米国情報標準化機構(NISO)、査読に関する標準用語集を公開:オープン査読の定義・用語の標準化を企図

2023年7月5日、米国情報標準化機構(NISO)は、査読に関する標準用語集“Peer Review Terminology Standard”(ANSI/NISO Z39.106-2023)を公開したと発表しました。

発表によると、用語集は主にオープン査読を念頭に、査読に関する定義や用語の標準化を行ったもので、異なるジャーナルの査読慣習を評価・比較しやすくし、査読プロセスの透明化に資することを企図しています。

制作の背景としては、国際STM出版社協会が2019年に査読用語に関するワーキンググループを立ち上げて、定義や関連するベストプラクティスをまとめたものを発表したこと、NISOが2021年に同ワーキンググループの活動を引き継いで、今回の用語集公開に至ったことが述べられています。

NISO Announces Publication of the Peer Review Terminology Standard(NISO, 2023/7/5)
https://www.niso.org/press-releases/niso-announces-publication-peer-review-terminology-standard

ANSI/NISO Z39.106-2023, Standard Terminology for Peer Review https://doi.org/10.3789/ansi.niso.z39.106-2023

参考:
米国情報標準化機構(NISO)、査読に関する標準用語集“A Standard Taxonomy for Peer Review”をANSI/NISO規格として制定するためのワーキンググループを設置 [2021年07月16日]
https://current.ndl.go.jp/car/44441

国際STM出版社協会、査読における用語や定義の標準化を行う “A Standard Taxonomy for Peer Review”のバージョン1.0を公開 [2020年7月30日]
https://current.ndl.go.jp/node/41623

CA2001 – 動向レビュー:オープン査読の動向:背景、範囲、その是非 / 佐藤 翔
カレントアウェアネス No.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2001
※「2. 「オープン査読」の定義・範囲」で“A Standard Taxonomy for Peer Review”に言及しています。