書籍のオープンアクセス出版発展を目指すプロジェクトCOPIM、大学出版局の新たな収益モデルに関するツールキットを公開

2022年8月1日、書籍のオープンアクセス(OA)出版発展を目指すプロジェクト“Community-led Open Publication Infrastructures for Monographs(COPIM)”が、大学出版局の新たな収益モデル“Open the Future”に関するツールキットを公開したと発表していました。

発表によると、COPIMは、“Work Package 3”において、学術出版者が高価な費用なしに書籍をOA出版できる、持続可能な収益モデルの構築に取り組んでいます。“Open the Future”は、2020年10月から開始されたもので、図書館の共同出資により書籍のOA化を行うモデルです。参加図書館は年会費を収めることで出版者のOA化されていない既刊書のリストへのアクセスが可能となり、出版者はその年会費を用いて新たなOA書籍を出版するとあります。

ツールキットは、課題やリソース、タイムテーブルや活動を含む、同モデルの実装方法についてまとめており、類似した収益モデルの導入を検討している出版者向けのロードマップとなることを意図していると述べられています。

COPIM’s toolkit for running an Opening the Future programme at an academic press(COPIM, 2022/8/1)
https://copim.pubpub.org/pub/copim-toolkit-for-running-an-opening-the-future-programme/release/3

Opening the Future: How to Implement an Equitable Revenue Model for Open Access Monographs(Zenodo, 2022/7/26)
https://doi.org/10.5281/zenodo.7003979

WP3: Opening the Future(COPIM)
https://www.copim.ac.uk/workpackage/wp3/

参考:
独・De Gruyterと英・Jisc Collections、クラウドファンディングによる電子書籍のオープンアクセス出版を実施すると発表
Posted 2022年6月3日
https://current.ndl.go.jp/node/46247

E2518 – D2O:大学出版局と図書館の連携による学術単行書のOA化モデル
カレントアウェアネス-E No.439 2022.07.21
https://current.ndl.go.jp/e2518

E2166 – 図書館の共同出資による特別コレクションのOA化事業(米国)
カレントアウェアネス-E No.374 2019.08.08
https://current.ndl.go.jp/e2166

CA1907 – 動向レビュー:欧州における単行書のオープンアクセス / 天野絵里子
カレントアウェアネス No.333 2017年9月20日
https://current.ndl.go.jp/ca1907