E1491 – 『図書館ロケット』の作詞・作曲者,畑亜貴さんインタビュー

カレントアウェアネス-E

No.247 2013.10.24

 

 E1491

『図書館ロケット』の作詞・作曲者,畑亜貴さんインタビュー

 

 2013年10月よりNHKみんなのうたの新曲として,図書館と宇宙をテーマにした『図書館ロケット』が放送されている。作詞・作曲・歌唱は畑亜貴さんで,アニメーションは有限会社神風動画が制作している。これまで多くのアニメソングの作詞・作曲・歌唱を手掛けてこられた畑亜貴さんに,この『図書館ロケット』について,お話をうかがった。

●「みんなのうた」への楽曲の提供にあたって,図書館をテーマとされたのは何故でしょうか?

 子どもたちに聴いてもらう為に,まず自分が大好きなものをテーマにしようと考えました。少し言葉が難しくても,好きという気持ちが曲に力を与えると思ったので。私は本と本がたくさんある図書館が大好き,そして宇宙が大好きなので,両方を合わせて旅立ちの浪漫に通じるようにこのテーマを選びました。

●『図書館ロケット』の歌詞に込められた思いやその背景について教えてください。

 『図書館ロケット』の世界観はタイトル通り,ロケットになっている図書館が宇宙を駆け巡るお話です。

 まず歌い出しの歌詞

 “図書館ロケット 世界を変えたいロケット
 図書館ロケット 行くぞ 行くぞ”
は,人間は武器より筆で世界を変えたい決意表明から入ります。図書館ロケットは,宇宙の星々に皮や紙や太古のデータを届けます。宇宙に色々な生命体がいるとしたら,その文化を伝える為に旅立つロケットがあって欲しいという想像です。

 そして,

 “二度とつらい過ちなんて 起こさずに前向いて 進みたいと願うひとへ
 宇宙の記録を届ける使命を持つロケット”
 は,戦争という悲劇を繰り返さずに済むように,歴史を紐解いて皆で手を取り合って生きて行こう。というメッセージを折り込みました。

 本は,違う世界に通じる素晴らしい扉だと信じています。そういう想いが子ども達にも生まれるといいな,と願いを込めました。

●『図書館ロケット』についてどのような反応がありましたか?

 映像が凄い,一見楽しくて面白いのに深い,中毒性がある,等,好意的に受け入れてくださって嬉しかったです。

●作詞・作曲などの創作活動において,どのように図書館や本を利用されているのか,教えてください。

 手に入らなかった本や図鑑を探しに行くことがあります。昔の小説は,絶版により購入できないことも多いので。経済的に余裕がなかった頃は,頻繁に利用していました。高価な本が読めるのがありがたかったです。

 本に関して,今は,電子書籍の利用も多いです。旅先にも仕事の資料を嵩張らずに持っていけるので助かっています。

●図書館にどのようなことを期待されますか。

 個人では揃えにくい本があって欲しいなと思います。全集,絵画集,図鑑,絶版本など。自宅の本棚には限界があるので,厚みがある本が観覧できると助かります。

 また関連書籍,お勧めラインナップなどをすぐ探せるようなシステムがあればいいなと思います。

 あと子どもの頃に読んだ本が,もう売っていなかったり新版になっていたりするので,当時のままの本があると,タイムトラベル感覚で嬉しいです。当時の,海外ミステリを子ども向けにした物が好きでしたので,また読んでみたいです。

(協力・畑亜貴さん)

Ref:
http://cgi2.nhk.or.jp/minna/search/index.cgi?id=MIN201310_02
http://akihata.jp/
http://metroforte.com/?p=3118
http://metroforte.com/?page_id=30