E1126 – 国立国会図書館「雑誌記事索引」の記事件数が1,000万件を突破

カレントアウェアネス-E

No.184 2010.12.02

 

 E1126

国立国会図書館「雑誌記事索引」の記事件数が1,000万件を突破

 

 国立国会図書館(NDL)では,雑誌の文献の検索手段として「雑誌記事索引」を1949年から提供している。2010年11月4日,「雑誌記事索引」の収録記事件数の合計が1,000万件を超えた。

 1949年に月刊誌として提供を開始し,1994年からはCD-ROM,2002年からはインターネットによる提供を行なっている。現在は,国立国会図書館の蔵書検索システム「NDL-OPAC」により,インターネットを通じての「雑誌記事索引」データの検索と雑誌記事の複写申込みが可能で,遠隔複写サービスに欠かせないツールとなっている。2009年3月には冊子体で提供していた過去の記事データについても遡及入力を終え,1948年以降のすべての採録記事を「NDL-OPAC」で検索できるようになった。

 雑誌の文献を求める人が効率的に目的の情報を入手できるよう,掲載された個々の記事・論文について,掲載誌や掲載箇所を特定できる手段を提供することが「雑誌記事索引」作成の目的である。「雑誌記事索引」の採録対象雑誌は,学術雑誌を中心とした約480誌からスタートし,その後,一般週刊誌などに範囲を拡大し,現在は約2万誌となっている(そのうち,現在刊行中の雑誌は約1万誌)。国立国会図書館における国内雑誌の網羅的所蔵という利点と,利用者の利用目的の多様化という実態をふまえ,幅広い情報を同時に検索できることに重点を置いた索引作成を目指している。

 「雑誌記事索引」のデータは,国立国会図書館デジタルアーカイブポータル「PORTA」や国立国会図書館サーチ「NDL Search」などの国立国会図書館内の他のサービスで利用されているだけでなく,国立情報学研究所(NII)の論文情報検索サービス「CiNii」など,国立国会図書館以外の機関でも広く利用されている。

 インターネットからの利用と館内利用とをあわせた月平均の「雑誌記事索引」の検索数は約43万件で,「NDL-OPAC」の全検索数の約20%を占めている(2009年5月~9月の調査結果)。また,遠隔複写サービスの約45%(年間約14万件)は「雑誌記事索引」を経由したものである。

 近年では2008年12月に新着記事情報のRSS配信を開始した。国立国会図書館のホームページに掲載された採録誌一覧から,希望する採録誌を選択してRSS登録を行うと,新着号の記事情報が自動配信される。

 情報化社会の変化を見据えつつ,変化するニーズにも適切に応えられる「雑誌記事索引」となるように,引き続き改善に取り組んでいく予定である。

(収集書誌部)

Ref:
http://www.ndl.go.jp/jp/news/fy2010/1190235_1531.html