E447 – コロンビア特別区公共図書館の再構築計画案

カレントアウェアネス-E

No.77 2006.02.15

 

 E447

コロンビア特別区公共図書館の再構築計画案

 

 1月17日,米国・コロンビア特別区(ワシントンD.C.)公共図書館(District of Columbia Public Library:DCPL)の再構築計画の草案が,ウィリアムス(Anthony A. Williams)行政長官の設置する特別委員会から発表された。この委員会は,DCPLの現状を把握した上で,21世紀において同図書館が目指すべき姿を示すことを主目的として,2004年12月に設置されたものであり,委員には米国議会図書館(LC)のビリントン館長,ローラ・ブッシュ大統領夫人らがいる。

 この草案では,優先的に取り組むべき重要なサービスとして,「利用者教育,情報リテラシー教育」「利用者の要求に的確かつ迅速に応えられるような蔵書の整備」「宿題・自習の支援」「生涯学習の支援」「(会議,集会に対する)公共スペースの提供」といった項目が列挙されている。具体的な計画としては,現在の中央館であるマーチン・ルーサー・キングJr.記念図書館に代わる新しい中央館の建設案,今後3年間で蔵書の半分を入れ替える案のほか,コンピュータへの対応の点で「(あるべき現状と比べて)50年は遅れている」といわれる現状を改善するため,市内27か所の図書館に計400台のコンピュータを追加設置するなどの案が示されている。必要となる費用は全体で4.5億ドル(約533億円)と試算されている。

 特別委員会では,DCPLのウェブサイトなどを通じて草案に対するコメントを募集しているほか,2月に市民向けのヒアリングを数回行うとしているが,ヒアリング前に草案を提出したことに対して,まず住民の意見を聞くべきではないかとの批判も市民団体から出ている。

Ref:
http://www.washingtonpost.com/wp-dyn/content/article/2006/01/17/AR2006011701471.html
http://www.dclibrary.org/news/BRTF-Draft-Summary-Report.pdf
http://dc.gov/mayor/dcpl_taskforce/index.shtm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/2006abc/january2006ab/dctaskforce.htm
http://www.ala.org/ala/alonline/currentnews/newsarchive/alnews2004/december2004ab/dcpanel.htm