カレントアウェアネス
No.157 1992.09.20
CA828
BLDSCのCD-ROM
30年間にわたり,世界各国からの図書の貸出申込・文献複写サービスの依頼に応じてきた英国図書館文献供給センター(BLDSC)は,所蔵する膨大な文献の書誌情報をさらに利用しやすくするために,1985年からCD-ROM作製に着手していたが(CA578参照),1992年現在,逐次刊行物(CA645参照),会議録,図書の三種類のCD-ROMを完成し,販売している。それぞれのCD-ROMのレコード数,更新回数,増加レコード数,価格は別表のとおりである。IBM PC/XT/AT,またはその互換機で利用できる。BLDSCは引き続き自己のデータベースをCD-ROM化する予定でいるが,さらに他の機関がデータベースをCD-ROM化しようとするなら,ノウハウを提供する用意がある。
さて,このうち会議録CD-ROM(BSC)に話を絞って,画面構成と検索機能という二つの点で,J-BISCと比較してみる。
先ず画面構成からいうと,BSCではメインメニューに表示されたSearch,Browse等の機能のいずれかを選択すると,ウインドと呼ばれる矩形のワークスペースが開き,検索式,検索結果,一覧等の操作結果はすべてこのウインド内に表示され,以後の操作の際も消えることはない。一方,J-BISCもメニュー方式であるが,画面に表示されるのはそのつどの操作結果だけで,検索式・検索結果が保存されることはない。画面は前画面,次画面の上下スクロールのみである。
機能面でのもっとも大きな違いは,BSCが検索集合を使ってさまざまな論理演算ができるのに対し,J-BISCはメニューで与えられた形の検索しかできないことにある。BSCではプレフィックスを入れて,異なる項目間の組合せ検索をし,さらに集合を絞って検索したい場合は,集合番号を使って検索を続けることができる。J-BISCでは異なる項目間の組合せ検索は可能であるが,後段の,さらに集合を絞った検索はできない。同様にBSCではブラウズをして,その結果を選択・保存し,後の論理演算に使うことができる。これはBSCには検索集合を保存する機能があるのに対し,J-BISCにはそれがないことから生じる。さらに,BSCでは検索において,前方・後方一致,ワイルドカードサーチなどが可能であるが,J-BISCでは前方一致と完全一致検索のみである。
表示フォーマットの点でも,BSCは四種類(Catalogue Card, Tagged Format, Detailed Format, Custom Format)と豊富なのに対し,J-BISCでは二種類(Catalogue Card, Tagged Format)である。BSCのCustom Formatは利用者が登録した形でのディスプレイが可能で,また,通信機能を備えたパソコンの場合,Order Formatを指定すると,ARTTelというシステムを通して,直接BLDSCの貸与・複写サービスを受けることができる。以上を考慮し,アクセスタイムも短いことを考え合わせると,BSCはかなりすぐれたCD-ROMといえると思う。
池田優美子(いけだゆみこ)
Ref: CD-ROMs from Boston Spa Boston Spa Conferences Manual
初出年 | 更 新 | レコード数 | 年間増加 レコード数 | 価 格 (ポンド) | |
Serials | 1989.10 | 年2回 (春秋) | 43.5万 | 8.1万 | 425 |
Conferences | 1991春 | 年4回 | 30万 | 2万 | 450 |
Books | 1992初頭 | 年2回 | 53.5万 | 5.5万 | 425 |