NDLでは,開館時間の拡大や書誌データの遡及入力の進捗,遠隔複写サービスの拡大などを背景に,資料の利用が増大している。これに伴い,資料の破損も急増し,深刻化してきた。その全てに処置を施すのは予算・人員の制約上困難であるため,資料群ごとに劣化傾向を把握し優先的な処理を必要とするものを特定するとともに,効果的な処理方法・劣化を未然に防ぐための保存対策等の検討に資するべく,本調査を行った。
本調査では,保存の優先順位が高い納本資料を多く含む和図書のうち,マイクロフィルムへの媒体変換が未実施である1950~1990年代刊行分について,10年ごとに5つの群に分け,各群からサンプルを無作為抽出し,本文紙の状態(物理的強度,酸性度,変色など)および製本の形態・状態についてのデータを収集した。『図書館調査研究リポート』本編には,本調査の概要・項目・結果・考察を収録している。またウェブサイトでは,調査対象とした資料の書誌データおよびその調査結果も,あわせて公開している。
報告書 本編:
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- 調査対象資料の書誌データと調査結果:
※国立国会図書館では、図書館資料を年間を通し、温度22度、湿度55%の環境で 保管し、閲覧、複写、図書館間貸出し等の利用に供しています。 下記ファイルは、こうした状態にある図書館資料を対象に行った劣化調査の結果 の素データです。