PEERプロジェクト、セルフアーカイビング(グリーンOA)の経済性調査に関する最終報告書を公開

2012年1月20日、欧州のPEER(Publishing and the Ecology of European Research)が、研究者によるセルフアーカイビング(オープンアクセスのグリーンロード)が欧州における研究の生態系に与える影響について「経済性」という観点から調査したプロジェクトの最終報告書“PEER Economics Report”を公開しました。同報告書では、学術出版社やリポジトリを運営している研究機関のコスト構造の比較分析がなされており、冒頭の要約によると「出版社が査読等の論文の内容保証にかけている費用は1本あたり平均250ドル」「メタデータを含めて論文の出版にかかる費用は1本あたり170~400ドルで、内製・外注の別(make or buy decisions)やジャーナルの規模によって上下する」「ジャーナルを英語で発行する出版社は低賃金国へ外注する際に有利である」といった調査結果が含まれているようです。

PEER Economics Report (PDF:74ページ)
http://www.peerproject.eu/fileadmin/media/reports/PEER_Economics_Report.pdf

PEER Economics Research: Final Report now available (PEER 2012/1/20付けプレスリリース)
http://www.peerproject.eu/fileadmin/media/pressreleases/20120120_PEER_Final_Economics_D6.1_available.pdf

参考:
E1234 – 学術雑誌とリポジトリに対する著者と読者の行動調査
http://current.ndl.go.jp/e1234