E225 – 子どもの本の国際電子図書館(ICDL)の近況

カレントアウェアネス-E

No.41 2004.08.04

 

 E225

子どもの本の国際電子図書館(ICDL)の近況 

 

 メリーランド大学とインターネット・アーカイブ社が各国の協力を得て構築している子どもの本の国際電子図書館(ICDL;S003E044参照)は,7月末現在までに500冊を超える児童書をインターネットで無料提供している。2007年までに1万タイトルを提供するという目標にはまだまだ及ばないが,最近ではイラン,セルビア,スロベニア,ケニア,オーストラリア,クロアチア,フィリピンの児童書を蔵書に加えるなど,その名に相応しく国際色豊かな児童書の電子図書館となっている。

 ICDLで目下大きな課題となっているのは著作権の処理であり,特に国・地域による著作権法制の違い,言語の壁等が問題とされているが,各地域の代表者に著作権処理を依頼することによって対処を図っているという。一方,新機能としては,ミュンヘン国際児童図書館(IYL)と協同でホワイト・レイブンス(White Ravens)データベースを構築した。これは,IYLが世界の児童書から秀作を選定した「ホワイト・レイブンス」にリスト化された児童書の解題付き書誌データベースであり,77か国40言語にわたる2,300冊以上の児童書が検索できる。これらのうち,ICDLで全文が見られるタイトルは現在3タイトルのみであるが,今後タイトル数を増やしていくことが計画されている。

Ref:
http://www.icdlbooks.org/
http://www.ifla.org/VII/s10/pubs/news60.pdf
http://www.icdlbooks.org:8080/servlet/edu.umd.cs.wira.WhiteRavens
S003
E044