カレントアウェアネス
No.348 2021年06月20日
CA1997
図書館に求められる水害への備え
日本図書館協会図書館災害対策委員会:加藤孔敬(かとうよしたか),川島 宏(かわしまひろし)
はじめに
自然災害が多発化し激甚化している。特に豪雨や台風等による記録的降雨は、洪水被害・土砂災害等を発生させ、図書館も浸水被害を受けている。筆者らは図書館関係者の防災意識向上と被災図書館の間接・直接の支援を行う日本図書館協会(JLA)図書館災害対策委員会(1)の委員であり、訪問調査も行う場合がある。複数の館を訪問した平成30年7月豪雨(西日本豪雨;E2056参照)では、5館で資料が水損し、合計約18.6万冊の資料を失った。さらに令和元年東日本台風(台風第19号;E2208参照)では、公共図書館108施設で浸水や雨漏り被害があった。
『カレントアウェアネス』では、これまで資料の水損対応に関する記事を掲載してきた(CA1891、CA1926参照)。これらの記事は事後対応にフォーカスしているが、本稿では、水害に対する事前の備えを中心として構成する。また、紙数の枠のため主に公共図書館を例示しながら論を進めるが、大学・学校・公民館等、広く役立つことを願う(情報蓄積の偏りを反省しつつ)。なお、水損には、地震や火災に伴う二次被害や日常的に生ずる雨漏りや設備故障による事故も含まれるが、自然災害による直接的な被害を対象とする。
1.水害対策の必要性
防災のための備えに関して、公共図書館の場合を見ると、まず設置者(地方公共団体)が、自然災害を対象に「地域防災計画」を策定しており、水害も対象である。その計画に基づき、地方公共団体の職員は、災害時に市民の生命、財産を災害から守るよう行動する(2)。
施設が安全であるための法制度は、都市計画法(3)、建築基準法(4)、消防法(5)等による多岐に渡る定めがあり、建築基準法第二条第二号により、図書館はより安全であることが求められる「特殊建築物」である。設計・施工時に適用される規定に始まり、竣工後も、「特定建築物」となる図書館(階≧3階または床面積≧2000㎡)は定期検査と報告の義務がある。
ただし法は「最低限」の定めであるとされ、安全を保証するものではなく、かつ、地震や火災に対する定めの割合が大きい。消防活動は火災だけでなく水害をも対象としているが、消防法に基づく防火管理や消火・避難の訓練は、水害を対象としていない。
図書館を管轄する文部科学省の告示「図書館の設置及び運営上の望ましい基準」には、「図書館は、利用者の安全の確保のため、防災上及び衛生上必要な設備を備えるものとする。」とある(6)。以上のことから図書館には自主的な危険度調査や備えが強く求められる。
しかし、2020年3月に実施されたNHKの調査によると、水害対策が十分といえない現状が見えた。同調査で行われた、全国の都道府県立図書館へのアンケートの回答で、「水害の対策や準備を行っている」は18館(38%)、「行っていない」は29館(62%)であった(7)。
2.調査・記録から得られた教訓
JLA図書館災害対策委員会の調査(8)と、過去20年の被害の報告を刊行物や「カレントアウェアネス・ポータル」(9)をはじめとした諸情報から広く調べると、次の事象・傾向・教訓が見られた。
(1)地理・建築的条件
水害のリスクは地形と密接に関係する。標高が低い地区は高潮や堤防決壊(外水)による被害を受けることがあり、山あいの地区では川幅が狭いために被害が生ずる場合もある。都市化で保水力が低い地区は短時間の豪雨で内水型の洪水が生ずる危険性がある。また、地下や半地下の階は浸水した場合の被害が大きい。そして、扉や窓をふさいだとしても、かさが増した水は排水管を逆流し、内部に浸入する。加えて、夜間・休日等の無人時の発災は、被害抑制に不利である。
(2)人と資料を守る
過去20年、洪水による図書館での死亡事故はないものの、人命保護を最優先し、同時に資料を守る必要がある。資料の水損を防止するため、本の場所を通常よりも上に移動させるといった対応も有効である(10)。また、水損した貴重な資料は、対応次第ではレスキューできる。
図1 宮城県角田市図書館の事例
令和元年東日本台風(2019.10.13)床上浸水前に職員が絵本等をテーブルや書架上段に事前退避した。(角田市図書館撮影)
(3)日常的な備えの重要性
普段は、屋上・樋・側溝等の雨水排水経路の清掃が必要で、防水材や屋根葺材の経年劣化に対しては、計画的な修繕の実施が求められる。水損対策に関する事前の知識・経験・実践が被害の度合いを左右する場合があり、危機感の不足(正常性バイアス)は禁物である。
(4)水損のダメージ
紙・木製家具・電気設備機器・車両は水に弱い。また、水損した図書が膨張し、書架から取り出せない場合や、書架が壊れることがある。そして、施設・設備の復旧には多大な時間と労力・予算を要する。同様に新刊や古本の購入、パンフレット等販売されていない資料の収集といった再構築には、時間・労力・予算が必要となるばかりか、もはや収集不能な場合もある。
3.防災・減災のための具体的な備え
人を守り、資料を守るためには、調査・計画・訓練等の人的要素と浸水防止や資料救出等のモノの備えの物的要素の双方が求められる。以下、2章で挙げた教訓を踏まえ、図書館における具体的な備えの例を紹介する。
(1)立地のリスクを知る
まず、事前にリスクを知ることが重要である。そのために以下のツールは有用といえる(11)。
<水害ハザードマップ(12)>水防法(平成27年改正)により、浸水想定区域や避難所情報等を地図に示したハザードマップの作成と公表が、市町村に対し義務づけられている(13)。それらについて館内での掲示を行う(14)等、館の立地のリスクや避難場所を知り、避難経路を想定することは必須である。同時に、職員自身の通勤経路や、公共図書館の場合は移動図書館車(BM)の巡回ルートの危険性も確認が求められる。
<各種の地図情報>国土地理院が作成し公開している「地理院地図」(15)等の情報を筆頭に活用し、地形・標高等の基礎的な地理情報を調べる必要がある。昔、河川や湖沼だった土地が洪水被害を受けやすい場合があるため、古地図からも貴重な情報が得られることがある。
<災害記録>災害は繰り返し発生していることから過去に大きな水害があったかどうか県史や市町村史、地元の災害史等で調べる(16)。江戸時代やそれ以前にまでさかのぼりたい。
(2)事前の計画や行動
水害から人命および資料を守るために事前の行動計画や訓練が必要であるが、具体的には次の方法がある。
<タイムライン(防災行動計画)>水害は突発性の地震等とは違い、気象予報で発災までの時間が予測可能なことから、進行型災害と言われている。米国では、この特徴をいかした計画「被害の発生を前提とした防災」が効果を挙げており、日本でもその計画を参考に国土交通省主導で「タイムライン」が策定された(17)。発災予測時刻をゼロアワーとして、事前の防災行動を「いつ」、「誰が」、「何をするか」時系列で整理した計画である。図書館においても、水害リスクが高い館に限らず、職員および関係者が、災害時の状況を想定し共有することが求められる。
図2 タイムラインの例
上図は、「大雨警戒レベル」毎の行動を示すものとして筆者らが作成した(18)。あくまで一例を参考に示すもので、個々の館で具体的に話し合うことが望まれる。
(3)備える設備・物品
水害の抑制や緊急対応のために、以下のような設備・物品をそろえることが推奨される。
<止水の装置・用具>地下階や1階に浸水する危険が想定されるなら、止水板や止水シート、土のう等の備え(19)が望ましい。トイレの便器や排水口からの吹き出しを抑えるために水のう(ビニール袋に水を入れる)を使うことも有効とされている(20)。
<物品>懐中電灯・ブルーシート・軍手・ビニール手袋・タオル・吸い取り紙・扇風機(水損資料の乾燥)の他、乾湿両用掃除機・冷凍庫(水損資料を凍結し劣化の進行を止める)・古新聞のストック(水分の吸収)も役立つ(21)。
<備えない防災>非常時専用の物品は出費が空振りになる可能性が大きいため、確保しにくい場合がある。日常の備えや工夫を防災・減災に役立てる発想が「フェーズフリー」である(22)。ゴミ袋を2重にして水を入れ水のうとすることはその例である。
その他の、図書館での工夫を例示する。閉館時にはエレベーターのカゴを水損に対し一番安全な最上階に停止させる。データの破損やシステム停止を防ぐため、クラウドサーバーを活用し、PCは運びやすいノートPCを基本とする。資料に関しては、貴重書を上階・上段に排架し保存箱へ入れ、複本を本館・分館に分散配置する。
(4)文献・ウェブサイト・資料
2章(3)にもある通り、事前の知識の有無が被害の程度を左右し得る。そのため、以下等を用いて、日常的に情報収集を行うことも、重要な水害対策である。 例えば、saveMLAK(23)・国立国会図書館(NDL)のカレントアウェアネス・ポータルに被害状況の報告が多数ある。また、JLAでは2015年に図書館災害対策委員会を発足させ、情報を収集・発信している。その他、図書館、図書館関係団体等の刊行物(24)やウェブサイト(25)にも有用な情報が多い(26)。
4.課題と補足
世界的に自然災害の様相に変化(悪化)が見られ、地球温暖化に起因するとの警鐘がある(27)。そのとおりであるなら、激甚な災害が発生する危険度はより高まると覚悟すべきで、備えることはより重要になる。
筆者らが特に課題および反省点と感ずることは、被害状況を知る・伝える方法の難しさである。水害が報道されると、図書館の状況が心配されるが、安否うかがいの電話は、被災図書館に迷惑をかける場合がある。しかし、水害は資料の救出など迅速な対応・援助を要する状況もあるため、連絡の方法やタイミングは難しい。また、学校図書館のように小さな組織では、孤立する危うさもある。その点で補足すると、普段から顔が見えているつながりが多いと、災害時に「躊躇」の障壁が下がる。例えば、都道府県立図書館と市町村立図書館の関係や、大学・学校の団体等、互いの顔が見えるつながりを大切にして欲しい。
(1) “図書館災害対策委員会”. 日本図書館協会.
http://www.jla.or.jp/committees/tabid/600/Default.aspx, (参照 2021-03-29).
(2) 内閣府(防災担当).市町村のための水害対応の手引き.2020, 59p.
http://www.bousai.go.jp/taisaku/chihogyoumukeizoku/pdf/tebikikaitei.pdf, (参照 2021-03-29).
(3) “都市計画法(昭和四十三年法律第百号)”. e-Gov.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=343AC0000000100, (参照 2021-03-29).
(4) “建築基準法(昭和二十五年法律第二百一号)”. e-Gov.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=325AC0000000201, (参照 2021-03-29).
(5) “消防法(昭和二十三年法律第百八十六号)”. e-Gov.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=323AC1000000186, (参照 2021-03-29).
(6) 「第一 総則」の「六 危機管理」の2に記載がある。
“図書館の設置及び運営上の望ましい基準(平成24年12月19日文部科学省告示第172号)”. 文部科学省. 2012-12-19.
https://www.mext.go.jp/a_menu/01_l/08052911/1282451.htm, (参照 2021-03-29).
(7) “図書館の水害対策 「行っていない」が6割 NHK調査”. NHK.2020-04-16.
https://web.archive.org/web/20200506063409/https://www3.nhk.or.jp/news/html/20200416/k10012389481000.html, (参照 2021-03-29).
“相次ぐ災害 図書館に求められる「水への備え」”. NHK.2020-04-30.
https://www.nhk.or.jp/d-navi/sci_cul/2020/04/story/story_200430-2/, (参照 2021-03-29).
(8) “平成30年7月豪雨(西日本豪雨)による公共図書館の被害状況”.日本図書館協会.
http://www.jla.or.jp/committees//tabid/757/Default.aspx, (参照 2021-03-29).
(9) カレントアウェアネス・ポータル.
https://current.ndl.go.jp/, (参照 2021-03-29).
(10) 貴重資料を上の階に移動もしくは、最下段の資料を上段に退避して保護するという対応が、愛媛県大洲市立図書館、宮城県角田市図書館等で行われていた。栃木県・白鷗大学総合図書館の大行寺分館では、地下の書庫への浸水被害を踏まえた用途変更かつ、大雨警報時は地下の資料等を上階に退避し被害軽減を行っている。また、愛媛県宇和島市立簡野道明記念吉田町図書館のように、平常時から貴重資料を上の階に排架し、資料の被災を免れた事例も見られた。
【動画あり】台風19号、13都県の図書館被災「ぬれても復元できる」保全呼び掛け.東京新聞.2019-10-28.
https://www.tokyo-np.co.jp/article/18996, (参照 2021-03-29).
(11) リスク評価について、本文中で挙げているツールの他、以下の資料が参考になる。
“資料の保存 所蔵資料の保存 資料防災 予防 リスクアセスメント”. 国立国会図書館.
https://www.ndl.go.jp/jp/preservation/collectioncare/disaster_p/prevention.html, (参照 2021-03-29).
堀田弥生.特集, 災害に備える : 事前に知っておきたい災害リスクと災害情報. 情報の科学と技術. 2020, 70(9), p. 452-457.
https://doi.org/10.18919/jkg.70.9_452, (参照 2021-03-29).
(12) ハザードマップポータルサイト.
https://disaportal.gsi.go.jp, (参照 2021-03-29).
中小河川 「浸水想定」4367区域未指定. 読売新聞.2020-10-10. 朝刊. p. 1.
“「特定都市河川浸水被害対策法等の一部を改正する法律案」(流域治水関連法案)を閣議決定~流域全体を俯瞰し、あらゆる関係者が協働する「流域治水」を実現します!~”. 国土交通省. 2021-02-02.
https://www.mlit.go.jp/report/press/mizukokudo02_hh_000027.html?theme=6, (参照 2021-03-29).
(13) “水防法(昭和二十四年法律第百九十三号)”. e-Gov.
https://elaws.e-gov.go.jp/document?lawid=324AC0000000193, (参照 2021-03-29).
(14) 例えば、岡山県倉敷市立真備図書館ではハザードマップの掲示が行われていた。
(15) 地理院地図.
https://maps.gsi.go.jp, (参照 2021-03-29).
(16) 現地調査で確認した範囲では、宮城県角田市図書館で、地域の水害記録を調べ、把握していた。
(17) 松尾一郎. タイムライン 日本の防災対策が変わる. 日刊建設工業新聞社, 2018, 151p.
タイムライン.
https://www.mlit.go.jp/river/bousai/timeline/, (参照 2021-03-29).
(18) 内閣府(防災担当). 避難情報に関するガイドライン. 2021, 134p.
http://www.bousai.go.jp/oukyu/hinanjouhou/r3_hinanjouhou_guideline/pdf/hinan_guideline.pdf, (参照 2021-05-02).
“「避難勧告」廃止し「避難指示」に一本化 法律改正案可決 成立”. NHK. 2021-04-28.
https://www3.nhk.or.jp/news/html/20210428/k10013002351000.html, (参照 2021-05-02).
今村文彦監修. 風水害・土砂災害 わが家の防災タイムライン 命を守るために、今、できること 防災タイムラインを作ろう 防災キット. 東京法令出版, 2020, 26p.
(19) 止水板や土のうを備えている図書館の例は、以下で確認できる。
川崎正視. 特集, 図書館と災害被害・その教訓 : 高松市図書館の高潮被害と復旧.図書館雑誌. 2005, 99(5), 978, p. 302-303.
前川さおり.共同研究, 東日本大震災被災地域における生活文化研究の復興と博物館型研究統合 : 文化財レスキューネットワークと遠野.国立歴史民族資料館研究報告. 2019, 214, p. 88.
弓桁明. “静岡市立南部図書館の水害被害と復旧”. 日本図書館協会. 第27回図書館建築研修会. 2006, p. 21-35.
(20) “家庭で役立つ防災”. 国土交通省. p. 10.
https://www.city.yokkaichi.lg.jp/www/contents/1591774064910/simple/kateibousai.pdf, (参照 2021-03-29).
備える時間有効に 台風対策.毎日新聞.2019-09-17. 朝刊. p. 10.
(21) 眞野節雄.水濡れから図書館資料を救おう!. 日本図書館協会, 2019, p. 17-20.
“資料の保存 所蔵資料の保存 資料防災 準備”. 国立国会図書館.
https://www.ndl.go.jp/jp/preservation/collectioncare/disaster_p/preparedness.html, (参照 2021-03-29).
(22) 「備えない防災」って?想像の壁を越える考え方とは.朝日新聞.2021-02-13. 朝刊[be]. p. 4.
一般社団法人フェーズフリー協会.
https://phasefree.or.jp/phasefree.html, (参照 2021-03-29).
(23) saveMLAKは、博物館・美術館(M)、図書館(L)、文書館(A)、公民館(K)の被災・救援情報をウェブサイトで発信している。東日本大震災をきっかけに設立され、2020年4月からは図書館のCOVID-19対応状況の調査と公開活動も行っている。
saveMLAK.
https://savemlak.jp/, (参照 2021-03-29).
(24) 眞野. 前掲.
(25) “資料の保存”. 国立国会図書館.
https://www.ndl.go.jp/jp/preservation/index.html, (参照 2021-03-29).
“資料保存のページ”. 東京都立図書館.
https://www.library.metro.tokyo.lg.jp/guide/about_us/collection_conservation/conservation/, (参照 2021-03-29).
(26) その他、図書館が実際に発災時に行った対応も、事前に備えるうえで参考となる。例えば、文献や現地調査の結果を踏まえ、以下が挙げられる。
・大学・公共図書館:ウェブページ・SNSによって、休館、行事の中止、BM運行中止、ブックポストの封鎖等の情報発信を行う。
・夜間の招集を見合わせて危険回避(岡山県倉敷市立真備図書館)
・県立図書館が被害状況を調査、公表し、復旧活動に協力。
坂口泰子. 「東海豪雨」から20年―その時名古屋市図書館は.みんなの図書館. 2020, (518), p. 41-46.
“図書館案内非常災害時の運営(対応)”. 名古屋市図書館.
https://www.library.city.nagoya.jp/guide/hijoji.html, (参照 2021-03-29).
(27) 河田惠昭. 大災害時代 : 犠牲者6000人、被害額150兆円“国難”級の大水害 荒川氾濫で水没する東京. 中央公論. 2020, 134(3), p. 38-47.
小林佑基. 大規模災害 問われる自然観. 読売新聞. 2020-02-24. 朝刊. p. 22.
[受理:2021-05-17]
加藤孔敬,川島宏. 図書館に求められる水害への備え. カレントアウェアネス. 2021, (348), CA1997, p. 5-8
https://current.ndl.go.jp/ca1997
DOI:
https://doi.org/10.11501/11688289
Kato Yoshitaka
Kawashima Hiroshi
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