オープンアクセス化された研究文献の利用者:研究者以外に誰が、なぜ?(記事紹介)

2025年8月5日付けで、米国の非営利出版者Annual Reviewsによる世界の図書館員、出版者、ベンダー向けのオンライン雑誌“Katina”に、オープンアクセス(OA)化された研究文献の利用者に関する記事“Is Open Access for Everyone?”が掲載されています。著者は、米・プリンストン大学図書館のAmeet Doshi氏です。

研究成果は公共財である、という考え方がOA運動の中核的な理念として長らく提唱されてきたものの、研究者以外の人が学術情報にアクセスし、理解するには、時間や労力、モチベーションが必要となるとし、実際には誰が、どのような目的でOA文献を利用しているのかを調査したとあります。

主な調査結果として、学生のほか、教師、看護師、NGO職員等、最良のエビデンスを活用してサービス向上を目指す専門職の人(41%)、退職者や正式な研究環境以外で自己啓発等のために学術情報を求めている人(37%)、市民科学者等のアマチュアの研究者や自身の環境では学術情報へのアクセスに制約のある人(22%)が利用していることが判明したとしています。

Is Open Access for Everyone?(Katina, 2025/8/5)
https://katinamagazine.org/content/article/open-knowledge/2025/is-open-access-for-everyone