カナダ研究図書館協会(CARL)、同協会参加館の図書館職員における多様性・包摂性に関する調査結果を公開

2022年6月2日、カナダ研究図書館協会(CARL)が、同協会参加館の図書館職員における多様性・包摂性に関する調査結果を公開したと発表しました。

調査は、コンサルティング機関の“Canadian Centre for Diversity and Inclusion”(CCDI Consulting)により、2021年10月4日から10月27日にかけて実施され、21大学から1,299件の回答が寄せられました。調査結果を基にした報告書の中では、低代表グループ(underrepresented groups)に該当する人の割合、ポストといった多様性に関する状況や、包摂性に関する環境についてまとめられています。

職能専門家(Functional Specialist)において女性や先住民族の割合が低いこと、公正かつ敬意を持った待遇であると感じている人や管理職者が包摂性ある職場としようと努めていると感じる人が多い一方、経歴に関係なく昇進できると感じている人や個人のニーズに合わせた柔軟な働き方を選択できると感じている人は少ないこと等が述べられています。また、調査結果を踏まえ、ハラスメントや差別、柔軟性、職場での支援、ウェルビーイング、リーダーシップやマネジメント、機会均等と人材管理についての推奨事項を示しています。

CARL Releases Insights Report from its Diversity and Inclusion Study(CARL, 2022/6/2)
https://www.carl-abrc.ca/news/carl-releases-insights-report-from-its-diversity-and-inclusion-study/

Diversity Census and Inclusion Survey [PDF:68ページ]
https://www.carl-abrc.ca/wp-content/uploads/2022/06/CARL-Diversity-Meter-Insights-Report-Final.pdf

参考:
Ithaka S+R、北米研究図書館協会(ARL)参加館の職員の多様性に関する調査の報告書を公開
Posted 2017年9月1日
https://current.ndl.go.jp/node/34606

米・ITHAKA S+R、大学図書館の指導者層を対象に2020年秋に実施した多様性・公平性・包括性、及び反人種主義に関する調査の報告書を公開
Posted 2021年3月19日
https://current.ndl.go.jp/node/43593

カナダの学術図書館員の求人広告における多様性に関する言及(文献紹介)
Posted 2021年9月14日
https://current.ndl.go.jp/node/44797

オーストラリア図書館協会(ALIA)、美術館・図書館・文書館・博物館等における労働人口の多様性に関する調査報告を公開
Posted 2019年8月14日
https://current.ndl.go.jp/node/38789