英国物理学会出版局(IOP Publishing)、メキシコ国立自治大学(UNAM)と転換契約を締結

2022年10月5日、英国物理学会出版局(IOP Publishing)が、メキシコ国立自治大学(UNAM)と転換契約を締結したことを発表しました。

UNAMはラテンアメリカで最も大規模な研究大学の一つであり、IOP Publishingにとってはメキシコにおける初の転換契約とあります。契約期間は2023年1月からの3年とあります。

最近の調査によるものとして、物理科学研究者の半数以上(53%)がオープンアクセス(OA)出版を希望しているものの、62%が資金提供機関からの資金不足により実現できないと回答しているとあります。資金提供機関からの資金不足は,特にラテンアメリカ,インド,パキスタンで顕著で、当該地域の回答者の約80%が、OA出版しない主な理由として資金不足を挙げているとしています。 

なお、IOP Publishingは17カ国、300超の機関と転換契約を締結しているとあります。

IOP Publishing expands open access offer to Latin America through unlimited transformative agreement(IOP Publishing, 2022/10/5)
https://ioppublishing.org/news/iop-publishing-expands-open-access-offer-to-latin-america-through-unlimited-transformative-agreement/

参考:
英国物理学会出版局(IOP Publishing)、低中所得国の研究者に対するオープンアクセス出版時の論文処理費用(APC)割引を発表
Posted 2022年8月1日
https://current.ndl.go.jp/node/46581

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、低所得国の研究者に対しオープンアクセス出版時の論文処理費用(APC)を免除することを発表
Posted 2021年7月14日
https://current.ndl.go.jp/node/44424

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、“Research4Life”に参加し低所得国120か国の機関・組織に対して刊行する学術誌へのアクセスを提供
Posted 2020年8月21日
https://current.ndl.go.jp/node/41804

E2505 – 国内4大学とWiley社との電子ジャーナル転換契約の締結
カレントアウェアネス-E No.437 2022.06.23
https://current.ndl.go.jp/e2505

船守美穂. プランS改訂版発表後の展開―転換契約等と出版社との契約への影響. カレントアウェアネス. 2020, (346), CA1990, p. 17-24.
https://current.ndl.go.jp/ca1990

CA2013 – 論文公開手段としてのオープンアクセスジャーナルの有効性 / 浅井澄子
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2013