ORCID、書籍出版のワークフローにORCID iDの付与を実装する方法を理解するために行なった調査の概要報告を公開

2017年7月31日、ORCIDが、書籍出版のワークフローにORCID iDの付与を実装する方法を理解するために行なった調査の概要報告をオンラインで公開しました。

調査は、出版社、サービスプロバイダー、標準化団体、図書館、助成機関等を含む世界の26団体の39の代表者へのインタビューに基づいています。

調査からは、書籍出版社は著者の識別、ログインの簡略化、査読者の確認におけるORCIDの利点を認識しているものの、そのワークフローにORCIDを実装しているところはほとんどなく、著者からのそうした圧力もかかっていないことがわかったとのことです。

調査での知見に基づき、ワーキンググループでは、実装のための具体的な方法として、

・特に書籍、雑誌ともに出版しているような大規模出版社との連携
・実装には、著者と編集者が直接的なコンタクトがあったり、最も有益と考えるワークフローのポイントを押さえる
・学会や出版社が自身のシステムにORCIDを採用し組み込むことができる事を示す標準的なホワイトラベル文書の作成
・ORCIDの組み込みに成功した出版社の宣伝
・出版物管理システムへの関与
・会議録を重視している分野の学会との共同
・相互運用性や、既刊書への付与に関する調査を目的とした、OCLC、ISNI、英国図書館(BL)、オランダ王立図書館(KB)、JSTORといった機関との連携

を提案しています。

ORCID in books: Today and tomorrow(ORCID,2017/7/31)
http://orcid.org/blog/2017/08/01/orcid-in-books

ORCID in Book Workflows: Report and Recommendations(ORCID,2017/7/31)
https://doi.org/10.23640/07243.5259496

参考:
Springer Nature社、自社の出版物にORCID iDを付与
Posted 2015年11月4日
http://current.ndl.go.jp/node/29863