科学技術振興機構(JST)が、同機構の競争的資金制度による研究成果である論文のオープンアクセス拡大に向け、米国において研究成果のオープンアクセス化に取り組んでいる非営利団体CHORと連携し、6ヶ月間の試行プロジェクトを実施すると発表しています。
CHORでは、米国政府から研究助成をうけた研究の成果論文に関して、出版者の公開ルールに従って出版者のサイト上で著者最終稿を公開し、あわせてその情報を提供するサービスCHORUSを運営しており、今回の試行プロジェクトでは、日本においてCHORUSと同様の取り組みを試行的に実施し、その実効性や関係者・機関(研究者、学協会、機関リポジトリ等)への影響を確認することになっています。
プロジェクトには、機関リポジトリを運営する立場から千葉大学が参加するほか、CHORに参加する出版社のうち、国際計算機学会(Association for Computing Machinery)、エルゼビア、オックスフォード大学出版局、ワイリー等が参加します。
Crossrefの“Open Funder Registry”の日本の資金提供者情報の改善、CHOR加盟の出版社のサイトでJSTが出資したものであると紹介された論文の千葉大学の機関リポジトリへのリンク、専用のダッシュボードや検索ポータルの開発などが計画されています。
論文のオープンアクセスに関してCHORとの試行プロジェクトを開始(JST,2016/8/17)
http://www.jst.go.jp/report/2016/160817.html
Announcing CHOR Pilot Project with Japan Science and Technology Agency (JST)(CHOR,2016/8/16)
http://www.chorusaccess.org/announcing-chor-pilot-project-japan-science-technology-agency-jst/
学術論文のオープンアクセス拡大にむけた国際的な試行プロジェクトへ参加します(千葉大学学術成果リポジトリ、2016/8/29)
http://www.ll.chiba-u.jp/curator/news/news_20160829_CHOR.html
参考:
出版社・学協会が公的助成研究成果のパブリックアクセス拡大に向けた官民イニシアティブ”CHORUS”を提案(米国)
Posted 2013年6月11日
http://current.ndl.go.jp/node/23696
米国政府機関助成の研究論文等を検索できる“CHORUS Search”(β版)、パブリックアクセスかどうかを検索結果に表示する機能を追加
Posted 2016年7月4日
http://current.ndl.go.jp/node/31991
※リンクを追加しました(2016/8/31)