2021年11月8日、米国化学会(ACS)が、透明性の高い査読プロセス“Transparent Peer Review”の試行の実施を発表しました。
査読者・著者が試行への参加を選択した場合、論文の読者に査読者のコメントと著者の回答が公開されるというものです。発表時点では、ACSが刊行する学術誌“ACS Central Science”と“The Journal of Physical Chemistry Letters”の2誌で行われています。
利点として、査読プロセスにおける著者・査読者・編集者のアカウンタビリティの向上、編集上のバイアスに関する著者の懸念への対応、新人・若手研究者への学習機会提供等が挙げられています。
ACS transparent peer review offers more insight into the peer review process(ACS, 2021/11/8)
https://www.acs.org/content/acs/en/pressroom/newsreleases/2021/november/acs-transparent-peer-review-offers-more-insight-into-peer-review-process.html
Transparent Peer Review Pilot(ACS)
https://pubs.acs.org/page/peer_reviews/transparent_peer_review.html
参考:
米国化学会(ACS)、ORCIDとの提携によりACS刊行誌掲載論文の査読レポートの査読者を識別可能とすることを発表
Posted 2020年2月6日
https://current.ndl.go.jp/node/40183
CA1961 – 動向レビュー:岐路に立つ査読と、その変化に踏み込むPublons / 松野 渉
カレントアウェアネス No.341 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1961
CA2001 – 動向レビュー:オープン査読の動向:背景、範囲、その是非 / 佐藤 翔
カレントアウェアネス No.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2001