カレントアウェアネス-E
No.77 2006.02.15
E449
RSSで提供される雑誌目次をOPACに取り込む試み(英国)
出版社がウェブサイトを構えるのが当たり前となり,オンラインジャーナルも増えてきた昨今,雑誌の新刊目次をRSS(CA1565参照)で提供するサービスも普及してきた。英国では,この目次RSSデータをOPACに取り込むためのソフトウェアを開発するプロジェクト”TOCRoSS”(Table of Contents by Really Simply Syndication)が進行中である。
TOCRoSSは出版社のEmerald社,図書館システムベンダーのTalis社,ダービー大学および情報システム合同委員会(JISC)の共同プロジェクトである。(1)目次データの配信,(2)目次データの更新チェック,(3)目次データのOPACへの取り込み・更新の各機能ごとにソフトウェアをオープンソースとして開発し,出版,システム,図書館の各業界に広く普及させることが目的とされている。使用されるデータ形式はRSS 2.0を拡張したもので,書籍等の電子商取引で用いられているメタデータのONIX(ONline Information eXchange)や,書籍・カタログ等の出版コンテンツの管理・処理用メタデータであるPRISM(Publishing Requirements for Industry Standard Metadata)といった既存の規格も扱えるようになっている。
TOCRoSSの利用により,目録が正確になる,図書館員の目録作業時間が短縮できる,より有益な情報を利用者に提供できる,出版社の宣伝・図書館の情報入手が効率化されるといったメリットが期待されている。その検証のための実験が,2006年7月までダービー大学で行われる予定である。
Ref:
http://www.jisc.ac.uk/index.cfm?name=tocross_pals
http://www.jisc.ac.uk/index.cfm?name=project_tocross&src=alpha
http://www.editeur.org/onix.html
http://www.prismstandard.org/
CA1565