E634 – LC,書誌コントロールの将来を議論するWG結成

カレントアウェアネス-E

No.104 2007.04.11

 

 E634

LC,書誌コントロールの将来を議論するWG結成

 

 インターネットや検索エンジンの普及,電子資料の増加は,図書館業務に大きな変革をもたらしている。とりわけ検索エンジンの普及は,図書館の伝統的な目録業務に対する大きな脅威となっていることもあり(CA1617参照),目録と他の情報検索手段との関係を批判的に比較検討していく必要性が,図書館運営者の共通認識となっている。

 米国議会図書館(LC)は2006年11月,書誌コントロールの将来像を議論するワーキング・グループを発足させた。このワーキング・グループは,書誌コントロールや目録業務が,図書館資料の管理や利用者からの資料へのアクセスに効果的であるかどうか,また図書館コミュニティ全体で書誌コントロールに関するビジョンを共有できる方法について調査を実施し,LCが果たすべき役割や優先事項について,助言を得ることを目的としている。メンバーはノースカロライナ大学図書館情報学科のグリフィス(Jose-Marie Griffiths)ら10名で,米国図書館協会(ALA)やOCLC,マイクロソフト,Googleからも代表者が参加している。

 このワーキング・グループでは2007年7月の提言公表までに,3回に分けてテーマごとに地方での公開ミーティングを開催する予定である。第1回公開ミーティングは「目録ユーザーと利用行動」をテーマに,2007年3月8日,カリフォルニア州のGoogle本社で行われた。ミーティングでは図書館利用者および図書館の管理者の視点から,図書館目録に対する問題点や要望が発表され,現在提供されている書誌は双方の要求を満たしていないという結論で一致した。

 第2回公開ミーティングは5月に,「書誌データの構造と標準化」をテーマとしてシカゴで,また第3回公開ミーティングは7月に,「書誌データの経済性と組織」をテーマとして,バージニア州で開催が予定されている。これら公開ミーティングにおける議論をもとに,9月を目処にレポートと諮問案の公開がおこなわれ,パブリックコメントの公募が予定されている。その結果をもとに,2007年11月に最終報告書が作成される予定である。

Ref:
http://www.loc.gov/bibliographic-future/
http://www.loc.gov/today/pr/2006/06-222.html
http://www.loc.gov/bibliographic-future/meetings/
http://www.loc.gov/bibliographic-future/meetings/invitation.html
http://www.loc.gov/bibliographic-future/meetings/2007_mar08.html
http://www.libraryjournal.com/article/CA6426593.html
CA1617