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カレントアウェアネス
No.306 2010年12月20日
CA1734
研究文献レビュー
蔵書構成
1. はじめに
今回の研究文献レビューにあたり、はじめに、簡単な定義、対象範囲の設定、最近のレビューの確認をしておきたい。
1.1. 「蔵書構成」の定義
『図書館情報学用語辞典 第三版』には、「蔵書構成」は「図書館蔵書が図書館のサービス目的を実現する構造となるように、資料を選択、収集して、計画的組織的に蔵書を形成、維持、発展させていく意図的なプロセス」(1)とある。「蔵書」の「構成」というと静態的な響きがするが、収集によって資料が増え、除籍によって資料が減り、その前後で蔵書としての一体性を保つ、その有機体的かつ動態的なプロセスが蔵書構成なのだということを、この記述は示している。その過程に「計画的組織的な意図」が介在することによって、単なる資料の集合と「蔵書」は区別されることになる。より細かく見れば、すべての資料を収集することは現実的に不可能である以上、「計画的組織的な意図」に基づいて選択するために、「収集方針」が必要になる。それを受けて個々のレベルでの「資料選択(選書)(2)」がなされる。その結果できた蔵書の性質を把握するために、「蔵書評価」を行うことになる。そうした調査結果も踏まえつつ、収集方針の裏面としての「除籍」基準に従い、一部の資料は除かれる。この一連の流れは、すべて「蔵書構成」の一環として把握できる(3)。
1.2. 文献レビューの対象
通常、本誌の研究文献レビューでは、国内の「研究」文献を対象としている。だが関連文献の多くは事例報告であり、その中にも研究と言える分析が見られることから、今回は対象を広めに取った。図書館の館種についても特に限定していないが、結果として公共、大学、学校図書館が中心となっている。さらに1.1.のように考える以上、本レビューの対象とすべき文献には、蔵書構成についての個別テーマを扱ったものもできるだけ含むのが適当である。そこで今回は対象として、原則として2005年以降で、タイトルや論題名、件名に次の用語のいずれかを含む国内文献を、NDL-OPACの「書誌 一般検索」及び「雑誌記事索引」で検索した結果を用いた。
- タイトル、論題名
蔵書構成、蔵書構築、コレクション構築、コレクション形成、収集方針、収集基準、図書選択、資料選択、選書、蔵書評価、コレクション評価、除籍 - 件名(NDLSH)
資料収集(図書館)、図書選択
今回の問題意識から明らかに外れるものを除くと、図書が15件、雑誌記事が91件(ただし、簡易な報告等も含む)あり、以下のレビューの中核をなしている。合わせて、必要に応じて2005年以前の文献、内容の一部に当該テーマを含む文献、インターネット上の文献も適宜採り上げている。なお、納本、地域資料、分担収集については、紙幅の都合もあり対象外とした。
1.3. 最近のレビュー
本稿で対象とする2005年以降に出た先行レビューについて、事前に確認しておこう。公共図書館については、山本(4)が2001年から2009年にかけての蔵書構成(実質的には資料選択)論を対象とし、①ベストセラーの複本購入、②目標・対象を設定する戦略的蔵書構成、③選書ツアー、という3点(をめぐる論争)を中心に整理を行っている。なお選書ツアーとは、図書館の利用者が書店等に赴き選書業務に参加する一種のイベントである。また厳密にはレビューでないが、安井(5)も、1990年代から2000年代初頭にかけての資料選択論を多数引用して類型化を試みている。大学図書館では、米澤(CA1668参照)が2005年から2008年を対象に、学習支援のためのコレクション形成という観点からレビューしている。今田(CA1660参照)は看護図書館の蔵書構成について、1990年代後半から2000年代前半を対象に文献を紹介している。また蔵書評価の領域では、岸田(6)が1980年代以降の国内外文献を中心に、主な評価方法別に詳細なレビューと整理を行っている。
2. 動向の概観
個別の文献を紹介していく前に、全体的な動向について確認しておきたい。特徴的な点として、3つ挙げられる。
2.1. 雑誌での特集が多いこと
2005年以降、蔵書構成に関する特集が図書館関係誌上で何度も組まれている。特集のうち主なものを挙げれば、以下のとおりである。
- 特集, 蔵書構築. 病院図書館. 2005, 25(1-2).
- 特集, 選書が変われば、図書館が変わる. みんなの図書館. 2006, (350).
- 特集, 本をえらぶ. 子どもと読書. 2006, (360).
- 特集, 選書の現場から. 図書館雑誌. 2007, 101(6).
- 特集, コレクションの構築と運営. 情報の科学と技術. 2007, 57(12).
- 特集, 図書資料の選択. 学校図書館. 2008, (698).
- 特集, この人に聞きたい―選書論. みんなの図書館. 2009, (388).
- 小特集, 選書. 大学図書館研究. 2010, (88).
参考までにそれ以前に目を遣ると、『みんなの図書館』では2002年、2003年にも選書の特集が組まれている一方、『図書館雑誌』での前回の特集は8年前の1999年である。間隔にばらつきはあるものの、少なくとも蔵書構成というテーマは現在でも重視されていると言えよう。各図書館関係団体が行っている年次集会等でも、蔵書構成を扱う分科会がしばしば設置されている(7)。
2.2. 雑誌記事の多くが資料選択を主とした事例報告であること
2.1.で挙げた特集タイトルからもわかるとおり、蔵書構成プロセスの各段階の中でも、とりわけ資料選択を中心とした雑誌記事が多い。また、詳しくは以下で確認していくことになるが、そうした文章の多くは事例に基づいた報告である。このことは、多くの図書館員にとって、資料選択という業務が重要な位置を占めていること、そして他館の事例を参考にしたいという顕在的・潜在的な要望を持っていることの反映であろう。だが、先に述べたように、資料選択はそれだけで独立した業務ではなく、他の各業務と有機的に関連して蔵書構成を形作る要素の一つである。この点、資料選択と他業務との関連を意識した文献が増えてきていることも補足しておきたい。
2.3. 包括的に蔵書構成を扱った図書が見あたらないこと
雑誌記事に事例報告が多いならば、図書は一体どうであろうか。長谷川(CA1662参照)が指摘しているように、冊子体の書物が統合の隠喩と見なされてきたとすれば、雑誌文献がある程度限定された分野を扱うのに対して、図書形態ではそういった各々の要素を統合した包括的な文献が中心を占めるべきということになる。確認してみると、図書は大きく2つのグループに分かれる。1つは個々の段階に注目した研究文献で、もう1つはプロセス全体を俯瞰的にとらえたマニュアルやテキストである。前者は以下で採り上げていくとして、後者の具体例を挙げれば、学校図書館での収集方針や選定会議の運営方法を扱ったマニュアル(8)や、司書課程における図書館資料論のテキストがある(9)。これらの文献は実務や学習の目的に合致するよう書かれており、性質上どうしても入門的な記述になってしまう。一方、個々の段階を扱った研究文献でも、蔵書構成の包括的考察までなされているものは見当たらない。結局、蔵書構成の「基本書」を志向する図書が出ていないのである。こうして見ると、今でも多数の文献が、河井弘志の『新版 蔵書構成と図書選択』(1992年)(10)や、三浦逸雄・根本彰の『コレクションの形成と管理』(1993年)(11)を議論の拠り所としていることは示唆的である。
3. 文献の整理:プロセスに注目して
では個別文献のレビューに入ろう。1.1.で述べたように、蔵書構成という概念には様々な段階が含まれているため、それに沿った形で進めていきたい。もちろん複数の段階に跨る文献もあるが、主たる内容によって適宜整理したことを予め断っておく。
3.1. 蔵書構成の全体的プロセス
すでに述べたように、蔵書構成を包括的に扱った文献は見当たらないものの、実務の側面から一連の流れを辿った報告が大学図書館を中心に出てきている。三谷(12)は学部新設に伴う図書館創設事例を報告しているが、収集方針、資料選択、蔵書評価、除籍、さらには予算の問題まで1つのサイクルとして簡潔にまとめており、内容だけでなく、その「語り方」も極めて参考になる。また山田(13)、山室(14)も、各業務の関連に配慮した報告を行っている。歴史的研究としては、高野(15)が(東京)帝国大学図書館の蔵書構成プロセスを総体的に考察している。
3.2. 収集方針と資料選択
両者を一体的に扱った文献が多いため、まとめて紹介することとする。全体数が多いので、理論的アプローチと実践的アプローチに分けて確認していきたい。
3.2.1. 理論的アプローチ
公共図書館における収集方針と資料選択の全体的な概説としては、根本(16)のものが簡潔にまとまっている。根本は、図書館を「知識情報管理の責任を負った公共施設」として位置付け、それを担保する収集方針の重要性を指摘している。安井(17) (18)や新(19)は、旧来の「価値論/要求論」という図式の問い直しを主張し、公開性を重視したが、実践には役立たないという加藤(20)による批判もある。大学図書館については、収集方針の比較研究(21)はあるものの、理論的な考察はないようだ。事例研究に優れたものが多いにもかかわらず、理論的な研究が見られない一因には、各機関の性格の違いの大きさに伴う一般化の困難もあるのだろう。学校図書館については、ツール紹介型の概説(22)や理念的概説(23)がある。
理論史的な文献としては、新藤(24) (25) (26)の成果に注目したい。従来、価値論一辺倒の資料選択論が戦前期においては圧倒的だったとされてきたが、新藤は明治期から昭和前期に著された資料選択論を丹念に調査し、それらが一面的なイメージであり、実際には要求に配慮した議論が多いことを明らかにした。このイメージのずれは、こうした議論が当時どの程度受容されたのかという、さらなる関心を抱かせる。
欧米の理論や事例の紹介としては、公共図書館と大学図書館を主に扱った河井(27)の浩瀚な論考がある。1970年代の雑誌論文等をまとめたものではあるが、理論的な部分は未だに十分示唆に富む。医学図書館については、米国国立医学図書館のコレクション構築マニュアルが翻訳されており(28)、学校図書館の分野でも米国の収集方針の紹介がなされている(29)。
また、理論的研究とは若干異なるが、資料選択の担当者としての心構えを説く文献の多さが目を引く(30) (31) (32)。この現象は、資料選択が一種の「道」として認識されていることを示していると言えよう。代表的な文献としては明定(33) (34)のものが挙げられる。明定は、資料選択を予想に基づく「仮説―実験」モデルとしてとらえ、その結果として「偏ったコレクション」になることを恐れるべきでないと強調している。
3.2.2. 実践的アプローチ
公共図書館については、1.3.で触れた山本(4)の整理を念頭に置くと、トピックの盛衰が鮮明にわかる。まず、特定の目的に向けた戦略的な資料選択論は引き続き活況と言ってよい。代表的な論者は豊田(35) (36) (37)で、明定の「仮説―実験」モデルを援用しつつ、ビジネス支援サービスを主たる対象として、「要求を掘り起こす選書」を提唱している。これは従来の資料選択論における「潜在的要求」や「ニーズ」に対応するものと言える。他にも県立と市立の違いに着目したもの(38)や、ヤングアダルト(YA)向け資料(39)、看護資料に着目したもの(40)がある。また児童書の選択は、従来から議論の活発な領域である(41) (42)。
選書ツアーについては、安井(43) (44)、田井(45)の総括的な論考が出た後、特に文献は見当たらない。図書館界で議論が起こった際の反応の過剰さを両者とも指摘しているが、田井は選書ツアー自体にも厳しい批判を加えている。複本に関しても主題的に扱った論考は見当たらず、加藤ら(46)による実態調査が見られる程度である。おおよそ2004年の貸出実態調査(47)をもって、議論は表面的には収まったと言えよう。その他、県立(48)、市立(49)の事例報告やアンケート調査(50)が見られる中で、指定管理者の立場から収集方針策定と資料選択を行った事例として、小川(51)の報告が注目される。
大学図書館については、資料選択者の問題、すなわち教員と図書館員のどちらが資料選択をするのか、という議論が以前から存在している。丹羽(52)や井上(53)は、①予算を研究用と教育用に分離すること、②教育用予算による資料選択は図書館員が行うこと、を明快に主張しており目を引く。浅野(54)も同様の議論をしているほか、事例報告(55)もある。また派生形として、教員がアドバイザーとして教育用資料の資料選択に関与するケース(56)も見られる。新藤(57)は選択権限の問題とも絡めて、収書方針と資料選択方針の策定について報告を行っている。教員側からの論考は少なく、ほぼ唯一のものとして由谷(58) (59)による極めて具体的な報告がある。同じく資料選択者の問題として、学生対象の選書ツアーの事例報告(60) (61) (62)が目立つのは、公共図書館と対照的である。2009年にアンケート調査を行った福岡(63)の報告によれば、100校以上がすでに選書ツアー(学生選書)を行っている。その他では医療系の事例報告(64) (65) (66) (67) (68)の多さが目立つ。資料の特殊性など、分野特有の事情がうかがえる。
学校図書館については、多くの文献が児童生徒向けの観点からの報告(69) (70) (71)になっている。そうした中で、内海(72)が教員支援を目的とした資料選択について紹介しているほか、高橋(73)は教員による選書会議の運営事例を報告しており、大学図書館での議論に接近しているのが興味深い。
3.3. 蔵書評価
総合的な図書館評価の一部として蔵書評価を論じた文献は、紙幅の関係もあり今回対象外とした。その代わりに、蔵書構成の観点から行われた、蔵書に対する各種の数量的調査はここに含めている。公共図書館に関するものでは池内ら(74)の調査が目を引く。これは全国の公共図書館における日本十進分類法(NDC)別の蔵書構成比を調査・分析したもので、規模別の傾向や出版時の構成比との差を明らかにした。全国規模でのこうした調査は前例がなく、さらなる分析と考察が期待される。対象を絞ったものとしては、NDC9類(文学)に着目した評価(75)や、絶版本の所蔵状況調査(76)がある。また、大場(77) (78) (79)は社会的争点となっている分野の資料の所蔵調査などを通して、資料選択における理念と実際に選択された資料の実態との間の「ずれ」を指摘している。
大学図書館では、小泉(80) (81) (82) (83)の研究に注目したい。小泉は方法論の検討を踏まえつつ、「選書者」に着目して、図書館員による資料選択と教員による資料選択の性質の違いを定量的に示した。これは3.2.2.で紹介した議論にも資するものである。小山(84)も方法論を意識した評価を行っているほか、学術雑誌の評価(85)が特有の問題となっており、Journal Citation Reports(JCR)を使用した事例(86) (87)が目立つ。豊田ら(88)は、蔵書の特性を「コア・コンピタンス」として位置付ける視点を表明している。
学校図書館については、上道(89)による、京都府私立学校図書館の蔵書構成と「学校図書館メディア基準」(90)との比較が、ほぼ唯一の文献である。
また、国立国会図書館所蔵の洋図書を対象とした事例(91)があるが、レビューや概説も充実しており、他館種にとっても有益だろう。
3.4. 除籍
図書館における除籍を主題的に扱った文献は少数で、他のプロセス、また文書館等の他領域(92)に比べると、それほど注目されていないと言える。多くは資料選択の議論に付随して取り上げられているが、鈴木(93)は、企業図書館の移転に伴う大規模事例を詳細に報告しており、貴重である。また毛利(94)は主題分野の特性と関連させて語っている。そうした中で、2002年に発覚した船橋市西図書館蔵書廃棄事件は、皮肉な形で「除籍」という作業の帯びる意味に注目を集めさせることとなった。本事件は図書館員が所蔵資料のうち特定著者のタイトルを集中的に廃棄したというもので、最高裁判決が2005年に出た後、総括的な論考がいくつか出ている(95)。蔵書構成の文脈からこの問題を扱ったものとしては、瀬島(96)や安光(97)の論考が注目される。両者とも、最高裁判決の求めた公正な資料の取扱を実現する上で、除籍基準の策定及び公開が必要であると主張している。また同様の問題意識から、蔵書構成と図書館の自由との関連において事件を考えたもの(98) (99)も見られる。
4. 新しい研究動向
3.で取り上げたようなオーソドックスなアプローチとは少し違った形で、蔵書構成を扱う論考も近年散見される。そこで、上記で紹介できなかった文献を取り上げつつ、今後のさらなる展開が期待される領域を、筆者の私見で3つ挙げておく。
4.1. 電子資料への対置としての、「棚」としての蔵書
最近の電子資料の隆盛は、「蔵書構成」という概念(そもそも「蔵書」と呼ぶのが適切かも含めて)にも影響を及ぼしている。大学図書館を中心に、電子資料(特に電子ジャーナル)から蔵書構成を論じた文献(100) (101) (102)はあるものの、これまで見てきた文献の大多数は、明示的にも黙示的にも冊子体の資料を想定している。ほとんどの公共図書館や学校図書館ではそもそも電子書籍を導入していない、というのが主たる理由であろう。
一方その裏返しとして、物理的実体としての蔵書、いわば「棚」の意味が再認識されてきているように見える。テレビの登場によってラジオの特性が再認識されたようなものとも言えよう。こうした問題意識自体は、直観的にさまざまな文献に表出されているが、それを研究の形に昇華させたものはまだ少ない。北岡(103) (104)は建築計画の観点から、書店での配架も参考にして、棚の配置と蔵書構成を結びつけて考察しており興味深い。また書店を対象とするものではあるが、柴野(105)は書棚の機能を社会科学的な観点から理論的に考察している。福嶋(106) (107)も書店員の立場から、こうした問題を図書館に絡めつつ論じている。こうした動向はより広くとらえれば、「場所としての図書館」 (CA1580参照)を強調する流れとも呼応している。
4.2. 資料選択業務の相対化
純粋に理念的に考えれば、すべての資料が資料選択の対象となり、その基準は「計画的組織的な意図」に基づいているはずである。しかし、現実の業務がその通りになされているかという疑問は当然残る。3.3.で述べた調査の一部には、こういった観点も含まれていよう。大場(108)は上述の研究以外にも、市町村立図書館における新聞・雑誌の所蔵状況を調査し、一般的にはそれほど重視されていないと思われる「創刊年の古さ」が所蔵状況と強い相関を持つことを指摘した。このように必ずしも意図されない要因の指摘がある一方で、そもそも図書館が選択を行う場面において、どれだけの範囲の資料を対象にできているのか、に注目する研究も出てきている。木下ら(109)は、公共図書館における資料選択以前の段階での、図書館流通センター(TRC)による事前的な選定の実態を分析している。また片山(110)は学校図書館と児童書出版社の関係に注目し、図書館に対する出版社の販売戦略を考察している。電子資料におけるパッケージ化の問題(個々のタイトルを選べない、または選ばなくてよい)も、この論点に関係してくるだろう。
4.3. 蔵書構成の考古学
蔵書評価の主目的は、端的には、蔵書構成プロセス、引いては図書館サービスの改善に資することである。その問題意識を部分的には共有しつつも、河村(111) (112) (113)は、東京帝国大学内の図書室の蔵書構成を分析対象として、外部環境が蔵書構成にどのような影響を与えたか、さらには図書館の位置付けがどう変化したかについて考察している。ある時点での蔵書という「過去の痕跡」から、その当時の実態を浮かび上がらせようという試みであり、いわば蔵書構成の考古学とも呼べるものだろう。和田(114) (115)による在米日本語資料の蔵書を対象にした「リテラシー史」研究や、高倉(116)による近世個人文庫の蔵書構成の研究も、この領域に関連付けられる。蔵書構成において「意図」に収まりきらない部分を考察対象に含めるという点で、こうした研究と、4.2.で取り上げた研究は親和性を持っている。
5. おわりに
冒頭に述べたように、蔵書構成は「計画的組織的な意図」に基づくプロセスだが、予算、場所、権限といったさまざまな制約が存在する。極めて粗い見立てをすれば、3.で取り上げた文献は、そうした制約の中で意図をいかに反映させるかという目的意識を主としている。一方、4.(特に4.2.)で取り上げた文献は、そうした目的意識のもとでもなお、その外部に制約が存在してしまう点に注意を促すものと言えよう。では、両者は相容れないかと言うと、決してそうではない。4.に共通しているのは、それでもなお帯びる制約を少なくとも意識化し、時にはそこに意味さえ見出そうとする視点である。例えば「棚」を重視する議論は、物理的制約とも言える冊子体のボリュームがむしろ利用者に働きかける局面を切り出している。制約を無化できなくとも、それを意識化し、場合によっては積極的に意味付けることもできるのだ。こうした視点は、理論的研究や歴史的研究と、実務的関心とを架橋するものともなろう。
まとまりのないレビューになってしまったのは、筆者の力不足によるところである。関心のある向きは、ぜひ各紹介文献に当たられたい。
収集書誌部収集・書誌調整課:安井一徳(やすい かずのり)
(1) “蔵書構成”. 図書館情報学用語辞典. 日本図書館情報学会用語辞典編集委員会編. 第3版, 丸善, 2007, p. 138.
(2) 以下、基本的に「資料選択」という語を用いているが、引用元に合わせ「選書」とした箇所もある。本稿では同じ意味で用いている。
(3) 実際にはさらに細かい把握もできる。代表的なサイクルとしては、蔵書構成方針→選択・収集→利用→評価→不要資料選択→資料保存→蔵書構成方針→…というものがある。しかしこれらの要素をすべて扱うことは筆者の力量を超えるため、本文のとおりとした。
根本彰. “収集と蔵書構成”. 図書館情報学ハンドブック. 第2版, 丸善, 1999, p. 747-753.
(4) 山本昭和. 特集, 図書館・図書館学の発展 : 21世紀初頭の図書館: 図書館資料の収集と選択 : 公立図書館蔵書構成論の理論的発展. 図書館界. 2010, 61(5), p. 512-518.
(5) 安井一徳. “「無料貸本屋」論”. 公共図書館の論点整理. 田村俊作ほか編. 勁草書房, 2008, p. 1-34, (図書館の現場, 7).
(6) 岸田和明. “蔵書評価とその方法”. 蔵書評価に関する調査研究. 国立国会図書館関西館事業部図書館協力課編. 2006, p. 5-15, (図書館調査研究リポート, 7).
http://current.ndl.go.jp/node/2258, (参照 2010-10-12).
(7) 例としては以下の文献がある。
大場博幸. 平成19年度(第93回)全国図書館大会ハイライト : 第11分科会 出版流通研究委員会 出版界から図書館へのメッセージと蔵書構成. 図書館雑誌. 2008, 102(1), p. 25.
特集, 図書館問題研究会 第56回全国大会の記録: 第6分科会 今、改めて「選書」を考える. みんなの図書館. 2009, (391), p. 34-36.
(8) 浅井昭治. 学校図書館のための図書の選択と収集. 全国学校図書館協議会, 2005, 47p., (学校図書館入門シリーズ, 13).
(9) 2005年以降出版された主なテキストとしては以下のものがある。
伊藤民雄. 図書館資料論・専門資料論. 学文社, 2006, 193p., (図書館情報学シリーズ, 5).
中村恵信ほか編著. 資料・メディア総論. 第2版, 学芸図書, 2007, 226p.
小黒浩司編著. 図書館資料論. 新訂, 東京書籍, 2008, 231p., (新現代図書館学講座, 8).
馬場俊明編著. 図書館資料論. 日本図書館協会, 2008, 262p., (JLA図書館情報学テキストシリーズ, 2-7).
改訂版が多い中で、伊藤のテキストは最近の動向も踏まえたかなり意欲的なものとなっている。
(10) 河井弘志編. 蔵書構成と図書選択. 新版, 日本図書館協会, 1992, 283p., (図書館員選書, 4).
(11) 三浦逸雄ほか. コレクションの形成と管理. 雄山閣出版, 1993, 271p., (講座図書館の理論と実際, 2).
(12) 三谷三恵子. 看護医療学図書室における蔵書構築. 看護と情報 : 看護図書館協議会会誌. 2008, 15, p. 45-49.
(13) 山田稔. 予算・書店・選書・除籍 : 愛知淑徳大学図書館の事例. 館灯. 2009, (47), p. 76-81.
(14) 山室眞知子. 特集, 蔵書構築: 病院図書室における蔵書管理. 病院図書館. 2005, 25(1-2), p. 8-10.
(15) 高野彰. 帝国大学図書館における蔵書構築の研究. ゆまに書房, 2005, 54p.
(16) 根本彰. 特集, これからの図書館: 図書館の役割と選書. 地方自治職員研修. 2009, 42(3), p. 37-39.
(17) 安井一徳. 特集, 選書が変われば、図書館が変わる: 図書選択をめぐる議論の再検討. みんなの図書館. 2006, (350), p. 10-16.
(18) 安井一徳. 図書館は本をどう選ぶか. 勁草書房, 2006, 164p., (図書館の現場, 5).
(19) 新出. 特集, 選書が変われば、図書館が変わる: 選書をひらく、図書館をひらく. みんなの図書館. 2006, (350), p. 17-26.
(20) 加藤ひろの. 市民に役立つ選書のために必要なのは何か. 談論風発. 2006, (2), p. 4-13.
(21) 小山美佳. “日本の大学図書館におけるコレクション形成方針の特徴”. 三田図書館・情報学会研究大会発表論文集. 東京, 2009-09-26, 三田図書館・情報学会研究大会, 2009, p. 69-72.
(22) 東海林典子. 特集, 図書資料の組織化を考える: 学校図書館メディアの選択と収集. 学校図書館. 2006, (666), p. 15-18.
(23) 渡辺重夫. 特集, 図書資料の選択: 学校図書館における「選書」 : 図書資料の選択を中心に. 学校図書館. 2008, (698), p. 15-18.
(24) 新藤透. 明治期刊行の図書館学専門書にみられる選書論について. 図書館綜合研究. 2009, (8), p. 1-20.
(25) 新藤透. 大正期刊行の図書館学専門書にみられる選書論について. 米沢国語国文. 2009, (38), p. 75-99.
(26) 新藤透. 昭和初期刊行の図書館学専門書にみられる選書論について. 山形県立米沢女子短期大学紀要. 2009, (45), p. 27-48.
(27) 河井弘志. 図書選択論の視界. 日本図書館協会, 2009, 371p.
(28) 日本医学図書館協会出版委員会編. NLMコレクション構築マニュアル. 日本医学図書館協会, 2009, 115p.
また、以下の文献はその要約である。
鷹野祐子ほか. Current Practice in Health Sciences Librarianship(第9回)V4. Collection Development and Assessment in Health Sciences Libraries 変化に挑め! : コレクション構築と評価. 医学図書館. 2010, 57(2), p. 132-135.
(29) 川戸理恵子. アメリカにおける学校図書館の収集方針. 図書館学. 2007, (90), p. 47-53.
(30) 明石浩. 特集, この人に聞きたい―選書論: 小さな図書館の大きな図書館サービス : 小さな図書館が図書館であるための選書哲学. みんなの図書館. 2009, (388), p. 19-30.
(31) 鴨下万亀子. 特集, 図書資料の組織化を考える: 選書の基本は本を読むことから. 学校図書館. 2006, (666), p. 21-23.
(32) 石沢修. としょかん物見台(no.3) 図書館員の育成と選書の力を磨く. としょかん村. 2009, (3), p. 22-25.
(33) 明定義人. 特集, 選書の現場から: 生活圏の図書館における積極的な選書. 図書館雑誌. 2007, 101(6), p. 370-371.
(34) 明定義人. 特集, この人に聞きたい―選書論: 現場の選書論. みんなの図書館. 2009, (388), p. 31-38.
(35) 豊田高広. 特集, 選書が変われば、図書館が変わる: 戦略的な選書のすすめ : ビジネス支援サービスの実践から. みんなの図書館. 2006, (350), p. 27-34.
(36) 豊田高広. 特集, この人に聞きたい―選書論: 「役に立つ図書館」に求められる選書とは. みんなの図書館. 2009, (388), p. 10-18.
(37) 豊田高広. 選書から考えるこれからの図書館. 富山県図書館研究集録. 2009, (40), p. 65-82.
(38) 山重壮一. 特集, この人に聞きたい―選書論: 目的志向の選書論 : アクセントのある選書を. みんなの図書館. 2009, (388), p. 2-9.
(39) 木村晋治. 特集, 選書が変われば、図書館が変わる: ヤングアダルトコーナーの収集と配架をめぐって. みんなの図書館. 2006, (350), p. 35-46.
(40) 東野善男. 市立図書館における看護資料購入の可能性. 看護と情報 : 看護図書館協議会会誌. 2010, 17, p. 76-79.
(41) 鵜飼利江. 特集, 本をえらぶ: 公共図書館での児童書の選書. 子どもと読書. 2006, (360), p. 12-14.
(42) 白須康子. 0~3歳児を対象とした絵本の選書 : 心理学的発達対応と形態学的発達対応. 人文研究 : 神奈川大学人文学会誌. 2006, (159), p. 59-86.
(43) 安井一徳. “「選書ツアー」はなぜ批判されたのか : 論争の分析を通して”. 日本図書館情報学会,三田図書館・情報学会合同研究大会発表要綱. 東京, 2005-10-22/23, 日本図書館情報学会, 2005, p. 27-30.
(44) 安井一徳. “選書ツアー論争”. 図書館は本をどう選ぶか. 勁草書房, 2006, p. 53-86, (図書館の現場, 5).
(45) 田井郁久雄. 「選書ツアー」の実態と「選書ツアー論議」. 図書館界. 2008, 59(5), p. 286-300.
(46) 加藤ひろの. 特集, 第50回研究大会: 中小公共図書館における蔵書構成と利用の実態について. 図書館界. 2009, 61(2), p. 130-145.
(47) 日本図書館協会ほか. 公立図書館貸出実態調査2003報告書. 2004, 64p.
http://www.jla.or.jp/kasidasi.pdf, (参照 2010-10-12).
(48) 真嶋朋枝. 特集, 選書の現場から: 鳥取県立図書館の選書 : 「知の地域づくり」を支える蔵書の構築を目指して. 図書館雑誌. 2007, 101(6), p. 368-369.
(49) 高松昌司. 特集, 選書の現場から: 大規模市立図書館における選書の実際 : 町田市立図書館の場合. 図書館雑誌. 2007, 101(6), p. 365-367.
(50) 鈴木佳子. 特集, 選書が変われば、図書館が変わる: アンケートから見た公共図書館の選書の現場. みんなの図書館. 2006, (350), p. 47-63.
(51) 小川俊彦. 図書館を計画する. 勁草書房, 2010, p. 179-188, (図書館の現場, 9).
(52) 丹羽展子ほか. 特集, 選書の現場から: 学習支援のための選書を目指して : 同志社大学図書館の試み. 図書館雑誌. 2007, 101(6), p. 362-364.
(53) 井上真琴. 講演 選書が拓く! 学習支援と人材育成 : 選び、結びつける技と視点. 北海道地区大学図書館職員研究集会記録. 2008, 51, p. 9-14.
(54) 浅野智美. “ICU図書館の選書基準”. 図書館の再出発 : ICU図書館の15年. 大学教育出版, 2007, p. 108-115.
(55) 上野友稔. 特集, 選書: 疑いをさしはさみうるものについて : 大学図書館における選書. 大学図書館研究. 2010, (88), p. 12-18.
(56) 澄川千賀子. 蔵書整備アドバイザー制度. 館灯. 2008, (47), p. 86-88.
(57) 新藤豊久. 特集, わが図書館のコアコンピタンス: 女子美術大学図書館における収書方針と選書方針. 大学図書館研究. 2007, (80), p. 20-32.
(58) 由谷裕哉. 図書館蔵書の構築: 小松短期大学図書館における社会学関連文献の選書を例として. 小松短期大学論集. 2006, (19), p. 43-64.
(59) 由谷裕哉. 小松短期大学図書館における言語学関連の蔵書構築. 小松短期大学論集. 2009, (21), p. 1-18.
(60) 向井岳司. 図書館友の会の記録 : 広島経済大学図書館の事例. 大学図書館研究. 2008, (83), p. 25-30.
(61) 今井和佳子. 学生による選書報告. 館灯. 2009, (47), p. 82-85.
(62) 長谷川真奈美. “事例報告「学生選書会議の設置と学生選書ツアー」”. 公立大学協会図書館協議会.
http://wwwsoc.nii.ac.jp/pula/32kenshu/hasegawa.pdf, (参照 2010-10-12).
その他インターネット上での事例報告も多数存在する。
(63) 福岡南海子. 特集, 選書: 学生選書を通じてより良い図書館を作るために : 大阪産業大学綜合図書館「学生選書モニター」の事例報告と実施大学への調査結果. 大学図書館研究. 2010, (88), p. 1-11.
(64) 押田いく子. 特集, 蔵書構築: 大学医学図書館における選書の一例. 病院図書館. 2005, 25(1-2), p. 3-7.
(65) 佐藤道子. 特集, 総会・事例報告会(第113回研修会): 臨床研修指定病院図書館(室)の蔵書構築 : 蔵書構築研究班1年目の報告. 病院図書館. 2007, 27(2), p. 53-56.
(66) 佐藤淑子. 特集, 選書の現場から: 情報ニーズをみたす専門図書館の選書—東京女子医科大学病院「からだ情報館」. 図書館雑誌. 2007, 101(6), p. 374-375.
(67) 吉原貴子. 特集, 図書館の現場から : 図書館の抱える問題を克服するために: 新潟県立看護大学図書館における選書. 看護と情報 : 看護図書館協議会会誌. 2008, (15), p. 24-27.
(68) 中尾明子ほか. 第36回研究会グループワークB:蔵書構成・予算. 看護と情報 : 看護図書館協議会会誌. 2008, (15), p. 110-111.
(69) 石井啓子. 特集, 本をえらぶ: 東京大田区の学校図書予算と選書について : 高額予算が付きました. 子どもと読書. 2006, (360), p. 9-11.
(70) 細谷もと美. 特集, 図書資料の組織化を考える: 魅力的な図書を選ぶために. 学校図書館. 2006, (666), p. 24-28.
(71) 鈴木知基. 特集, 選書の現場から: 小学校図書館における共同選書の試み. 図書館雑誌. 2007, 101(6), p. 372-373.
(72) 内海淳. 特集, 教職員への情報サービス: 教職員への情報サービスに向けた学校図書館の選書. 学校図書館. 2008, (690), p. 46-48.
(73) 高橋知尚. 特集, 図書資料の組織化を考える: 「選書会議」でバランスの良い選書を. 学校図書館. 2006, (666), p. 29-33.
(74) 池内淳ほか. “公立図書館の蔵書構成比と貸出規則に関する実態調査”. 三田図書館・情報学会研究大会発表論文集. 東京, 2009-09-26, 三田図書館・情報学会研究大会, 2009, p. 29-32.
(75) 神奈川県図書館協会蔵書評価特別委員会編. 公共図書館とコンスペクタスの可能性: 蔵書評価特別委員会報告書. 神奈川県図書館協会, 2005, 20p.
(76) 原田隆史ほか. “公共図書館における絶版本の所蔵”. 第56回日本図書館情報学会研究大会発表要綱. 奈良, 2008-11-15/16, 日本図書館情報学会, 2008, p. 69-72.
(77) 大場博幸. “所蔵に影響する要素 : 市町村立図書館における新書の選択”. 日本図書館情報学会,三田図書館・情報学会合同研究大会発表要綱. 東京, 2005-10-22/23, 日本図書館情報学会, 2005, p. 23-26.
(78) 大場博幸. “所蔵における公平 : 「郵政民営化」を主題とする本の所蔵”. 第54回日本図書館情報学会研究大会発表要綱. 北九州, 2006-10-21/22, 日本図書館情報学会, 2006, p. 39-42.
(79) 大場博幸. “所蔵における公平 : 公立図書館における「靖国神社」を主題とする本の所蔵”. 三田図書館・情報学会研究大会発表論文集. 東京, 2006-11-11, 三田図書館・情報学会研究大会, 2006, p. 65-68.
(80) 小泉公乃. “多角的な観点を導入した蔵書評価による大学図書館員と教員の選書の比較”. 三田図書館・情報学会研究大会発表論文集. 東京, 2007-11-10, 三田図書館・情報学会研究大会, 2007, p. 1-4.
(81) 小泉公乃. “蔵書評価に用いるチェックリストの比較”. 2008年日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱. 東京, 2008-03-29, 日本図書館情報学会, 2008, p. 123-126.
(82) 小泉公乃. 蔵書評価法からみた図書館員と教員の選書 : 慶應義塾大学三田メディアセンターの事例分析. Library and Information Science. 2010, (63), p. 41-59.
(83) 小泉の協力のもとに行われた調査としては、以下のものがある。
山中みどりほか. 理工学メディアセンターの蔵書評価. Medianet. 2009, (16), p. 56-59.
http://www.lib.keio.ac.jp/publication/medianet/article/pdf/01600560.pdf, (参照 2010-10-12).
(84) 小山美佳. “大学図書館におけるコレクション評価の試み”. 三田図書館・情報学会研究大会発表論文集. 東京, 2008-09-27, 三田図書館・情報学会研究大会, 2008, p. 65-68.
(85) 若杉亜矢. 特集, 蔵書構築: 所蔵雑誌の評価. 病院図書館. 2005, 25(1-2), p. 11-13.
(86) 広瀬容子ほか. 特集, 図書館・情報活動と<評価>: 引用データを用いたジャーナルコレクション評価の手法. 情報の科学と技術. 2007, 57(8), p. 396-403.
(87) 渡邊愛子. 2ステップマップによる農学系購入雑誌の評価. 大学図書館研究. 2006, (78), p. 76-84.
(88) 豊田裕昭ほか. 特集, わが図書館のコアコンピタンス: 一橋大学附属図書館の蔵書管理とその利用 : 大学図書館ランキングにみるコア・コンピタンス. 大学図書館研究. 2007, (80), p. 1-10.
一橋大学附属図書館の蔵書については以下も参照。
飯島朋子. 特集, コレクションの構築と運営: 社会科学の総合大学〈一橋大学〉の蔵書コレクション構築の概要. 情報の科学と技術. 2007, 57(12), p. 581-584.
(89) 上道葉麻美. データからみる学校図書館の現状 : 京都府私立学校図書館の蔵書構成を中心に.佛教大学教育学部学会紀要. 2005, (4), p. 113-122.
(90) “学校図書館メディア基準”. 全国学校図書館協議会.
http://www.j-sla.or.jp/material/kijun/post-37.html, (参照 2010-10-12).
(91) 国立国会図書館関西館事業部図書館協力課編. 蔵書評価に関する調査研究. 2006, 144p. , (図書館調査研究リポート, 7).
http://current.ndl.go.jp/report/no7, (参照 2010-10-12).
(92) 例えば、以下の文献がある。
中島康比古. 特集, 資料・データを捨てる: 総論 : 情報を捨てる。情報を残す。 : アーカイブズの評価選別論の視点から. 情報の科学と技術. 2006, 56(12), p. 554-558.
(93) 鈴木克彦. 特集, 資料・データを捨てる: 企業図書館における図書廃棄基準とその事例.情報の科学と技術. 2006, 56(12), p. 569-573.
(94) 毛利和弘. 分野別資料の特性と除籍・保存・管理・提供の戦略. 短期大学図書館研究. 2009, (29), p. 55-61.
(95) 例えば判例紹介としては以下の文献がある。
竹田稔. 判例紹介/「公立図書館職員による蔵書除籍・廃棄事件」最高裁判決(平成17.7.14). コピライト. 2005, 45(536), p. 32-35.
また、以下の文献は関連文献や新聞記事をまとめている。特集, 船橋西図書館の蔵書廃棄事件を考える. ず・ぼん. 2005, (11), p. 90-127.
(96) 瀬島健二郎. 船橋市西図書館蔵書除籍事件の最高裁判決の意義と課題. 文化女子大学紀要. 人文・社会科学研究. 2008, (16), p. 153-162.
(97) 安光裕子. 公立図書館における所蔵資料の除籍・廃棄に関する一考察 : 廃棄をめぐる判例を契機として. 図書館学. 2009, (94), p. 12-24.
(98) 山家篤夫. 特集, 学校図書館問題研究会第4回研究集会 「図書館の自由」の視点から、選書を考えよう! : 講演 なぜ、「図書館の自由」か. 学校図書館問題研究会研究集会. 2006, (4), p. 1-22.
(99) 馬場俊明. 船橋市西図書館蔵書廃棄事件と図書館裁判を総括する 思想の寛容がなければ図書館の自由は守れない. ず・ぼん. 2006, (12), p. 128-163.
(100) 宮入暁子. 特集, メディアセンターにおけるリスクマネジメント: 有効な洋雑誌コレクション構築の危機. Medianet. 2005, (12), p. 32-33.
http://www.lib.keio.ac.jp/publication/medianet/article/pdf/01200320.pdf, (参照 2010-10-12).
(101) 今野穂. 平成20年度日本薬学図書館協議会中堅職員研修会 : 電子ジャーナルによる国外学術雑誌整備 : 札幌医科大学の事例から. 薬学図書館. 2008, 53(4), p. 316-322.
(102) 松本淳ほか. 学術情報をめぐる変化に対応した効果的な図書予算の執行方法の策定. 大学行政研究. 2008, (3), p. 105-118.
(103) 北岡敏郎. ポピュラーライブラリーエリア創出の可能性 : 地域公共図書館における開架フロアのゾーニング手法に関する研究(1). 日本建築学会計画系論文集. 2009, 73(626), p. 751-756.
(104) 北岡敏郎. ポピュラーライブラリーエリアの形成と資料構成案 : 地域公共図書館における開架フロアのゾーニング手法に関する研究(2). 日本建築学会計画系論文集. 2009, 74(638), p. 751-760.
(105) 柴野京子. 書棚と平台 : 出版流通というメディア. 弘文堂, 2009, 236p.
(106) 福嶋聡. 希望の書店論. 人文書院, 2007, 217p.
(107) 福嶋聡. 特集, 分類をみつめなおす: 「分類」と「進化」. 情報の科学と技術. 2008, 58(2), p. 71-77.
(108) 大場博幸. 暗黙の選択基準 : 市町村立図書館における新聞・雑誌所蔵. Library and Information Science. 2004, (52), p. 44-86.
http://wwwsoc.nii.ac.jp/mslis/pdf/LIS52043.pdf, (参照 2010-10-12).
(109) 木下朋美ほか. “公共図書館の選書における事前選定の実態分析―図書館流通センターとの関係を通して―”. 2010-07-03.
http://www.tulips.tsukuba.ac.jp/dspace/handle/2241/105652, (参照 2010-10-12).
(110) 片山ふみ. 研究・実践情報 国内 児童書出版社にとっての学校図書館. 学校図書館学研究. 2007, (9), p. 33-42.
(111) 河村俊太郎. “蔵書構成の分析による東京帝国大学心理学研究室図書室の歴史的研究”. 2007年日本図書館情報学会春季研究集会発表要綱. 大阪, 2007-03-31, 日本図書館情報学会, 2007, p. 7-10.
(112) 河村俊太郎. 蔵書構成の分析から見た東京帝国大学文学部心理学研究室図書室の研究補助機能. 日本図書館情報学会誌. 2008, 54(4), p. 223-240.
(113) 河村俊太郎. “蔵書構成からみる東京帝国大学経済学部図書室の運営に関する歴史的研究”. 第57回日本図書館情報学会研究大会発表要綱. 東京, 2009-10-31/11-01, 日本図書館情報学会, 2009, p. 89-92.
(114) 和田敦彦. 書物の日米関係 : リテラシー史に向けて. 新曜社, 2007, 406p.
(115) 和田敦彦. “日米関係史の中の図書館”. 図書館・アーカイブズとは何か. 藤原書店, 2008, p. 204-209, (別冊『環』, 15).
(116) 高倉一紀. 射和文庫の蔵書構築と納本 : 近世蒐書文化論の試み(1). 図書館文化史研究. 2007, (24), p. 37-74.
安井一徳. 蔵書構成. カレントアウェアネス. 2010, (306), CA1734, p. 16-22.
http://current.ndl.go.jp/ca1734