本調査研究では、「公共図書館における障害者サービス」をテーマとして取り上げました。
平成29年度に、国内の全公共図書館を対象として、障害者サービスの実施状況に関する質問紙調査を実施しました。1,397館に質問紙を送付し、その82.5%に当たる1,152館から回答を得ることができました。
調査結果の分析では、全14章からなる報告書を作成しました。 当館では、平成22年度にも全国の公共図書館における障害者サービスに関する質問紙調査を実施しました。その後、2016年4月には障害者差別解消法が施行され、公立図書館は合理的配慮を提供する義務を課されるなど、公共図書館を取り巻く状況は大きく変化しています。本報告書では、この間の推移も分析の対象としました。
本報告書の分析の特色としては、調査結果全体の傾向を分析するために「指標1」「指標2」という2つの指標を設定したことが挙げられます。 指標1は、利用者が図書館に来館せずとも録音資料を利用できるかどうかに焦点をあてたものです。次の3要件を全て満たす図書館を「指標1適合館」としました。
①録音資料(DAISY形式のCD又はテープ)の貸出を行っており、実績もある
②特定録音物等郵便物の発受施設の指定を受けている
③録音資料(DAISY形式のCD又はテープ)の郵送貸出サービス又は宅配サービスを行っており、実績もある
指標2は、音訳者の維持に密接に関わる録音資料の資料製作と、対面朗読の実施体制の整備に焦点をあてたものです。指標1の3要件に加え、次の④と⑤も全て満たす図書館を「指標2適合館」としました。
④録音資料(DAISY形式のCD又はテープ)又はマルチメディアDAISYの資料製作をしている
⑤対面朗読サービスの実施体制が整っている(実績の有無は問わない)
本調査研究が、各図書館における障害者サービスの向上に資することを願っています。
報告書
・「公共図書館における障害者サービスに関する調査研究」報告書(PDF 2.45MB)
・「公共図書館における障害者サービスに関する調査研究」報告書(EPUB 1.87MB)
目次
第1章 調査の概要第2章 調査結果の要説
第3章 都道府県立図書館の取組
第4章 障害者サービスの利用者
第5章 蔵書構築
第6章 資料提供、サービスの体制
第7章 対面朗読
第8章 病院・施設・学校等へのサービスの実施状況
第9章 資料製作
第10章 施設・設備
第11章 職員体制
第12章 広報・イベント
第13章 障害者差別解消法施行を受けての各図書館の取組
第14章 障害者サービスのこれから(実態調査から見えてきたこと)
資料編
付録資料 質問紙調査 調査票
調査票
・質問紙調査調査票(PDF 571KB)
集計表
本調査結果の集計表をXLSX形式で公開します。
・資料編(XLSX形式、42KB)
報告書資料編に掲載された集計表です。
・指標1適合館及び指標2適合館に限定した集計表(XLSX形式、69KB)
指標1及び指標2の適合状況と、指標1適合館、指標2適合館に限定した集計表です。
館ごとの回答
各館の回答(2016年度の状況、所蔵数は2017年3月末時点)をXLSX形式で公開します。館名とともに回答を国立国会図書館ウェブサイト上で公開することをご許諾頂いた館のみ公開しています。
・館ごとの回答(公開の許諾を頂いた分のみ)(XLSX形式、1.29MB)
主な更新履歴
[2020年5月13日]
・報告書のEPUB版について一部体裁の変更を行いました。
[2019年9月6日]
・館ごとの回答(公開の許諾を頂いた分のみ)を掲載しました。
[2018年12月26日]
・報告書のEPUB版を掲載しました。
[2018年9月4日]
・報告書のダウンロードリンクを変更しました。
・XLSX形式の集計表2点にシート「更新履歴」「集計方法の説明」を追加しました。