cOAlition S、「価格・サービス透明性のフレームワーク」の運用を支援するウェブサービス構築のための入札案内書を公開

2021年4月26日、cOAlition Sのウェブサイト上で、「価格・サービス透明性のフレームワーク」(Price & Service Transparency Frameworks)の運用を支援するウェブサービス構築のための入札案内書(Invitation to Tender)が公開されています。入札後の契約は、cOAlition Sを代表して欧州科学財団(ESF)が行います。

同サービスの要件として以下の点等が示されており、2021年6月7日までの提案書提出が求められています。

・学術出版社が、cOAlition Sの「価格・サービス透明性のフレームワーク」に準拠して、データをアップロードすることができる
・承認済みユーザーが、同サービスにログインでき、任意の学術誌において、どのようなサービスがどのような価格で提供されているのかを確認できる
・承認済みユーザーが、複数の学術誌を選択し、各学術誌のサービス・価格を比較できる
・(Plan S原則に準拠した出版方法の研究者向け確認ツールである)“Journal Checker Tool”が、APIを通じて、任意の学術誌が「価格・サービス透明性のフレームワーク」に準拠したデータを提供しているかどうかを確認できる
・2021年12月1日までに、学術出版社が“Framework Reports”をアップロードできる
・2022年6月1日までに、“Journal Checker Tool”を含む全ての承認済みユーザーがアクセスできる

このサービスを通じアクセスが可能になるデータには、機密性の高いものが含まれています。そのため、出版社がアップロードした、承認済みユーザーからのアクセスのみを可とするデータに対しては、他の出版社によるアクセスができないような安全なサービスの構築が必須であると述べています。

Building a service to support cOAlition S’s Price & Service Transparency Frameworks: an Invitation to Tender(cOAlition S, 2021/4/26)
https://www.coalition-s.org/building-a-service-to-support-price-service-transparency-frameworks-itt/
https://www.coalition-s.org/wp-content/uploads/2021/04/InvitationToTender.pdf
※二つ目のリンクが入札説明書[PDF:15ページ]です。

参考:
cOAlition S、Plan S原則に準拠した出版方法の研究者向け確認ツール“Journal Checker Tool”のベータ版を公開
Posted 2020年11月19日
https://current.ndl.go.jp/node/42568

cOAlition S、「Plan Sに基づく価格透明性のフレームワーク」運用のためのオンラインサービス構築の実現可能性に関する情報提供依頼書(RFI)を公開
Posted 2020年10月20日
https://current.ndl.go.jp/node/42307

CA1990 – 動向レビュー:プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響 / 船守美穂
カレントアウェアネス No.346 2020年12月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1990