公共図書館が人々にもたらす影響:デンマーク・ロスキレ中央図書館による調査とその報告書(記事紹介)

デンマーク・ロスキレ市で図書館・市民サービス部門のディレクターを務めるChristian Lauersen氏のブログ“The Library Lab”の2021年4月19日付け記事“A haven in our community: The impact and value of public libraries”において、ロスキレ中央図書館の主導により2020年秋に実施された調査が紹介されています。

公共図書館がデンマークの人々にもたらす影響に関する調査であり、全国的なアンケート調査をベースにしています。特に、安息所としての図書館、様々な視点を提供する図書館、創造性を涵養する図書館、コミュニティの形成・維持を支援する図書館という4つの側面に注目しています。

記事では、図書館の価値を語る際の言葉を「図書館は何冊の本を貸し出したか」から「市民にとって本を貸すことはどんな意味があったか」に変えていきたい、という考えが調査の背後にあったと述べています。調査の報告書は最初にデンマーク語版で公開されましたが、国外から寄せられた大きな関心を受けて、英訳を作成・公開したことが紹介されています。

なお、この調査の手法・デザインを様々なレベルで拡張できるユーザーガイドも作成されています。記事によれば、現在はデンマーク語版が公開されており、2021年5月には英訳が完成する予定です。

A haven in our community: The impact and value of public libraries(The Library Lab, 2021/4/19)
https://christianlauersen.net/2021/04/19/a-haven-in-our-community-the-impact-and-value-of-public-libraries/

The impact of public libraries in Denmark: A haven in our community [PDF:63ページ]
https://www.roskildebib.dk/sites/roskilde.ddbcms.dk/files/files/news/roskildebib_folkebibliotekets_betydning_for_borgerne_i_danmark_eng_final_0.pdf
※報告書(英語版)です。

参考:
英・ロンドン図書館、同館の経済的・社会的影響に関するレポートを公開
Posted 2021年3月18日
https://current.ndl.go.jp/node/43571

E2313 – カナダの美術館・図書館・文書館・博物館がもたらす経済価値
カレントアウェアネス-E No.400 2020.10.15
https://current.ndl.go.jp/e2313