Plan Sの新提案“Towards Responsible Publishing”に対する学会系出版社の見解(記事紹介)

学術情報流通に関連した話題を提供する学術出版協会(Society for Scholarly Publishing:SSP)運営のブログ“The Scholarly Kitchen”に、2024年1月17日付けでブログ記事“Society Publishers Respond to Plan S “Towards Responsible Publishing” Proposal”が掲載されています。

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、米国物理学協会の出版部門(AIP Publishing)、米国物理学会(APS)の三つの学会系出版社によるゲスト投稿です。

記事では、2023年10月に研究助成機関のコンソーシアムであるcOAlition Sが公表した、研究者コミュニティ主導型の学術コミュニケーションの仕組み構築に向けた提案である“Towards Responsible Publishing”に対する3社の見解が表明されています。

cOAlition Sが提案について幅広いフィードバックを求めていること自体は支持するとしつつ、研究成果の共有に時間が掛かり過ぎており、査読プロセスにも改善の余地があるとするcOAlition Sの指摘に対して、学術出版社の立場から反論が加えられています。

現行の学術出版システムを置き換えるのではなく、これを客観的に分析し、出版社が改善できる分野を探ることが重要であるとまとめられています。

Guest Post — Society Publishers Respond to Plan S “Towards Responsible Publishing” Proposal(The Scholarly Kitchen, 2024/1/17)
https://scholarlykitchen.sspnet.org/2024/01/17/guest-post-society-publishers-respond-to-plan-s-towards-responsible-publishing-proposal/

参考:
cOAlition S、研究者コミュニティ主導型の学術コミュニケーションシステム構築に向けた提案“Towards Responsible Publishing”を公表 [2023年11月08日]
https://current.ndl.go.jp/car/195163

船守美穂. 動向レビュー:即時オープンアクセスを巡る動向:グリーンOAを通じた即時OAと権利保持戦略を中心に. カレントアウェアネス. 2023, (358), CA2055, p. 15-23.
https://current.ndl.go.jp/ca2055