カレントアウェアネス-E
No.77 2006.02.15
E448
これからの目録サービスに望まれること−カリフォルニア大学図書館の改革
カリフォルニア大学図書館目録サービスタスクフォースは,2005年12月,これからの図書館目録サービスに必要な機能を検討するレポートを発表した。レポートでは,GoogleやAmazonなどのサービスが利用者にとってのスタンダードになっている現状の中で,現在の目録サービス(OPAC)はいまだに資料の所在情報しか提供していないと指摘している。その上で,電子ジャーナル本文へのリンキングや検索結果からの関連本の推薦,E-ラーニング・システムとの連携, FRBRモデルによる組織化,単一のインターフェイスといった,数多くの望ましい機能を推奨している。
また,1月には,同大学サンディエゴ校図書館のプロジェクトチームが『共有書庫:利用者からの視点』と題するレポートを発表した。同大学は,キャンパスを横断した全学的な図書館運営を目指して,2004年から業務改革に取り組んでおり,その一環として学術雑誌や図書を集中的に保管する共有書庫計画を進めている。今回のレポートは教員・学生のニーズを調査したものだが,ILLが普及している今日,資料が手元にあることよりもリクエストすれば入手できることの方がより重要であり,予算的制約の面からも共有書庫の計画を推進すべきであると多くの利用者は答えている。レポートでは,目録サービスにも言及しており,多くの利用者がOPACに目次や参照文献,索引の情報を望んでいることが分かる結果となっている。
Ref:
http://www.libraryjournal.com/article/CA6300805.html
http://libraries.universityofcalifornia.edu/sopag/BSTF/Final.pdf
http://libraries.universityofcalifornia.edu/planning/
http://www.slp.ucop.edu/programs/sharedprint/
http://www.cdlib.org/inside/assess/evaluation_activities/docs/2005/sharedPrintReport_nov2005.pdf