米国化学会(ACS)、ORCIDとの提携によりACS刊行誌掲載論文の査読レポートの査読者を識別可能とすることを発表

2020年2月4日、米国化学会(ACS)の出版部門は、ORCIDとの新たな提携により、ACS刊行誌掲載論文の査読者がその学術出版上の貢献について、ORCIDを介して広く示すことが可能になったことを発表しました。

ACSはお知らせの中で、査読者は論文の内容改善や掲載判断に関して、自身の時間と専門知識を提供して支援を行っていながら、これまでその重要な貢献について限定的な評価しか得られておらず、研究者としての実績に反映されることもほとんどなかったことを指摘しています。今回のORCIDとの提携により、どの論文の査読を行っているかに関する機密性を厳密に保ちつつ、ACS刊行誌の査読者は査読レポートが完成した時点でその業績を示すことが可能になる、としています。

ACS Publications signs agreement with ORCID to recognize ACS reviewers(ACS,2020/2/4)
https://www.acs.org/content/acs/en/pressroom/newsreleases/2020/february/acs-publications-signs-agreement-with-orcid-to-recognize-acs-reviewers.html

参考:
CA1961 – 動向レビュー:岐路に立つ査読と、その変化に踏み込むPublons / 松野 渉
カレントアウェアネス No.341 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1961

査読登録サービスPublonsがSpringer Nature社とのパートナーシップ締結を発表
Posted 2018年12月17日
https://current.ndl.go.jp/node/37236

ORCID、書籍出版のワークフローにORCID iDの付与を実装する方法を理解するために行なった調査の概要報告を公開
Posted 2017年8月3日
https://current.ndl.go.jp/node/34468