CA723 – BLDSCが著作権問題で新方針 / 坂本博

カレントアウェアネス
No.139 1991.03.20


CA723

BLDSCが著作権問題で新方針

イギリスの新著作権法(1988)とその委任に基づく通産大臣(文部大臣ではないことに注意)制定の規則は,図書館が行う複写サービスに対して極めて厳しいものとなったが(CA658),これに対する英国図書館文献供給センター(BLDSC)の反応は次のように従来のサービスを基本的には継続する,ということであった。

新著作権法の制定は,BLDSCが著作権料を支払うことなくどのようなサービスを提供できるかを明確にし著作権問題を沈静化させるどころか,逆にBLDSCの活動に対する批判を鼓舞してしまった。しかしながら新法は営利的な分野も含めた利用者(end user)の個人的な研究のために著作権料なしに1部のコピー提供を認めているし,また国内同様外国にもコピーサービスを提供することを禁じていない,というのがBLDSCの見解である。ただし,BLDSCはこれと同時に,法律的に著作権料を支払わずには提供できないようなサービスを求める顧客(customer)があることも承知しており,これに応じるための方策は検討している。

しかし,このほど公表された検討結果では,著作権料の支払いを伴うサービスが新たに始められることになった。

著作権問題は解決しました。これにより顧客サービスは拡大されます。著作権料はBLDSCが徴収し,著作権許諾代行機関(Copyright Licensing Agency)とその国際ネットワークを通じて出版者に配分されます。BLDSCの現行の著作権料を要しないサービスもそのまま継続しますが,お客様の多くは新しい著作権処理済のサービスを満足して受け入れられるでしょう。1991年4月以降にこの新サービスを求められる方には,コピー1件につき1.10ポンドを支払って頂きます。このことにより海外のお客様は,コピーを輸入することに伴う著作権問題の不安から解放され,別個に著作権料支払いの手続をする必要がなくなります。新サービスを選べば,この他にも次のようなことが可能になります。

1)同一文献のコピーを2部以上申しこむこと,2)ある雑誌の特定の号の中から2文献以上のコピーを申しこむこと,3)コピーを図書館のコレクションに加えること,4)著作権に関する宣誓なしにコピーを申しこむこと,5)文献を特定することなくコピーを申し込むこと。

BLDSCは新サービスのメリットをことさら強調しているが,著作権に対する新たな姿勢を示したものとして注目すべきであろう。

坂本 博(さかもとひろし)

Ref: Document Supply News (25) 〔3〕, 1990. 3 ; (28) 〔1〕, 1990. 12