IOP Publishingが査読者の識別・透明性、多様性、効率の課題に取り組むために、Publonsと提携すると発表

2020年2月10日、英IOP Publishingは、査読者の識別・透明性の確保に加え、査読者の多様性の確保や効率改善に取り組むために、Publonsと1年間にわたる提携を結んだことを発表しました。

IOP Publishingの発表によれば、現在、同団体の発行する雑誌への投稿の3分の1以上は中国の研究者によるものであるのに対し、中国の研究者への査読依頼は12%にとどまっています。その結果、一部のコミュニティに査読の負担が集中するといった問題が生じているとしています。

今回の提携では、以下のような課題に協働で取り組むとされています。

・査読の動機に関する報告の作成
・IOP Publishingの査読者候補プールにおける、ジェンダーおよび地理的多様性の向上
・査読プロセスの効率・一貫性向上
・WeChatによる査読者とのやり取りなど、新技術の導入

IOP Publishing and Publons partner to tackle challenges in peer review(IOP Publishing、2020/2/10付け)
https://ioppublishing.org/news/iop-publishing-and-publons-partner-to-tackle-challenges-in-peer-review/

参考:
CA1961 – 動向レビュー:岐路に立つ査読と、その変化に踏み込むPublons / 松野 渉 カレントアウェアネス No.341 2019年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1961

査読登録サービスPublons、査読に関する現状調査報告書を公開
Posted 2018年9月12日
https://current.ndl.go.jp/node/36648

英国物理学会出版局(IOP Publishing)、Clarivate Analytics社のPublons・ScholarOneとのパートナーシップ締結を発表
Posted 2019年7月18日
https://current.ndl.go.jp/node/38613