CA897 – BLR&DDで組織改革 / 岸美雪

カレントアウェアネス
No.169 1993.09.20


CA897

BLR & DDで組織改革

英国図書館研究開発部(British Library. Research and Development Department: BLR & DD)は,1975年に設立されて以来,図書館情報学分野の調査研究推進に大きな役割を果たしてきている(CA643参照)が,1992年8月1日を期して組織の再編が行われた。

今回の改革によっても英国の図書館情報サービスの向上を支援することを目的とするというBLR & DDの基本的な性格に変化はない。ただ,BL全体への予算の制約が厳しさを増す中で,BLの国際的な活動全体を調整する業務をはじめとする新たな業務が加わったため,その費用をBLR & DD自身の収入でまかなわなければならないなどの状況が生じてきた。このため,機構改革に先立ってsenior staffからなるタスク・フォースを組織するなどの試みが行われていた。そして最も効率的に業務を行えるように機構の再編が行われた。

新しい組織と主な業務内容を紹介する。

開発部門(Development Section)

調査研究の成果からBLの利益を得ることや,BL自身の調査活動を推進し,調整する役割をもつ。各部の調査プロジェクトでBLに特に関連しているものはこの部門で運営される。主なテーマ:ネットワークと標準化,ディジタル化の応用,ナショナル手稿保護トラスト(CA724CA773参照),公共図書館振興プロジェクトなど。

研究助成部門(Research Grants Section)

外部の調査研究プロジェクトを助成することが主要な業務。主なテーマ:画像処理やマルティメディア,電子雑誌・電子図書館,情報管理,図書館調査,利用者調査,人材育成など。

情報政策研究部門(Information Policy Research Section)

近年関心の高まっている情報政策を扱い,またBLR & DD全体の出版物を担当する。

国際事務所とコンサルタント(International Office and Consultancy)

今回の組織改革では大きな変更はなかったが,BLのコンサルタントサービスやBLの国際サービスの担当部門である。

岸 美雪(きしみゆき)

Ref: New look for the R&D Department. Br Libr Res Der Newsl (8) 1-2, 1992