E563 – ARL,図書館評価に関する会議を開催

カレントアウェアネス-E

No.94 2006.11.9

 

 E563

ARL,図書館評価に関する会議を開催

 

 米国研究図書館協会(ARL)は2006年9月,ワシントン大学,ヴァージニア大学と協同で,図書館評価に関する会議“Library Assessment Conference:Building Effective, Sustainable, Practical Assessment”を開催した。

 同会議では,図書館サービスの改善に役立つ評価実践に焦点が当てられ,招待講演者による基調講演・パネルディスカッションのほか,さまざまな評価対象・評価手法・評価事例に関する分科会形式のセッションやポスターセッション,データ分析や評価手法を初心者向けに紹介するワークショップなどが行われた。全般的に,評価手法としては質的評価,評価対象としては図書館運営,経営戦略,図書館の組織・文化に関するものが多く取り上げられており,これらが米国の図書館評価において注目を集めているようである。具体的には,LibQUAL+TM(CA1526参照)をはじめとするサービス品質評価ツールや手法,評価手法の選択・開発方法,評価を活用した図書館運営,バランスト・スコアカード(Balanced Scorecard)を用いた経営戦略の立案と実行の評価,学習環境としての図書館空間の評価,利用者の情報リテラシーの評価,電子図書館に関する評価,図書館の組織風土に関する評価,図書館の影響・効果の分析などを扱った発表が行われた。

 これらの発表の概要を含むプログラムおよび発表資料の多くはARLのウェブサイトで公開されている。実際の図書館評価の事例も含まれており,図書館評価の研究用資料としてはもちろんのこと,図書館評価計画を立案する際の参考用資料としても活用できよう。

Ref:
http://www.arl.org/stats/laconf/FullProgramFINAL.pdf
http://www.arl.org/stats/laconf/schedule.html
CA1526