E1797 – 東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2016/3/31現在)(2)

カレントアウェアネス-E

No.303 2016.05.19

 

 E1797

東日本大震災後の図書館等をめぐる状況(2016/3/31現在)(2)

 

 前稿(E1796参照)に続き,2016年2月下旬から2016年3月下旬までの東日本大震災後の図書館等をめぐる状況を紹介する。

●イベント,講演会,講習会,研究会など

 2月27日,筑波大学筑波キャンパスで,「筑波大学知的コミュニティ基盤研究センター2015年度成果報告&公開イベント『画像・映像アーカイブの可能性』」が開催された。「テレビ報道の制作現場から伝えたいと思うこと―被災地報道を中心に―」,「ウェブでつながるデジタルアーカイブ―災害アーカイブ群のアクセス性向上を目指して―」をテーマとした発表が行われた。
http://www.kc.tsukuba.ac.jp/lecture/symposium/876.html
http://www.kc.tsukuba.ac.jp/assets/files/poster_houkoku.pdf

 2月28日,3月3日と3月5日,埼玉県の川口市メディアセブンで,NPO法人コミュニティデザイン協議会により,街の人を対象にインタビューを行って震災の記憶を残すワークショップ「ひとり一人の東日本大震災」が開催され,3月10日,その音声データが公開された。
http://cdc.jp/2015/12/1602_intervew.php
http://cdc.jp/311voice/2016iv.html
https://twitter.com/media7_staff/status/707895318856073216

 3月3日,東京都の千代田放送会館で,「NHK文研フォーラム2016」のシンポジウム「東日本大震災から5年“伝えて活かす”震災アーカイブのこれから」が開催された。
http://www.nhk.or.jp ( NHKオンライン )
http://www.nhk.or.jp/bunken/forum/2016/index.html
http://www.nhk.or.jp/bunken/forum/2016/program.html#programG

 3月4日,東京都の国際文化会館で,筑波大学と東京都の森美術館との共催で,東日本大震災5周年国際シンポジウム「大惨事におけるアートの可能性」が開催された。
http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~cr/index-p=4373.html
http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~cr/wp-content/uploads/2016/02/294434c28740306c56181e4ba34ad364.jpg
http://www.geijutsu.tsukuba.ac.jp/~cr/index-p=4427.html
http://www.mori.art.museum/jp/pos/index.html

 3月5日,東北大学図書館で,「図書館総合展2016フォーラムin仙台」が開催され,第1部は「東北大学図書館他にみる高等教育におけるラーニングコモンズ動向─震災復興を経て次なるフェイズへ」がテーマとされたほか,第3部「公共図書館の新たな形」では,宮城県の名取市図書館の柴崎悦子氏から「震災復興を経て─新図書館構想について」の報告が行われた。
http://www.libraryfair.jp/schedule/3442
http://libraryfair.jp/news/3452
http://www.libraryfair.jp/news/3457
http://www.libraryfair.jp/news/3458
http://togetter.com/li/946159

 3月6日,東京大学で,公開シンポジウム「未来をつくるアーカイブ:大規模災害情報の利活用に向けて」が開催された。
http://www.iii.u-tokyo.ac.jp/news/4260
http://publicpolicy.yahoo.co.jp/2016/03/0913.html

 3月11日,東京都の科学技術館で,アート・ドキュメンテーション学会の第65回デジタルアーカイブサロン「東日本大震災から5年-私たちは何をしてきたのか,今後何をしていくのか。そして,デジタルアーカイブの役割は何か-」が開催され,saveMLAKの主催者,発起人の1人である岡本真氏らが登壇した。
http://d.hatena.ne.jp/JADS/20160302/1456869407

 3月11日,東京国立博物館で,シンポジウム「津波被災文化財再生への挑戦-東日本大震災から5年-」が開催された。
https://www.j-muse.or.jp/02program/pdf/symposium_tokyo2016r
http://www.jcpnpo.org/news/?p=2#1455239836-943969

 3月12日,仙台市のせんだいメディアテークで,「3がつ11にちをわすれないためにセンター」主催の「草アーカイブ会議」が開催された。
http://recorder311.smt.jp/information/49290/

 3月18日,東京都のユビキタス協創広場CANVASで,公益社団法人シャンティ国際ボランティア会により,「シャンティセミナー東日本大震災支援における地域との連携「つなげる,つながる,そして今を生きる」」が開催され,同会の「走れ東北!移動図書館プロジェクト」に関する発表や,岩手県の陸前高田市立図書館の元職員の発表が行われた。
http://sva.or.jp/wp/?p=16743

 3月19日と3月20日,福島県の郡山市市民プラザで,第2回全国史料ネット研究交流集会実行委員会,独立行政法人国立文化財機構,科学研究費補助金基盤研究(S)「災害文化形成を担う地域歴史資料学の確立―東日本大震災を踏まえて―」(研究代表者:奥村弘)研究グループの三者により,「第2回全国史料ネット研究交流集会」が開催された。
http://siryo-net.jp/event/201603-koryusyukai-kotoshimo-yaruyo/
http://blog.rekishishiryo.com/?eid=1615098

 3月20日,せんだいメディアテークで,仙台市,仙台市市民文化事業団,株式会社文藝春秋により,「東北文学フェスティバル―東日本大震災から5年 東北から文学を考える」が開催された。
http://www.city.sendai.jp/d01/1221053_1433.html
http://www.city.sendai.jp/d01/__icsFiles/afieldfile/2016/01/28/tohoku_bungaku_fes.pdf

●刊行物

 2月,日本図書館協会が『東北における新たな図書館の動き』を刊行した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000074-I000687627-00

 2月,矢田俊文氏及び新潟県の長岡市立中央図書館文書資料室が,図録『新潟県中越地震・東日本大震災と災害史研究・史料保存-長岡市災害復興文庫を中心に-』を刊行した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027147863-00

 『大学の図書館』507号(2016年2月)が,特集「東日本大震災から5年:震災アーカイブの現在」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027226418-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027226413-00

 2月27日,福島県立図書館が,「東日本大震災福島県復興ライブラリー」の資料を実際に読み,感じたことを伝える「ブックガイド」のNo.18を公開した。また「震災復興ライブラリー資料一覧」を3月11日現在の内容に更新した。
https://www.library.fks.ed.jp/ippan/fukkolib/pdf/guide18.pdf

 3月,加藤孔敬氏による『東松島市図書館3.11からの復興』を日本図書館協会が刊行した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R100000002-I027205859-00

 『歴史学研究』942号(2016年3月)が,宇野淳子氏の「史料と展示 東京国立博物館と東京都立中央図書館,明治大学博物館の東日本大震災に関する3展示を見て」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027117003-00

 『図書館雑誌』1108号(2016年3月)が,特集「東日本大震災から5年」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147799-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147818-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147828-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147836-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147844-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147856-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147867-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147888-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147906-00

 『情報処理』612号(2016年3月)が,特集「震災5年特別企画 災害科学と情報技術」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027118577-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027118585-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027118590-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027118601-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027118610-00

 『情報管理』58巻12号(2016年3月)が,saveMLAKの活動について紹介する小村愛美氏の「第27回つながれインフォプロ」の記事を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027140148-00

 『国立国会図書館月報』659号(2016年3月)が,特集「震災を記録する」を掲載した。
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9883217_po_geppo1603.pdf?contentNo=1

 『カレントアウェアネス』No.327(2016年3月)が小特集「東日本大震災から5年」を掲載した。
http://current.ndl.go.jp/node/31182
CA1865
CA1866
CA1867
CA1868

  『出版ニュース』2407号(2016年3月中旬)が特集「3・11から5年の現在は」を掲載した。
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147783-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147786-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147789-00
http://iss.ndl.go.jp/books/R000000004-I027147794-00

 3月11日,国立国会図書館の調査及び立法考査局が,『調査と情報-ISSUE BRIEF-』シリーズのNo.899として,福島第一原発事故のこれまでの経緯,現状及び課題についてまとめた「福島第一原発事故から5年―現状と課題―」を公開した。
http://dl.ndl.go.jp/view/download/digidepo_9906770_po_0899.pdf?contentNo=1

 3月12日,インターネット新聞『ハフィントン・ポスト』が,猪谷千香氏の「津波に流された1冊の本が,陸前高田市立図書館に5年ぶりに”返却”されるまで」と題した記事を掲載した。
http://www.huffingtonpost.jp/2016/03/11/rikuzentakatashi-book_n_9444072.html

●被災地を支援する活動

 3月1日から3月27日まで,名古屋市熱田図書館で,「忘れていません東日本大震災」として「陸前高田市図書館ゆめプロジェクト」への協力の呼びかけや講演会が行われたほか,防災や東日本大震災に関連する図書の展示が開催された。
https://www.library.city.nagoya.jp/oshirase/topics_event/entries/20160216_05.html

 3月25日から3月30日まで,日本図書館協会のボランティアが,宮城県の東松島市による小中学校図書館整備事業を支援した。同市の野蒜小学校と宮戸小学校で,廃棄図書の選定,移設図書の箱詰め,分類,図書ラベルの貼り替え,配架などを行った。
http://www.jla.or.jp//tabid/262/Default.aspx?itemid=2874

●その他

 3月4日,復興庁は,発災以後の年表や復興の進捗状況などをまとめた「復興5年ポータルサイト」を開設した。「映像で見る復興の取り組み」として,各省庁や国立国会図書館などのウェブサイトにある動画をまとめた「動画サイト集」が掲載されている。
http://www.reconstruction.go.jp/5year/
http://www.reconstruction.go.jp/topics/n16/03/index.html

関西館図書館協力課調査情報係