E1929 – 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2017/6/30現在)(2)

カレントアウェアネス-E

No.328 2017.07.06

 

 E1929

東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2017/6/30現在)(2)

 

 前稿(E1928参照)に続き,2017年3月上旬から2017年6月下旬までの東日本大震災後の図書館等をめぐる状況を紹介する。

●イベント,講演会,講習会,研究会など

 3月11日,岩手県立図書館が,定期的に開催している館内見学ツアーを「語り継ぐあの日の図書館と『震災関連資料コーナー』」として特別開催した。
http://www.library.pref.iwate.jp/info/evecale/sanpo/201703.html

 3月11日,仙台市のせんだいメディアテークで,3.11オモイデアーカイブ及び3がつ11にちをわすれないためにセンターにより,「3.11キヲクのキロク公開サロン第17回」が開催された。
http://table.smt.jp/?p=13467

 3月20日,宮城県多賀城市の東北歴史博物館で,宮城県被災文化財等保全連絡会議により,公開シンポジウム「被災した文化財を次世代に伝えるために」が開催された。
http://www.thm.pref.miyagi.jp/event/detail.php?data_id=890

 3月24日,仙台市のせんだいメディアテークで,宮城県の「宮城県NPO等の絆力を活かした震災復興支援事業」の一環として「復興に向けた絆力フォーラムin宮城」が開催された。
http://www.pref.miyagi.jp/soshiki/kyosha/kizunaryoku-forum.html

 3月25日,仙台市のせんだい3.11メモリアル交流館で,東北大学災害科学国際研究所の「みちのく震録伝」が主催する「震災伝承活動を手助けするための震災記録の利用講習会」が開催された。
http://kn.ndl.go.jp/static/rikatuyou02

 5月4日,仙台市のせんだいメディアテークで,てつがくカフェ@せんだい及びせんだいメディアテークにより,「てつがくカフェ第60回『心の復興』を問い直す」が開催された。
http://table.smt.jp/?p=13565

 5月12日,岩手県釜石市の釜石PIT(釜石情報交流センター)で,国文学研究資料館主催のフォーラム「なぜアーカイブズは必要なのか Part.2 地方再生に向けた公文書管理」が開催され,国文学研究資料館の青木睦氏による報告「これからの被災文書レスキューと震災アーカイブズのあり方」等が行われた。
http://www.nihu.jp/sites/default/files/フォーラム%20なぜアーカイブズは必要なのか%20Part.2%20地方再生に向けた公文書管理.pdf

 6月17日,仙台市のPARM-CITY131貸会議室で,宮城歴史資料保全ネットワークにより,宮城資料ネット講演会「『歴史資料保全』の可能性―3.11から6年 宮城からの発信」が開催された。
http://www.miyagi-shiryounet.org/03/news/2017/2017.html#287

 6月17日,福島県の郡山市民プラザで,ふくしま歴史資料保存ネットワークが主催するシンポジウム「ふくしまの未来へつなぐ、伝える―歴史・文化・震災遺産の保全と活用の今―」が開催された。あわせて,救出または収集された歴史遺産や震災遺産の展示・解説が行われ,歴史資料の記録撮影コーナーや,失われようとしている民俗技術に関する紹介コーナーも設けられた。
http://blog.ap.teacup.com/fukushimanet/143.html
http://blog.ap.teacup.com/fukushimanet/img/1496411539.jpg

●刊行物

 3月11日,福島県立図書館が,「東日本大震災福島県復興ライブラリー」の資料を実際に読み,感じたことを伝える「ブックガイド」のNo.19を公開した。また「震災復興ライブラリー資料一覧」を3月11日現在の内容に更新した。
https://www.library.fks.ed.jp/ippan/fukkolib/pdf/guide19.pdf
https://www.library.fks.ed.jp/ippan/fukkolib/pdf/sinsairisuto29.3.11.pdf

 3月,福島県富岡町,福島大学及び福島大学うつくしまふくしま未来支援センターが,『ふるさとを想うまもるつなぐ:地域の大学と町役場の試み』を刊行した。
http://fure.net.fukushima-u.ac.jp/blog/2017/04/12/『ふるさとを-想う-まもる-つなぐ-地域の大学と町/
http://fure.sakura.ne.jp/wp-content/uploads/2017/04/tomiokafurusato_web-1.pdf

 3月,奥村弘氏の『被災地図書館との震災資料の収集・公開に係る情報交換会報告書』が, 神戸大学大学院人文学研究科から刊行された。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I028101514-00

 『図書館雑誌』111巻3号(2017年3月)が,特集「東日本大震災から6年」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020142-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020154-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020172-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020204-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020239-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020254-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020270-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028020280-00

 『ジャーナリズム&メディア:新聞学研究所紀要』第10号(2017年3月)が,特集「震災映像アーカイブを用いた研究の可能性と課題」を掲載した。
http://www.law.nihon-u.ac.jp/publication/journalism.html

 『国立国会図書館月報』671号(2017年3月)が,「東日本大震災アーカイブ(ひなぎく)震災記録の収集を続けています」と題した記事を掲載した。
http://doi.org/10.11501/10309001

 『アーキビスト:全史料協関東部会会報』87号(2017年3月)が,田中洋史氏の記事「中越大震災・東日本大震災と地域史研究・史料保存:長岡市災害復興文庫を中心に」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I028030508-00

 5月23日,『原子力産業新聞』(オンライン)が,福島大学人文社会学群行政政策学類教授・阿部浩一氏へのインタビュー記事「もうひとつ先の私たちへ。-07震災で歴史を分断するべからず」を掲載した。
http://www.jaif.or.jp/fuku_vol-07/

 『NHK技研R&D』163号(2017年5月)が,住吉英樹氏らの記事「震災アーカイブスメタデータ補完システムの開発」を掲載した。
https://www.nhk.or.jp/strl/publica/rd/rd163/rd163-j.html

●被災地を支援する動き

 3月21日から3月24日まで,日本図書館協会東日本大震災対策委員会が,津波被害を受けた岩手県釜石市の唐丹小・中学校で,図書館整備支援活動を行った。
http://www.jla.or.jp//tabid/262/Default.aspx?itemid=3259

 3月27日,公益社団法人シャンティ国際ボランティア会による宮城県亘理郡山元町及び福島県南相馬市での移動図書館の運行が終了した。山元町には移動図書館の蔵書の一部が寄贈され,南相馬市には岩手県で活動していた同会の移動図書館車が寄贈された。
http://sva.or.jp/wp/?p=22213

 3月28日,東京都立中央図書館が,東日本大震災で被災した岩手県の陸前高田市立図書館の郷土資料83点(第2次受入分)の修復作業を終え,資料を陸前高田市に返還した。
https://www.facebook.com/tmlibrary/posts/1598870993461047
https://www.facebook.com/RikuzentakataCityLib/photos/a.709637592495305.1073741827.709330319192699/1167723430020050/?type=3&theater

 4月18日,特定非営利活動法人地域資料デジタル化研究会が,岩手県の大槌町立図書館で被災した資料のデジタル画像を収録したDVDを同館に寄贈した。
https://www.facebook.com/npo.digiken/posts/1315931125110688

 4月19日,日本図書館協会東日本大震災対策委員会の仲介で,2017年3月に閉館したカリタス女子短期大学図書館により,宮城県の南三陸町図書館へ震災関連図書など約970点が寄贈された。
http://www.jla.or.jp//tabid/262/Default.aspx?itemid=3291

 4月24日から5月26日まで,全国学校図書館協議会が,東日本大震災の被災地支援の一環として岩手県・宮城県・福島県から図書の寄贈を希望する学校を募集し,6月1日に寄贈先を決定した。
http://www.j-sla.or.jp/shinsai/toshokizou-touhoku-2017.html

関西館図書館協力課調査情報係