カナダ・トロント公共図書館、北米の図書館で検閲等の対象となった本を特集する “Book Sanctuary Collection”を設置

2023年2月23日、カナダのトロント公共図書館(TPL)が、北米の図書館で検閲や異議申し立ての対象となった本を特集するコレクション“Book Sanctuary Collection”を設置したことを同館のTwitterアカウントで発表しました。

「読む自由週間」(Freedom to Read Week)に合わせて開始されたものです。コレクションは50冊で構成されており、各タイトルを紹介するウェブページも公開されています。

また、同館はウェブサイトにおいて、米・シカゴ公共図書館が検閲等の流れに対抗して2022年に立ち上げた「本の聖域」(Book Sanctuary)イニシアティブに参加したことを表明しており、100の分館やオンラインを含む同館のスペースを「本の聖域」と宣言し、すべてのストーリーやアイデアに安全な場所を提供するとしています。

@torontolibrary(Twitter, 2023/2/23)
https://twitter.com/torontolibrary/status/1628485058997768196
https://twitter.com/torontolibrary/status/1628545354948833280

The Book Sanctuary Collection(TPL)
https://account.torontopubliclibrary.ca/shared/the-book-sanctuary-collection/gDNNmd4wrgAMuGUM0hnE3R4AWR8sXZAGmj1cSHkZZzizHU9SAD

Intellectual Freedom at TPL(TPL)
https://www.torontopubliclibrary.ca/about-the-library/mission-vision-values/intellectual-freedom/index.jsp

Toronto Public Library exclusively featuring banned books in new collection(Toronto Star, 2023/2/22)
https://www.thestar.com/news/gta/2023/02/22/toronto-public-library-exclusively-featuring-banned-books-in-new-collection.html

関連:
The Book Sanctuary
https://www.booksanctuary.org/

参考:
禁書という環境下における図書館業務:現場からの声(記事紹介) [2023年03月09日]
https://current.ndl.go.jp/car/173795

米・ブルックリン公共図書館とPEN AMERICA、禁書に対抗し、読む自由を促進するための高校生向けオンラインプログラム“Freedom to Read Advocacy Institute”を実施 [2023年01月23日]
https://current.ndl.go.jp/car/171255

米・ブルックリン公共図書館、禁書の対象となった本を利用できるよう図書館カード5,100枚を若者に無料で発行(記事紹介) [2022年09月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/46885

米・ニューヨーク公共図書館、ブルックリン公共図書館、クイーンズ公共図書館、禁書となった本を借りて読むことを勧める「禁書チャレンジ」を実施 [2022年05月25日]
https://current.ndl.go.jp/car/46189

かつては聖域だった学校図書館、今は戦場に(記事紹介) [2022年11月02日]
https://current.ndl.go.jp/car/47102

米・ブルックリン公共図書館、禁書の対象となった本を利用できるよう図書館カード5,100枚を若者に無料で発行(記事紹介) [2022年09月27日]
https://current.ndl.go.jp/car/46885

米国図書館協会(ALA)、25超の団体と協力して禁書反対キャンペーン“Unite Against Book Bans”を展開していると発表 [2022年05月20日]
https://current.ndl.go.jp/car/46163

米・ブルックリン公共図書館、キャンペーン“Books UnBanned”を開始:地域コミュニティで禁書に直面する全米の13歳-21歳にeカードを無料で発行 [2022年04月22日]
https://current.ndl.go.jp/car/46038

小南理恵. 米国の図書館における検閲に関する動向. カレントアウェアネス. 2022, (354), CA2029, p. 2-5.
https://current.ndl.go.jp/ca2029