米・メリーランド大学図書館、目録に含まれる差別的な表現等への対処方針を発表

2022年11月8日、米・メリーランド大学図書館が、目録に含まれる差別的な表現等への対処を行うことを発表しました。

発表によると、同館は、新たな声明“Statement of harmful language in catalog records”を策定し、人種差別的な表現をはじめとした有害な言葉について、図書館員が採る対応を明示しています。

同声明の中では、タイトル等の情報源から直接転記された情報については削除・修正の対象としていないこと、作成時期が古い目録レコードに含まれている情報で図書館員が変更できる場合があるため、見つけた際には情報を提供して欲しいこと等が述べられています。

Libraries addresses harmful language in catalog records(University of Maryland Libraries, 2022/11/8)
https://www.lib.umd.edu/about/news/2022-11/libraries-addresses-harmful-language-catalog-records

Statement of harmful language in catalog records(University of Maryland Libraries)
https://www.lib.umd.edu/about/idea/harmful-language

参考:
米国国立公文書館(NARA)、目録や典拠情報に含まれる差別的な表現等の修正に関する指針を公開
Posted 2022年1月20日
https://current.ndl.go.jp/node/45510

図書館の目録等に含まれる差別的な表現に関する米・デューク大学図書館の声明(記事紹介)
Posted 2021年11月8日
https://current.ndl.go.jp/node/45127

記録資料記述における差別表現等の検査(記事紹介)
Posted 2021年8月31日
https://current.ndl.go.jp/node/44709

米・ハーバード大学図書館、件名標目“illegal alien”の使用終了を発表
Posted 2021年3月11日
https://current.ndl.go.jp/node/43517

米国議会図書館(LC)、米・オクラホマ大学図書館のタスクフォースによる提案へ合意しLCSHの件名標目“Tulsa Race Riot”を“Tulsa Race Massacre”に変更
Posted 2021年3月25日
https://current.ndl.go.jp/node/43659

米・オハイオ州の図書館コンソーシアムOhioLINK、共有電子リソースのMARCレコードに代替の件名標目を追加:LCSHの“Illegal aliens”の代替として“Undocumented immigrants”など
Posted 2021年5月7日
https://current.ndl.go.jp/node/43934

CA2007 – 動向レビュー:図書館を内側から問いなおす―米国社会とライブラリアンシップのゆくえ― / 吉家あかね
カレントアウェアネス No.349 2021年09月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2007