カレントアウェアネス-E
No.51 2005.01.19
E288
デジタル時代のドキュメント・デリバリー・サービス <NDL国際セミナー報告>
国立国会図書館主催の標記の国際セミナーが,2004年12月15日,169名の参加者を得て開催された。このセミナーは,電子情報環境下において欧米の主要機関がどのようなビジョンや戦略のもとにドキュメント・デリバリー・サービス(DDS)を展開しようとしているかを探ることを目的に開催したものである。
米国研究図書館協会のジャクソン(Mary E. Jackson)氏は,電子ジャーナルやオープンアクセス等の10のトレンドを取り上げて,今後のDDSに与える影響を展望した(E269参照)。また,英国図書館のフレガー(Mat Pfleger)氏は,ビジネスプロセスの変革,電子ドキュメントデリバリー(CA1545参照),情報アクセスの一元化の3点から,同館のビジョンと戦略を述べた。ハノーバー大学図書館/情報技術図書館のローゼマン(Uwe Rosemann)氏は,ドイツに拠点をおくDDSであるsubito(CA1545参照)と学術ポータルvascoda(CA1542参照)の現況と課題を紹介した。DDSをめぐる状況は流動的であるが,今後ともDDSが情報流通の連鎖の一翼を担うという点では各氏とも意見が一致した。
セミナーの概要は,『国立国会図書館月報』4月号に掲載予定である。
(報告:図書館協力課)