Nature Communications、査読レポートの公開オプションを恒久的に提供する方針へ

2016年11月10日、Springer Nature社のオープンアクセス(OA)雑誌Nature Communicationsにおいて、2015年から試験的に開始していた論文の著者が、論文本文のみならず査読レポートも公開することを選択できるオプションについて、今後恒久的に提供する方針であることを明らかにしました。Nature CommunicationsおよびNature本誌で取り上げられています。

査読者の氏名や査読内容を公開する、いわゆるオープン・ピア・レビュー(OPR)の試みは多くありますが、査読レポート等の公開はためらう意見も多くあります。Nature Communications掲載のエディトリアル記事によれば、試験期間中に論文掲載が決定した著者のうち、約60%が査読レポートの公開オプションを選択したとのことです。この結果を受け、Nature Communicationsにおいてはこのオプションの提供が継続されることになりました。なお、論文の著者が査読レポートの公開を選択した場合でも、査読者の氏名については査読者本人の同意がない場合、公開されません。

Transparent peer review one year on(Nature Communications、2016/11/10付け)
http://www.nature.com/articles/ncomms13626

Open peer review finds more takers(Nature、2016/11/10付け)
http://www.nature.com/news/open-peer-review-finds-more-takers-1.20969

参考:
CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤翔 カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
http://current.ndl.go.jp/ca1829

Nature Communications誌がOA論文のみの雑誌に移行
Posted 2014年9月30日
http://current.ndl.go.jp/node/27125