国際図書館連盟(IFLA)、人権としての健康・医療情報へのユニバーサルアクセスに関する声明を発表

2024年4月21日、国際図書館連盟(IFLA)が、人権としての健康・医療情報へのユニバーサルアクセスに関する声明“Statement on Universal Access to Healthcare Information as a Human Right”を発表しました。

声明は、IFLAの地球規模及び災害時の健康に関する課題に取り組む研究会である“Evidence for Global and Disaster Health Special Interest Group”が、健康・生物科学図書館分科会(Health and Biosciences Libraries Section)の協力を得て作成し、4月17日付けでIFLA運営理事会で承認されたものです。

発表によるとこれは、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)によって、健康・医療情報の重要性と、個人や国によってこれらの情報へのアクセスしやすさに格差がある状況が明らかになったことを踏まえたものです。

図書館に対して、アドボカシー活動や実践を通じて、誰もが健康・医療情報にアクセスできるように取り組むよう呼び掛けるとともに、政府は健康・医療情報へのアクセスを権利として認識し、これを支援する法律を制定すべきとしています。また、情報の提供拡大に向けた支援や、図書館を始めとする機関による情報の普及と利用、連携の推進についても言及されています。

Health information is a right – new IFLA statement(IFLA, 2024/4/21)
https://www.ifla.org/news/health-information-is-a-right-new-ifla-statement/

IFLA Statement on Universal Access to Healthcare Information as a Human Right(IFLA)
https://repository.ifla.org/handle/123456789/3276
https://repository.ifla.org/bitstream/123456789/3276/1/IFLA%20Statement%20on%20Universal%20Access%20to%20Healthcare%20Information%20as%20a%20Human%20Right.pdf
※二つ目のURLは声明の本文[PDF:118.57 kB]です。

参考:
コクラン・ライブラリー、新型コロナウイルス感染症拡大への対応の一環として利用制限を一時的に撤廃 [2020年03月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/40627

どのように図書館は新型コロナウイルス感染症感染拡大下でリテラシー向上の使命を果たしてきたか(記事紹介) [2020年09月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/41960

E2284 – 各国の図書館における新型コロナウイルス感染症への対応例
カレントアウェアネス-E No.395 2020.07.30
https://current.ndl.go.jp/e2284