サービスの普及
さて、2006年、2008年と2011年に、協議会では現状を把握するため、「ビジネス支援図書館サービス全国アンケート」を実施した(21)。その結果、ビジネス支援の実施館が121館(回答数1,054)から192館(回答数843)、さらに2011年には208館(回答数700)に増加していることが明らかになった。
調査結果からは、住民の課題解決やニーズの変化に対応するため、コーナーの設置や選書の見直しなど可能なことから着手されているものの、ビジネス支援サービスの本格的実施のためには、研修体制、予算・人員、関係機関との連携を課題視している実態がうかがえる。さらに、地域企業と経済の発展のために、地域資料に重要性を見出していることがわかる。
他方、全国公共図書館協議会でもビジネス情報関連サービスの実態調査を、課題解決支援サービスに含めて2014年に実施した(22)。協議会が実施した3回の調査と単純に比較することはできないが、サービスを行っている館は全体で570館(回答数1,342)あり、増加傾向にある。
5. 先進図書館の事例報告・ビジネス支援ガイド
図書館のビジネス支援機能の普及の原動力となった要因として、米国の先進図書館の事例報告が挙げられる。菅谷はニューヨーク公共図書館をはじめとする図書館について報告し(23)(24)、電子資料や、顧客の情報ニーズの把握、ビジネスの専門家と連携しての事業実施、図書館を核としたネットワークの形成の重要性を強調した。その後、米国のビジネス支援については、安藤(25)・上田(26)が報告を行っている。
これ以後、早期にビジネス支援を開始した図書館や協議会から事例報告が相次ぎ、ビジネス支援サービスを始める図書館向け「支援ガイド」が出された。
豊田は、米国の図書館等の見学経験から、日常のレファレンス質問で頻出である、企業情報、人物情報、業界動向等のテーマに基づき資料を紹介する「テーマ別パンフレット」の重要性を強調している(27)。
常世田(28)(29)、白沢(30)(31)は、2001年度からサービスを開始している浦安市立図書館(千葉県)の実践を通し、浦安市商工会議所との連携で実施したビジネス支援セミナーと個別相談会や、日経テレコン21などの商用データベース、図書館で作成した「ビジネス支援基本情報源」によるビジネスレファレンスの充実について紹介している。また山崎は、秋田県立図書館での実践から、関連資料の収集や提供、専門機関との連携など、段階的に構築していくことと、地域の特性を生かしたサービスを提供することを指摘している(32)。
協議会設立以前からすでにビジネス関連サービスを実施していた図書館のあいだでは、「ビジネス支援」という視点でサービスを整理する動きもみられた(33)。1959年開館の神奈川県立川崎図書館は、自然科学と工学分野の専門的資料の提供を主体としたサービスを展開していたが、1998 年に「科学と産業の情報ライブラリー」としてリニューアルし、さらに、2005 年にビジネス支援室開室により、本格的にビジネス支援サービスを始めた(34)(35)。ここでは、知的財産権分野のサービスを中心に、産業関連団体と連携した発明相談等の相談業務、講座の開催に取り組んでいる。
大阪府立中之島図書館では、1904年の創設(当時、大阪図書館)以来、大阪産業界に対して、主として特許資料を軸に「商工資料」サービスが展開されていたが、2004年4月から、「ビジネス支援室」を設置し、デジタル資料の導入や、ビジネスセミナーの開催がなされ、本格的な支援サービスに切り替わっている(36)(37)。
2005年には、東京都立中央図書館でのレファレンス事例をまとめた『事例で読むビジネス情報の探し方ガイド』(38)が出版された。主題別の構成になっており、レファレンス事例が集約されているため、ビジネス支援サービスを始める図書館には有用である。また、同館の商用データベース提供、レファレンスサービスについて青野らが報告を行っている(39)。
ビジネス支援を行ってきた静岡県立中央図書館(40)では、2006年に『図書館のビジネス支援はじめの一歩』(41)をまとめ、ビジネス支援の概要だけではなく、起業プロセスや産業支援機関・類縁機関ガイドが詳しく示されている。
6. ビジネス支援サービスの事例と成果
各館のサービスについては、沖縄県立図書館(42)、静岡市立御幸町図書館・神奈川県立川崎図書館・品川区立大崎図書館(東京都)(43)・諫早市立諫早図書館(長崎県)(44)・北広島市図書館(北海道)(45)・熊本県立図書館(46)の事例が紹介されているが、ここでは、協議会が行ったアンケート調査に基づき、そのサービス内容、方法などを整理し、示すこととする。
6.1. 資料の収集・展示・各種ツールの作成
協議会によるアンケート調査の結果、コーナーの設置、選書の見直し等、まず資料・情報源の整備に着手する図書館が多かった。さらに、「企業情報」「人物情報」「業界動向」などの頻出のテーマに沿って選定した専門資料をビジネス資料コーナーに別置し、ブックリスト、パスファインダー、その他のレファレンスツールを作成し、利用者にわかりやすく提供するといった工夫が、新潟市立図書館などの事例報告(47)に見られた。これらの資料は、通常の書架で日本十進分類法(NDC)により配架できるが、ビジネス用途にもとづいた頻出のテーマにより分類し、一般の資料と別置した方が利便性が高いと考えられる。各種ツールの中では、国立国会図書館(48)(49)や都道府県立図書館等が作成したパスファインダーは、豊富な所蔵資料をわかりやすく案内するだけではなく、より小規模な図書館の資料選定ツールとなっている。なお、都道府県立図書館と政令指定都市立図書館に対しては、伊藤らによるウェブ上パスファインダーの調査(50)や、高田による情報リテラシー育成支援の調査(51)がなされている。
このように、資料の収集・展示、各種ツールの作成については、先進図書館によって作成された「支援ガイド」等を参照しながら、ふじみ野市立上福岡図書館(埼玉県)の報告事例に見られるように、各図書館が事情に応じて、可能な範囲で取り組んでいる実態がうかがえる(52)。
6.2. 専門機関との連携事業
新潟市立中央図書館等では、日本政策金融公庫と連携して、ビジネス融資相談会を定期的に開催している(53)。起業希望業種に合わせて、事前に図書館側が事業計画の書き方や業界動向などの所蔵資料を準備し、中小企業診断士が起業事例や法的規制などの実践的な情報を持ち寄り、相談に当たるものである。相模原市立橋本図書館では、相模原市産業振興財団と連携し、創業・起業ビジネス相談会を共催し、ビジネスレファレンス機能を拡充している(54)。
専門機関の機能と図書館資料を個々の利用者に対して直接組み合わせて情報支援サービスを行うこうした事例は多くはないが、図書館の提供する情報源と相談事業の相性の良さを示しているともいえる。
例えば滑川は、図書館のビジネス相談を利用して起業した事例を分析した(55)。個々の起業希望者に対し、中小企業診断士が担当した相談内容と、図書館側が担当したレファレンス内容が、起業にどのように影響しているかを捉え、専門家による相談により方向づけされることで、図書館のレファレンス機能が効率化されることを示した。
さらに、浦安市立図書館等のように、数十人の定員でビジネス・セミナーが開催された図書館もある(56)。図書館の起業相談では、経理、起業手続き等、起業に共通する業務や、ビジネスネットワークの形成に苦手意識を感じている例がみられる(57)が、このような参加者に対しては、ビジネス・セミナーが有効と考えられる。
一方で、隣接する行政機関と連携が行われる事例も存在する。熊本市のくまもと森都心プラザ図書館では、「ビジネス支援センター」が併設されており、開館時間中は中小企業診断士、行政書士などの相談員が常時相談を受けている(58)。さらに、館内のビジネス支援センターに隣接する場所にビジネス書を配置する他、企画展示を行っている。2004年からビジネス支援を開始している静岡市立御幸町図書館のビジネス支援サービスは、同じビルの産学交流センター構想とセットで準備が進められ、資料収集のほか、相談事業のシームレス化、講座やイベントでの棲み分けが図られている(59)(60)(61)。
専門機関との連携で相談等の事業を実施した図書館からは、起業に成功した等の成果が静岡市立御幸町図書館(62)・鳥取県立図書館(63)(64)(65)(66)・秋田県立図書館(67)・新居浜市立別子銅山記念図書館(愛媛県)(68)・熊本県立図書館(69)から報告されている。
6.3. 多様なイベント
ビジネス関連資料の収集、提示、専門機関と連携した事業は、現在のビジネス支援サービス事業の核といえるが、さらに発展的な企画が展開され、サービスの可能性を広げている図書館の事例もみられる。
鳥取県立図書館は、文部科学省の委託事業「地域の図書館サービス充実支援事業」を受託して「図書館で夢を実現しました大賞」(70)を実施し、図書館の資料や機能を活用して得られた情報や継続的な利用が、商品開発や技術開発、起業・創業につながった事例を全国公募した。この事業により、特にビジネス分野における図書館活用法の周知が図られた。
広島市立中央図書館では、広島県中小企業診断協会、広島県信用保証協会と連携し、ビジネス相談会を行ったが、2013年から新たに日本政策金融公庫と連携し、日本政策金融公庫が開催する「高校生ビジネスプラン・グランプリ」のための「ビジネスプラン作成講座」を日本政策金融公庫と共催で実施している(71)。これは、ビジネス支援サービスの対象を広げるとともに、学習指導方法「アクティブ・ラーニング」を意識したものである。また、起業相談で起業予定者に対する支援内容である事業計画作成を、高校生のリテラシーの向上、図書館利用率の向上に応用した意義も大きい(72)。
6.4. 地域資源とビジネス支援サービス
ビジネス支援サービスは、そのサービスエリアの産業とは、密接なつながりを持つ。特に、地場産業に特徴のある地域は、ビジネス支援サービスが意識される以前から、資料選定やレファレンスのテーマに影響を受けてきたと考えられる。
岐阜市立図書館は、地場産業に重点をおきファッションライブラリーとして整備された。専門誌、海外誌を含む専門資料を所蔵しており、岐阜市立女子短期大学等と連携して作品のショーウィンドウ展示や、ファッションショーを行った(73)。
小山市立中央図書館(栃木県)では、「ビジネス支援コーナー」を設置し、ビジネスセミナーを開催するなど、2005年からビジネス支援サービスを開始したが、次の点で独自性が見られる(74)。まず、サービス開始にあたり「おやまビジネス支援連絡会」を発足させ、産官学の各連携先を確保したこと、次に、「農業支援」をテーマに掲げ、農業関係資料を収集するだけでなく、農業支援に特化したウェブコンテンツの中でパスファインダーやリンク集を提供する点、さらに、小山市の農業や特産品が一目でわかる「おやまブランド特産品コーナー」を設置し、関連記事を掲示、パンフレット配布を行っている点である。
さらに、特徴のあるサービス事例として、図書館のネットワークをとおして観光産業を振興させようとする観光展示の取り組みが、愛媛県立図書館や宇佐市民図書館(大分県)を中心に現れた(75)(76)。温泉とサッカーを地域資源と捉え、現地に行かなければ入手できない観光チラシ等を、サッカーチームの本拠地が所在する自治体の図書館同士が交換し、サッカーの試合に合わせて展示するという「図書館で温泉ダービー」の試みである。
他に、地域に特化した資料を集中的に収集している事例としては、自動車産業が集積する地域にある豊田市立中央図書館(愛知県)「自動車資料コーナー」(77)や、集積するIT産業や地場産業の染色業、印刷業を含む約400紙の業界紙を所蔵している新宿区立角筈図書館(78)の事例が報告されている。また、石川県立図書館は、「加賀藩」や「前田家」に関するレファレンス事例をビジネス支援の側面を意識しながら「レファレンス協同データベース」に登録している(79)。伊万里市民図書館(佐賀県)の利用者が世界初の「有田焼万華鏡」を開発した事例からは、地域資料である有田焼関係資料が、売上げを向上させるためのマーケティング資料、焼き物、ガラス、金属などの工業資料、窯業の専門家のアドバイスと組み合わさることで、多様な可能性を生み出すことが理解できる(80)。
6.5. ビジネス支援サービス把握の試み
以上のような多様なビジネス支援サービスの一端を捉えるために、田村らによる調査「企業活動支援メカニズムとしての公共図書館ビジネス支援サービスの効果」(81)および「利用者ニーズに適合した公共図書館サービスモデルの構築」(82)が行われた。
後者においては、2つの図書館の図書館職員、連携機関スタッフ、利用者の計18人に対するインタビューが行われた。図書館職員に対するインタビューからは、ビジネス支援サービスのアプローチとして、伝統志向型、レファレンスサービス拡張型、専門サービス志向型と3つがあることが確認された。また、連携機関スタッフと利用者は、敷居の低さや、共有する情報源、問題解決のための能力を有する図書館に価値を等しく見出していることが指摘された。
さらに、田村(83)はサービス発展の経緯と現状の課題について、池谷(84)はサービスを組織化の点から捉え、報告を行った。
7. ビジネス支援に必要なスタッフと人材育成
図書館の機能を生かし、多様な事業を専門機関と連携し展開するためには、それを実践する図書館スタッフの存在が不可欠である。余野は、ビジネス支援サービスを推進するためのスキルアップとして、所蔵資料の把握、レファレンス事例の収集、研修の実施に加え、簿記・販売士検定(日本商工会議所)など一般のビジネス資格の取得を勧めている(85)。同論文では従来の図書館サービスに加え、ビジネス支援サービスで加わった要素をスキルアップの視点から明らかにしており、ビジネス支援サービスの特徴を捉えることができる。
さらに、日米のレファレンスサービスの方法論を比較することにより、ビジネス支援サービスにおける図書館側スタッフに必要とされる能力を把握することが考えられる。
米国図書館協会(ALA)の一部門であるBRASS(Business Reference and Services Section)が2006年からウェブ上で実施している研修、Business Reference 101については、滑川が報告を行っている(86)。この研修は図書館職員のレファレンス技術の向上を目指し現在まで継続されており、外国会員にも開放されている。また、この研修の講師を務めているCelia Rossは、主題のカテゴリーとしてCompany information(会社情報)、Industry information(業界情報)、Investing/Financial Information(投資・財務情報)、Consumer information/Business statistics(消費者情報・ビジネス統計)からなる“The Core Four”を示している。すなわちビジネスレファレンスにおいては、最初に利用者の質問の構成要素を4つのカテゴリーに分解し、各カテゴリーに適する情報源を用いて調査・確認を行い、その結果を結合して利用者へ回答する必要があることを強調している。Rossの著書“Making Sense of Business Reference”ではこの4つのカテゴリーごとに、情報の探し方の説明と、紙媒体、電子媒体、オンライン等の情報源の紹介が行われている。Business Reference 101のカリキュラムもThe Core Fourの概念に基づいて構成されている。さらに、BRASS の委員会メンバーは、主題をさらに細分化し10のカテゴリーとして示している。
一方、日本でも同様の方法が図書館経営支援協議会により『事例で読むビジネス情報の探し方ガイド』で示されている(87)。ここでは、主題を8つのカテゴリー(企業・団体情報、市場・業界情報、統計・データ、経営・ビジネス一般、法令情報、技術・製品情報、起業・就職情報、人物情報)にわけて情報を獲得する方法が説明され、具体的事例を解説し、情報源(紙媒体、電子媒体、ウェブ)も紹介されている。協議会が実施する「ビジネスライブラリアン講習会」や、東京都立中央図書館によって2006年に実施された、Eメールによる「ビジネスレファレンス通信講座」(88)の中でも、このカテゴリーに沿った形で事例解説、情報源の紹介が行われた。
2009年度に協議会が実施したビジネス支援レファレンス・コンクール(89)では、実際に活動しているビジネスパーソンによって出題されたレファレンス質問に対し、全国の図書館から回答を募集する形で行われた。「バイオテクノロジー関連機器の販路拡大」「老舗とんかつ店がランチから撤退」など、漠然とした情報要求に対し、前述の方法論に沿って各主題のカテゴリーに分解し、意思決定に有用な情報源を選び、それを組み合わせて回答した例が多数みられた。
このように、ビジネスレファレンス分野では、日米の方法論や研修方法に類似性がみられる。こういった能力は、専門機関との連携で実施される多様なサービスの核となるものである。
8. ビジネス支援サービスの現状と今後の展望
日本の図書館では、従来、十進分類法等に基づき、資料を分類・提示する一方で、各分野の資料の活用を促すため、テーマ展示や講演会などのイベントとともに、ビジネス関係の専門資料も既存の分類のなかで一定程度収集してきた。つまり、ビジネス支援サービスの実施ということは、次のような意味を持つと考えられる。すなわち、図書館が企業情報、人物情報、業界動向等、別尺度のテーマを設定し、資料の収集や提示、イベントなどを提供することで、利用者に利便性を図ることである。課題解決支援の促進のためには、さまざまな切り口が必要であり、ビジネス支援サービスという異なる視点で展開されている支援内容は、その方法として有効性が高いと考えられる。
協議会が実施したアンケート調査の結果では、各図書館ともに、可能な範囲でサービスを実施しており、その導入のしやすさがうかがわれる。だが、本格的にサービスを展開するには、予算・人員の面で課題を抱えている。グローバル化の時代を迎え、業界情報や国外の情報を集めることの可否は重要となっている。
図書館のビジネス支援サービスは、日米だけでなく、英国(CA1523参照)(90)、シンガポール(CA1726参照)(91)、中国(上海)(92)での実施が確認されている。国境を越えた事例の収集ができれば、サービスの提供において効果があげられる。協議会が手がけているALAのイベントへの出展や、ALAの実施するウェブ型の研修への参加等を契機として国際協力体制を整える必要があると考えられる。
(1) “付属統計資料10表 業種別の開廃業率の推移(事業所ベース、年平均)”. 2017年版中小企業白書. 中小企業庁, 2017, 554p.
http://www.chusho.meti.go.jp/pamflet/hakusyo/H29/PDF/chusho/08Hakusyo_fuzokutoukei_web.pdf#page=32, (参照 2019-01-04).
(2) 菅谷明子. 進化するニューヨーク公共図書館. 中央公論. 1999, 114(8), p. 270-281.
(3) ビジネス支援図書館推進協議会. “ビジネス支援図書館推進協議会”.
http://www.business-library.jp/, (参照 2019-01-04).
ここに協議会の主な機能を述べる。まず、全国の図書館のビジネス支援担当者を集めた3日間のビジネスライブラリアン講習の実施がある。ビジネス情報源の紹介やビジネスレファレンス研修や先進図書館の事例発表、ビジネス支援事業計画作成などをテーマとしたグループ討議が主で、講習後にレポートが課され、合格すればビジネスライブラリアンとなれる仕組みが提供されている。協議会会員へのサービスとしては、メーリングリストの提供、各地の図書館への講師派遣、図書館と中小企業診断協会や日本政策金融公庫などの都道府県支部との橋渡しも行われている。また、定期的に開催される情報ナビゲーター交流会等のイベントを通し、各図書館関係者の交流や情報交換が促進されている。さらに、全国図書館大会など国内の事業参加だけではなく、米国図書館協会(ALA)年次大会への参加事業では、日本の図書館におけるビジネス支援サービスの事例発表を行っている( E1945,E2045参照)。
(4) 齊藤誠一, 山崎博樹. “ビジネス支援図書館推進協議会の歩みと成果”. 日本生涯教育学会論集. 2014, (35), p. 161-170.
(5) 竹内利明. 創業支援とビジネス支援機能を持つ公共図書館の提案. 情報管理. 2001, 44(10), p. 708.
https://doi.org/10.1241/johokanri.44.708, (参照 2019-01-17).
(6) 田中功. 情報活用を支援する拠点としての図書館. 情報管理. 2004, 47(9), p. 610-615.
https://doi.org/10.1241/johokanri.47.610, (参照 2019-01-17).
(7) 森田歌子. 図書館と産学官連携を結びつける!創業を支援し,中小企業を知識型基盤社会へ導くのは図書館の役割:ビジネス支援図書館推進協議会 竹内利明会長の行動を探る. 情報管理. 2009, 52(4), p. 226-227.
https://doi.org/10.1241/johokanri.52.226, (参照 2019-01-17).
(8) 石津孝義. 知識経済時代に向けての日本再生と図書館の役割.レコード・マネジメント. 2003, (46), p. 33-52.
(9) 山重壮一. 地域の価値を創造する公共図書館. 現代の図書館. 2015, 53(4), p. 188-194.
(10) 北克一. 「ビジネス支援図書館」像の論議(座標). 図書館界. 2002, 54(6), p. 259.
https://doi.org/10.20628/toshokankai.54.6_259, (参照 2019-01-17).
(11) 中畑充弘. 図書館の「ビジネス支援」と地域活性化:経営人類学の視点から. 政治学研究論集. 2004, (21), p. 55-75.
http://hdl.handle.net/10291/8178, (参照 2019-01-17).
(12) 高坂晶子. 中小企業向けビジネス支援サービスの強化について:アメリカ公共図書館の事例を参考に. Business & economic review. 2007, 17(4), p. 66-76.
(13) 常世田良, 手嶋孝典, 菅谷明子ほか. 特集, ビジネス支援図書館:討論 「ビジネス支援」で公共図書館を変える 図書館改造計画. 季刊・本とコンピュータ. 第二期, 2002, (6), p. 142-154.
(14) 伊藤昭治.小特集, 図書館のビジネス支援を問う:アメリカのビジネス・ライブラリーはどのようなものかご存知ですか. 談論風発. 2008, 3(3), p. 1-6.
(15) 田井郁久雄. 小特集, 図書館のビジネス支援を問う:図書館のビジネス支援サービスは成功しているか. 談論風発. 2008, 3(3), p. 7-14.
(16) 大森輝久. 第183回 日米の図書館差以前の話(INFOSTA Forum). 情報の科学と技術. 2006, 56(3), p. 125.
https://doi.org/10.18919/jkg.56.3_125, (参照 2019-01-17).
(17) 文部科学省. “地域の情報ハブとしての図書館(課題解決型の図書館を目指して)”.
http://www.mext.go.jp/a_menu/shougai/tosho/houkoku/05091401.htm, (参照 2019-01-04).
(18) 文部科学省. “これからの図書館像.地域を支える情報拠点をめざして.(報告)”.
http://warp.ndl.go.jp/info:ndljp/pid/286794/www.mext.go.jp/b_menu/houdou/18/04/06032701.htm, (参照 2019-01-04).
(19) 小田光宏. “第1部公立図書館におけるレファレンスサービスの課題:実態調査報告書に基づく分析と創造的展開に向けての視座”. 2004年度公立図書館におけるレファレンスサービスの実態に関する研究報告書. 全国公共図書館協議会, 2005, p. 3-56.
https://www.library.metro.tokyo.jp/pdf/15/pdf/r2chap1.pdf, (参照 2019-01-17).
(20) 奥村和廣, 瀬島健二郎, 土肥さかえ, 中山康子. 特集, サブジェクトライブラリアンは必要か:東京都立中央図書館の情報サービスとサブジェクトイブラリアンへの課題. 情報の科学と技術. 2005, 55(9), p. 381-386.
https://doi.org/10.18919/jkg.55.9_381, (参照 2019-01-17).
(21) 田村俊作ほか. “利用者ニーズに適合した公共図書館サービスモデルの構築:平成20年度~23年度科学研究費補助金(基盤研究(B))研究成果報告書”. 2012, p. 38-52.
(22) 全国公共図書館協議会編. “2015年度(平成27年度)公立図書館における課題解決支援サービスに関する報告書”.全国公共図書館協議会, 2016, 68p.
https://www.library.metro.tokyo.jp/pdf/zenkouto/pdf/2015all.pdf, (参照 2019-01-17).
(23) 菅谷. 前掲.
(24) 菅谷明子. 未来をつくる図書館:ニューヨークからの報告. 岩波書店, 2003, 230p., (岩波新書, 837).
(25) 安藤晴彦. アメリカにおける公共図書館のビジネス支援サービス.情報管理. 2014, 56(11), p. 750-757.
https://doi.org/10.1241/johokanri.56.750, (参照 2019-01-17).
(26) 上田志保. 海外出張報告 積極的なビジネス支援サービス–ニューヨーク公共図書館「SIBL」におけるサービス. 国立国会図書館月報. 2004, (518),p. 23-27.
https://doi.org/10.11501/1001797, (参照 2019-01-17).
(27) 豊田恭子. 特集, ビジネス支援事始:図書館現場におけるビジネス支援–基本情報源ガイドの作成. みんなの図書館. 2002, (302), p. 25-29.
(28) 常世田良. 特集, 図書館サービスとしてのビジネス支援:公立図書館におけるビジネス支援サービスの現状. 図書館雑誌. 2003, 97(2),p. 86-89.
(29) 常世田良. 浦安図書館にできること 図書館アイデンティティ. 頸草書房, 2003, 270p., (図書館の現場, 1).
(30) 白沢靖知. 特集, 地域に根ざしたビジネス支援事業:浦安市立図書館におけるビジネス支援事業について. 現代の図書館. 2003, 41(2),p. 63-74.
(31) 白沢靖知. ビジネス支援セミナー&個別相談会事業を開催して. みんなの図書館. 2002, (303), p. 59-65.
(32) 山崎博樹. 特集, 地域に根ざしたビジネス支援事業:公共図書館におけるビジネス支援サービスの実際と可能性. 現代の図書館. 2003, 41(2), p. 55-62.
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(86) 滑川. 前掲.
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滑川貴之. . カレントアウェアネス. 2019, (339), CA1950, p. 23-29.
http://current.ndl.go.jp/ca1950
DOI:
https://doi.org/10.11501/11253596
Namekawa Takashi
Business Information Services in Public Libraries of Japan
This article reviews literature on business information services in public libraries in Japan. According to an inventory survey, it was clear that the number of libraries which carry out business information services has increased. A factor behind this spread was the support of the Japan Business Library Association and advanced libraries. The content of these services was collection of business information sources, the display of these sources and the making of tools such as pathfinders. Business counseling and seminars were run in cooperation with specialized agencies. In addition, the services were closely connected to the local documents of the library. Furthermore, a methodology for business references was arranged, and opportunities for training were provided. However, there were problems with budget and staff to further develop services. In addition, collecting information from a variety of industries and overseas business intelligence was also a problem.