SPARC Europe、欧州における権利保持とオープンライセンスに関する報告書を公開

2023年6月29日、SPARC Europeが、欧州における権利保持とオープンライセンスに関する報告書“Opening Knowledge: Retaining Rights and Licensing in Europe 2023”を公開したと発表しました。

本報告書は、国際図書館連盟(IFLA)、欧州研究図書館協会(LIBER)との共同プログラムKnowledge Rights 21の一環として、SPARC Europeが主導するProject Retainが実施した調査の成果として位置付けられています。Project Retainは権利保持やオープンライセンスの普及を加速させ、研究者が成果物を広く共有できるようにすることを目指して発足した1年間の研究プロジェクトです。

発表によると、報告書では欧州の機関における権利保持ポリシーの進展状況や動向を紹介するとともに、学術出版物へのアクセスやその再利用を可能にする上で重要な役割を果たす多様な利害関係者が存在することや、懸念や誤解、意見の相違を克服するための対話の重要性について述べられています。また、機関の政策立案者や資金提供機関、立法機関、出版社に対する推奨事項がまとめられています。

New SPARC Europe’s report on rights retention and open licensing in Europe(SPARC Europe, 2023/6/29)
https://sparceurope.org/opening-knowledge/

Opening Knowledge: Retaining Rights and Licensing in Europe 2023
https://doi.org/10.5281/zenodo.8084051

Project Retain. Enabling the dissemination of knowledge. (SPARC Europe)
https://sparceurope.org/what-we-do/open-access/copyright/project-retain/

参考:
SPARC Europe、権利保持とオープンライセンス付与方針に関するプロジェクトの実施を発表 [2022年07月06日]
https://current.ndl.go.jp/car/46442

情報機関による教育・研究目的での著作物への無制限のアクセスを可能とする著作権法や実務の改革の達成・実行を目的とした欧州での3年間のプログラム“Knowledge Rights 21(KR21)”が開始 [2021年09月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/44876