E111 – 米SPARC,オープンアクセス運動を展開

カレントアウェアネス-E

No.20 2003.08.20

 

 E111

米SPARC,オープンアクセス運動を展開

 

 学術出版市場に競争と変革をもたらすことを目的とした活動を行っているSPARC(CA1469参照)が,インターネットを介した学術論文等への無料アクセスを推進するオープンアクセス運動を活発に展開している。

 7月9日,SPARCは,以前からオープンアクセスに関して積極的に提言を行っていた米アーラム大学のサバー(Peter Suber)教授によるメールマガジン『SPARCオープンアクセス・ニューズレター』を発行し,同誌と連動したディスカッション・フォーラムを立ち上げた。また16日には,SPARCのメンバーが執筆したオープンアクセス雑誌発行のためのビジネス・財政プランに関する3つの手引きが,OSI(Open Society Institute,注)から出版された。SPARCは,OSIのホームページからダウンロードできるこれらの手引きを,学術コミュニティのニーズに応えるものとして歓迎している。さらに8月6日には,SPARCと研究図書館協会(ARL)が共同で,連邦政府出資の研究に対するオープンアクセスの推進を支援する旨の声明を発表している。

 わが国でも,6月に国立情報学研究所が国際学術情報流通基盤整備事業としてSPARC/JAPANを立ち上げた。本家米国のSPARCは着実に活動を進展させており,わが国の活動を考える上でも,その今後が注目される。

(注)ソロス基金が設立した財団で,ピアレビューの雑誌論文への自由なアクセスを目指す「ブダペスト・オープンアクセス運動」を主導している。同運動にはSPARCも参加している。

Ref:
http://www.arl.org/sparc/soa/index.html
http://www.soros.org/openaccess/oajguides/
http://www.arl.org/arl/pr/open_access_support.html
http://www.nii.ac.jp/sparc/
CA1469