E2242 – 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2020/3/20現在)

カレントアウェアネス-E

No.388 2020.03.26

 

 E2242

東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2020/3/20現在)

関西館図書館協力課調査情報係

 

 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況について,本誌での既報(E2220ほか参照)に続き,2020年1月下旬から2020年3月中旬までの主な情報を紹介する。

●被災地の図書館等の活動

 3月15日,陸前高田コミュニティー図書室(岩手県陸前高田市)が,同図書室が開設されていた仮設住宅が2020年3月末をもって閉鎖となることに伴い,閉室した。
https://www.facebook.com/1387298524717622/photos/a.1433876036726537/2757674204346707/

●デジタルアーカイブに関する動き

 国立国会図書館東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)に,以下のコンテンツが追加された。

  • 中越地震データベースに収録されている中越地震の資料のうち体験談や記録写真(1月22日)
  • 「令和元年度国立国会図書館と県立図書館の震災記録に関する協力連絡会議」の活動報告等(2月10日)
  • 東北大学附属図書館震災ライブラリーオンライン版で公開している資料のうち図書や雑誌以外の資料(チラシ,パンフレット,ミニコミ紙,広報誌等)(2月28日)

https://kn.ndl.go.jp/static/2020/01/22
https://kn.ndl.go.jp/static/2020/02/10
https://kn.ndl.go.jp/static/2020/02/28

 2月5日,岩手県が,東日本大震災津波の記録・記憶・教訓を伝え,後世に受け継ぐため,米・ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所と相互のアーカイブに関する連携・協力についての覚書を締結した。
https://www.pref.iwate.jp/governor/yotei/1019100/1026884.html

 2月27日,宮城県教育委員会が,ハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所と「デジタルアーカイブに関する連携協定」を締結し,同大学が運営する「日本災害デジタルアーカイブ」上で,「東日本大震災アーカイブ宮城」で公開されている資料情報の検索・利用が可能となった。
https://www.pref.miyagi.jp/release/archive-agreement.html

●展示

 1月5日から3月6日まで,宮城県図書館の「東日本大震災文庫」で,展示「震災と地域コミュニティ」が行われた。
https://www.library.pref.miyagi.jp/latest/events/entertainments/1519-202003-moyooshi.html

 2月2日から2月16日まで,仙台市若林図書館で,震災関連事業「新浜で繋がる、自然・ひと・歴史」展が行われた。
https://lib-www.smt.city.sendai.jp/index.php?key=jo1ldqonx-577

 3月3日から3月15日まで,釜石市立図書館(岩手県)で,企画展「3.11の教訓―災害に備える―」が行われた。
https://www.city.kamaishi.iwate.jp/docs/2020022800264/

 3月6日から,山形県立図書館で,展示「3.11を忘れない・・・。」が行われた。
https://www.lib.pref.yamagata.jp/index.php?key=jou1hlbzl-868

●イベント,講演会,講習会,研究会など

 2月17日,国立国会図書館が,いわて県民情報交流センター(アイーナ;岩手県)で,岩手県の後援により「国立国会図書館東日本大震災アーカイブ防災学習ワークショップ」を開催した。
https://www.ndl.go.jp/jp/event/events/20201217workshop.html

 2月28日及び2月29日,東北大学災害科学国際研究所(仙台市)及び宮城教育大学(仙台市)において,同研究所「みちのく震録伝」とハーバード大学エドウィン・O・ライシャワー日本研究所主催のワークショップ「ハーバード大学日本災害DIGITALアーカイブ(JDA)―教育現場での活用方法」が開催された。
http://www.shinrokuden.irides.tohoku.ac.jp/symposium/jdaworkshop/
https://twitter.com/jdarchive/status/1227683826652110848

 3月,東松島市図書館(宮城県)で,東日本大震災について伝えたいこと等を紙にしたためるイベント「3.11あの時の私」が行われた。
http://www.lib-city-hm.jp/lib/2011y-library%20top/index.html
http://www.lib-city-hm.jp/lib/2011y-library%20top/03_event.html

 3月7日,大船渡市民文化会館リアスホール(岩手県)で,大船渡市の主催により,「みちのく震録伝」で収集された東日本大震災の証言を詩として編集したものを音楽とともに朗読する「かたりつぎ~朗読と音楽の集い~」が開催された。
https://www.city.ofunato.iwate.jp/site/hukkou/11906.html
http://www.shinrokuden.irides.tohoku.ac.jp/symposium/kataritsugi2020/

●刊行物

  『専門図書館』299号(2020年2月)が,千葉徳次氏による記事「東日本大震災の教訓と図書館再建のあゆみ」を掲載した。
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030271391-00

 『仙台市政だより』2020年3月号が,仙台市民図書館の「3.11震災文庫」の特集記事「3.11震災文庫を語る」を掲載した。
https://www.city.sendai.jp/shiminkoho/shise/koho/koho/shisedayori/2020-03/documents/P02-03.pdf

 『学校図書館』833号(2020年3月)に掲載された特集「人を守る,本を守る:災害からの復興と危機管理」で,東日本大震災後の被災地での支援や読書活動が紹介された。
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030284791-00
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000054-I000137049-00
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030284798-00

 『図書館雑誌』114巻3号(2020年3月)が,日本図書館協会東日本大震災対策委員会による記事「東日本大震災対策委員会の支援活動:この1年」を掲載した。
https://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I030292995-00

 3月,日本図書館協会が,『東日本大震災 あの時の図書館員たち』を刊行した。
https://iss.ndl.go.jp/books/R100000067-I000391243-00