Taylor & Francis、“European Journal of Higher Education”誌で1年間のパイロットプログラムとして査読レポートを公開

2023年4月3日、Taylor & Francisは、同社が出版する高等教育に関するジャーナル “European Journal of Higher Education (EJHE)”に2023年4月以降投稿される全ての論文について、採用になった場合に、論文の公開と同時に査読レポートが公開されると発表しました。この取り組みは、1年間のパイロットプログラムとして実施されます。

同社によると、査読のプロセスは、従来通り2、3人の査読者により行われ、論文の公開時には、査読者名がわからない形での査読レポートへのリンクが含められます。なお、著者及び査読者はそれぞれ投稿前または査読を引き受ける前に、このポリシーに同意する必要があります。EJHE編集部は、透明性のある査読の在り方が投稿や査読に与える影響を注意深く観察し、また学界からも意見を聞き、今回の試験的運用を今後も続けるかどうかを決定する予定であるとしています。

Taylor & Francis to Pilot First Transparent Peer Review Model for a Higher Education Research Journal(Taylor & Francis, 2023/4/3)
https://newsroom.taylorandfrancisgroup.com/european-journal-of-higher-education-transparent-peer-review/#

参考:
米国化学会(ACS)、透明性の高い査読プロセスの試行を実施:査読者のコメントと著者の回答を公開 [2021年11月12日]
https://current.ndl.go.jp/car/45161

CA2001 – 動向レビュー:オープン査読の動向:背景、範囲、その是非 / 佐藤 翔
カレントアウェアネスNo.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2001