オープンアクセス誌eLife、査読を行った全てのプレプリントを“Reviewed Preprint”として公開すると発表

2022年10月20日、オープンアクセス誌eLifeが、査読後の論文のアクセプト・リジェクトを廃止し、査読を行った全てのプレプリントを“Reviewed Preprint”として公開すると発表しました。

発表によると、2023年1月31日から適用されます。eLife編集部が専門家に査読を依頼し、査読者はプレプリントの長所と短所を明示し、編集部と協働して専門家以外でも理解しやすい言葉で成果の重要性や根拠の強さを評価するとあります。著者は査読結果をもとにプレプリントを改訂して再度提出することが可能であり、その後eLifeは新たな“Reviewed Preprint”として公開すると述べられています。

その他、生物学・医学におけるプレプリント活用促進による学術の利用可能性・伝達速度を向上させる取組の一環であること、あわせてeLifeでの出版費用を3,000ドルから2,000ドルに引き下げること等が述べられています。

eLife ends accept/reject decisions following peer review(eLife, 2022/10/20)
https://elifesciences.org/for-the-press/b2329859/elife-ends-accept-reject-decisions-following-peer-review

参考:
オープンアクセス誌eLife、2021年7月以降に適用予定の新しい査読・出版方針を発表:原則としてプレプリントとして公開済の原稿のみ査読対象に
Posted 2020年12月7日
https://current.ndl.go.jp/node/42703

CA2001 – 動向レビュー:オープン査読の動向:背景、範囲、その是非 / 佐藤 翔
カレントアウェアネス No.348 2021年06月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2001

CA1961 – 動向レビュー:岐路に立つ査読と、その変化に踏み込むPublons / 松野 渉
カレントアウェアネス No.341 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1961

CA1829 – 査読をめぐる新たな問題 / 佐藤 翔
カレントアウェアネス No.321 2014年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1829