米国政府の政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化方針案を支持する利害関係者団体・反対表明を撤回した利害関係者団体の一覧(記事紹介)

米・SPARCは2020年1月27日付で、米国政府で検討されていると噂される政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化方針案の最新状況を解説した記事を公開しました。

SPARCは同記事の中で、SPARCが現行のOAに関する方針の改訂を強く支持しておりすでに政府に対してその旨を示した書簡を送付済であることを示した上で、即時OA義務化方針案については、学生、研究者、患者・支援団体、出版社に至るまで幅広い利害関係者が支持を表明していることを指摘しています。SPARCは次のような義務化方針案への支持表明の書簡を紹介し、記事内でリンクを提供しています。また、紹介した以外の団体の支持表明についても確認次第記事内のリストに追加する、としています。

・米国内210以上の大学図書館・研究図書館を代表したSPARCの書簡
・21人のノーベル賞受賞者連名の書簡
・研究者個人、出版社、助成団体、患者・支援団体、図書館員、一般の人々の署名3,000近くを集めた書簡
・66の患者・支援団体、疾患・支援団体の連名による書簡
・米国内45の大学院生団体を代表したNational Association of Graduate-Professional Studentsの書簡
・米国内8万3,000人以上の市民と60万人の大学生を代表した、消費者権利団体U.S.PIRG・学生団体Student PIRGsによる書簡
・米国図書館協会(ALA)、米国大学・研究図書館協会(ACRL)、北米研究図書館協会(ARL)、地域・小規模図書館による代表団体Association for Rural & Small Libraries(ARSL)、北米の大学の連合組織Coalition of Open Access Policy Institutions(COAPI)、Creative Commons、電子フロンティア財団(EFF)、OA出版社PeerJ、SPARCの連名書簡
・PLOS、PeerJ、MIT Press、eLife、F1000、Frontiers等の複数のOA出版社による連名書簡

即時OA義務化方針案について、2019年12月に米国出版協会(AAP)は多数の利害関係者の署名付きで同方針案に反対する書簡を提出していますが、内部からの批判により、後日反対表明を撤回した団体も存在することも記事内で指摘されています。SPARCは次のような団体がAAPの反対表明への支持を撤回したことを紹介しています。

・米国計算機学会(ACM)
・科学的心理学会(Association for Psychological Science:APS)
・米国社会学会(ASA)の出版委員会

米国政府による政府助成研究の即時OA義務化方針案については、Twitter上でもハッシュタグ“OAintheUSA”が付され活発な議論が展開されています。

News Archive(SPARC)
https://sparcopen.org/news/
※JANUARY 27, 2020のNewsとして“Stay Up to Date on the Rumored 2020 White House Open Access Policy”とあります。

Rumored 2020 White House Open Access Policy(SPARC)
https://sparcopen.org/news/2020/stay-up-to-date-on-the-rumored-2020-white-house-open-access-policy/

参考:
米国のノーベル賞受賞者21人が米・トランプ大統領へ政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化を求めた連名書簡を提出
Posted 2020年1月30日
https://current.ndl.go.jp/node/40110

PLOSをはじめとするOA出版者らが即時オープンアクセス義務化方針を支持する書簡を米・トランプ大統領に提出
Posted 2020年1月21日
https://current.ndl.go.jp/node/40011

米国政府が政府助成研究の即時オープンアクセス(OA)義務化を検討?:出版関係者等に様々な反応(記事紹介)
Posted 2019年12月26日
https://current.ndl.go.jp/node/39850