米・Center for Democracy&Technology、K-12教育におけるアルゴリズムシステムの利用に関する手引きを公表

2019年8月12日、米国の非営利団体Center for Democracy&Technology(CDT)は、K-12(幼稚園から高校まで)の教育におけるアルゴリズムシステムの利用に関する手引き“Algorithmic Systems in Education: Incorporating Equity and Fairness When Using Student Data”を公開しました。K-12教育において、生徒のデータを分析するアルゴリズムシステムを意思決定支援に利用する学校が出現していることを背景として作成されたものです。

アルゴリズムシステムの利用ケースとして、生徒が通学する学校の割り当て、中退する可能性がある生徒の特定、(生徒のSNS投稿を分析しテロリズムの兆候を事前把握する等の手段による)学校の安全確保を紹介するとともに、利用に際し考慮すべき事項として、アルゴリズムや入力データに含まれるバイアスの可能性や、プライバシーをはじめとした生徒の権利侵害につながりうること等を挙げています。

その上で、学校・学区がアルゴリズムシステムの実装・調達を行う際の推奨事項として、入力データに含まれるバイアスの検証等4点を、システム実装後の推奨事項として、意思決定プロセスにおいて人間を関与させ続けること等7点を挙げています。

Algorithmic Systems in Education: Incorporating Equity and Fairness When Using Student Data(CDT, 2019/8/12)
https://cdt.org/insight/algorithmic-systems-in-education-incorporating-equity-and-fairness-when-using-student-data/

Algorithmic Systems in Education: Incorporating Equity and Fairness When Using Student Data [PDF:28ページ]
https://cdt.org/files/2019/08/2019-08-08-Digital-Decision-making-Brief-FINAL.pdf

Student Privacy Report Gives Guidance on Algorithms in K-12 Education(CDT, 2019/8/12)
https://cdt.org/blog/student-privacy-report-gives-guidance-on-algorithms-in-k-12-education/
※手引きの要点を紹介するブログ記事です。

参考:
文部科学省、「新時代の学びを支える先端技術活用推進方策(最終まとめ)」を公表
Posted 2019年6月28日
http://current.ndl.go.jp/node/38480

E2112 – 北米の研究図書館におけるラーニングアナリティクスの取組
カレントアウェアネス-E No.364 2019.02.28
http://current.ndl.go.jp/e2112