2021年3月26日、フランスの高等教育・研究・イノベーション省(MESRI)が、高等教育機関の図書館と公共図書館における障害者に関する取組についてのレポートを公開したと発表しました。
2020年4月から11月にかけて実施された調査の結果をまとめたものです。調査に当たっては、300以上の図書館にアンケートを送付し、そのうち、高等教育機関の図書館からは105館中50館ほど、公共図書館は120館中40館弱から回答がありました。発表の中では、図書館において障害者への対応を向上させる取組が数多く進行中・計画中であるものの、図書館ごとに状況が異なり、不平等であることが指摘されています。
レポートでは、博士課程の学生にアクセシブルな電子版論文の公開を促すこと、図書館やITサービス、コミュニケーションサービスにおいて、アクセシビリティに関する研修を実施すること等の推奨事項27個が示されています。同推奨事項は、優良事例の体系を踏まえたものであり、アクセシブルな出版物、図書館員のトレーニング、組織・定形化、国の支援の4つに分類されています。
LES RAPPORTS DE L’INSPECTION GÉNÉRALE DE L’ÉDUCATION, DU SPORT ET DE LA RECHERCHE (IGÉSR)(MESRI, 2021/3/26)
https://www.enseignementsup-recherche.gouv.fr/cid157826/la-prise-en-compte-des-handicaps-dans-les-bibliotheques-de-l-enseignement-superieur-et-dans-les-bibliotheques-territoriales.html
参考:
フランス・Hadopi、視覚障害者等の電子書籍利用に関するレポートを公開
Posted 2020年12月16日
https://current.ndl.go.jp/node/42784
図書館調査研究リポートNo.17 公共図書館における障害者サービスに関する調査研究
https://current.ndl.go.jp/report/no17