総合目録の現状と今後の方向性
―第12回総合目録ネットワーク参加館フォーラム講演―
北 克一(大阪市立大学大学院創造都市研究科教授)
<講演資料> (講演記録はこちら)
(付録)「総合目録の現状と今後の方向性」用語解説
用語 | 解説 |
Bates Report | タイトルの和訳は『図書館目録とポータル情報に対するユーザーアクセスの向上』。図書館目録等のメタデータレコードを強化することを目的としてまとめられたもの。
《参考》図書館目録へのアクセスの改善に向けた提言(米国).カレントアウェアネス-E.No.21,2003. http://www.ndl.go.jp/jp/library/cae/2003/E-21.html#E115(リンク先修正:2008年8月13日) 橋詰秋子.米国にみる「新しい図書館目録」とその可能性‐ベイツレポートを中心に.現代の図書館.41(4),2003,p222-230. |
Bath profile | ISOによるZ39.50プロトコル用のIRP(Internationally Registered Profile:国際的に登録されたプロファイル)。
《参考》The Bath Profile http://www.collectionscanada.ca/bath/ap-bath-e.htm |
CJK | 中国語(Chinese)、日本語(Japanese)、朝鮮語(Korea)の頭文字。 |
FRBR | Functional Requirement for Bibliographic Descriptionの略。和訳は「書誌的記録の機能要件」。「実体関連分析(Entity-Relationship Analysis)」の手法を用い、利用者の観点から、「書誌的記録が果たす諸機能を、明確に定義された用語によって記述」し、目録の機能要件のモデル化を図ったもの。
《参考》和中幹雄.AACR2改訂とFRBRをめぐって-目録法の最新動向-.カレントアウェアネス.No.274,2002. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no274/doc0006.htm(リンク先修正:2008年8月13日) 和中幹雄.FRBRとはなにか?その意義と課題.現代の図書館.42(2),2004,p115-123. |
GoogleのPageRank | ページAからページBへのリンクをページAによるページBへの支持投票とみなし、この投票数によりそのページの重要性を判断する。ただし単に票数、つまりリンク数を見るだけではなく、票を投じたページについても分析する。「重要度」の高いページによって投じられた票はより高く評価され、それを受け取ったページを「重要なもの」にする。
《参考》Google の人気の秘密 http://www.google.co.jp/why_use.html |
H-Net Review | 人文社会科学分野のオンライン学術書評システム。
《参考》目録レコードに書評へのリンクを付与,LC/BEATの試み.カレントアウェアネス-E.No.23,2003. http://www.ndl.go.jp/jp/library/cae/2003/E-23.html#E126(リンク先修正:2008年8月13日) |
IPv6 | Internet Protocol version 6の略。現在広く使用されているインターネットプロトコル(IPv4)の次期規格であり、IPv4に比べて、アドレス数の大幅な増加、セキュリティの強化及び各種設定の簡素化等が実現できる。
(情報通信白書 平成16年版 用語解説 http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h16/data/datindex.html) |
MODS | Metadata Object Description Schemaの略。MARC21をXMLで展開したもの。
《参考》北克一.電子資料と目録規則,メタデータ,リンキング・テクノロジー.カレントアウェアネス.No.277,2003. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no277/doc0007.htm(リンク先修正:2008年8月13日) |
ONIX | ONline Information eXchangeの略。書籍用メタデータ形式の国際規格。
《参考》ONIX FAQs http://www.editeur.org/ONIX%20International%20FAQ.html |
OAI-PMHプロトコル | OAI-PMHは「Open Archives Initiative Protocol for Metadata Harvesting」の略。OAI(Open Archives Initiative)が策定したメタデータ収集(メタデータ・ハーベスティング)のための規約。
《参考》尾城孝一.OAI-PMHをめぐる動向.カレントアウェアネス.No.278,2003. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no278/doc0007.htm(リンク先修正:2008年8月13日) |
OpenURL | メタデータを送信/伝送する標準形式。
《参考》増田豊.OpenURLとS・F・X.カレントアウェアネス.No.274,2002. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no274/doc0008.htm(リンク先修正:2008年8月13日) |
Red Light Green | 米国の研究図書館グループ(Research Libraries Group:RLG)のプロジェクト。RLG参加館の総合目録をウェブ上で提供する方法を再検討し、図書館目録に新たな価値を生み出そうとする試み。
《参考》松井一子.RLGの新総合目録RedLightGreenにみる図書館目録の可能性.カレントアウェアネス.No.277,2003. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no277/doc0004.htm(リンク先修正:2008年8月13日) |
Teomaのトピックス限定式人気度 | リンク解析の際に同じトピックのウェブページ集合を対象とし、そのなかでスコア計算対象ページが多数のリンクを受けているとスコアを高くする。
《参考》福島俊一.検索エンジンの仕組みと技術の発展.情報の科学と技術.54(2),2004,p.66-71. |
WiseNutの文脈依存型リンク解析 | WiseRankと名付けられたリンク解析ベースのスコア計算方法を用いている。リンク元ページが検索キーワードと関連が深い場合、そのリンクの重みを大きくしてスコア計算をおこなう。
《参考》福島俊一.検索エンジンの仕組みと技術の発展.情報の科学と技術.54(2),2004,p.66-71. |
Z39.50 | 情報検索の際、探索要求の発信元(クライアント)と受信側(サーバ)とのやり取りを定めた規格。情報検索(Z39.50)応用サービス定義及びプロトコル仕様 JIS X 0806:1999がある。
《参考》高品盛也.Z39.50のJIS化.カレントアウェアネス.No.239,1999. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no239/doc0006.htm(リンク先修正:2008年8月13日) |
ZING SRW/SRU | ZINGは「Z39.50 International Next Generation」の略。ZIG (Z39.50 Implementers Group)から提案されたZNG (Z39.50 Next Generation)にヨーロッパ圏の複数のプロジェクトを加え、2001年からZ39.50のMA(Maintenance Agency)のプログラムとして活動している。SRW は「Search/Retrieve Web Service」の略。SRUは「Search/Retrieve URL Service」の略。ZING SRW/SRUは、Z39.50プロトコルの利点を残し問題点を押えながら、Webとの親和性を向上させている。検索対象はtext形式のXMLレコードのみに限定している。
《参考》北克一.OPACの相互運用性とその機能モデル.図書館目録とメタデータ : 情報の組織化における新たな可能性.勉誠出版,2004,p.46. |
クラスター | cluster:(同種類の物・人々の密集している)群れ、集団。(ブドウなど密集している)房。
(新英和大辞典 第6版.研究社,2002.) |
ゲートウェイ | ネットワーク間を接続する装置、またはその機能のこと。例えば一つのLANで構成された図書館システムと他のLANで構成された図書館システムをゲートウェイで接続することにより、より大きなネットワーク(WAN)を構成することができる。装置そのものは、ネットワーク間のデータ翻訳を行う一種のコンピュータである。
(図書館用語辞典編集委員会.最新図書館用語大辞典.柏書房,2004.) |
書誌ファミリー | ある一つの共通の祖から派生した著作(例えば「源氏物語」に対して原書と注釈書・翻案書など)や当該著作を具体化させた表現形(Expression)・実現形(Manifestation)を包含したもの。
《参考》日本図書館研究会 整理技術研究グループ.2004年の研究活動記録. http://www.tezuka-gu.ac.jp/public/seiken/sub4/seiken04.html#2004 |
相互運用性 | 異なるシステム間の相互運用可能性のこと。仕様の異なるコンピュータ間でネットワークなどを通じて、ほかが管理するデータベースに相互にアクセスしたり、プログラムを起動してサービスを受けたり、相互の通信によりシステム・リソースをユーザーが使用可能であったりする機能をいう。
(日経BP社出版局編.日経BPデジタル大事典.2001-2002年版,2001.) |
統合索引モデル | データベースは分散した状態で、索引を統合して保持しているモデル。
《参考》北克一.OPACの相互運用性とその機能モデル.図書館目録とメタデータ : 情報の組織化における新たな可能性.勉誠出版,2004,p.47. |
フロントエンド | プログラムにデータを渡すための入り口になるプログラムのこと。(ユーザが利用するWebブラウザなど)
《参考》アスキーデジタル用語辞典 http://yougo.ascii24.com/ |
ポータル | 「入り口」の意。ポータルサイト:サーチエンジン、ニュース速報、オンラインショッピング、掲示板等インターネット上の様々な情報が集約されたサイトのこと。インターネット利用者がウェブに接続した際に訪れる「入口(ポータル)」となるためにこう呼ばれる。
(情報通信白書 平成16年版 用語解説 http://www.johotsusintokei.soumu.go.jp/whitepaper/ja/h16/data/datindex.html ) |
ボトルネック | 瓶の首の部分のこと。コンピュータシステムでは一般的にシステム全体の中でもっとも遅い部分のことをいう。
《参考》アスキーデジタル用語辞典 http://yougo.ascii24.com/ |
ユニバーサル・デザイン | すべての人にとって使いやすいように意図して作られた製品や情報、環境のデザインのこと。ロン・メイス氏によって7つの原則が提唱された。
《参考》知恵蔵 : 朝日現代用語2005 |
ユビキタス | ユビキタス:「いたるところに偏在する」という意味のラテン語。ユビキタス・ネットワーク社会:あらゆるものがネットワークに結ばれる状態。
(現代用語の基礎知識2005) |
リンキング・テクノロジー | Webコンテンツのハイパーリンクに関する技術。
《参考》北克一.電子資料と目録規則,メタデータ,リンキング・テクノロジー.カレントアウェアネス.No.277,2003. http://www.ndl.go.jp/jp/library/current/no277/doc0007.htm(リンク先修正:2008年8月13日) |
レンディング方針 | (資料の)貸出方針。 |
(関西館 事業部 図書館協力課作成)