欧州委員会(EC)、有形文化遺産の3Dデジタル化における質についての報告書を公開

2022年4月25日、欧州委員会(EC)が、有形文化遺産の3Dデジタル化の質についての報告書“Study on quality in 3D digitisation of tangible cultural heritage: mapping parameters, formats, standards, benchmarks, methodologies, and guidelines”の公開を発表しました。

キプロス工科大学の主導による研究の成果をもとにした報告書です。複雑さや目的等による3Dデジタル化に関連する要素の分類、3Dデジタル化プロジェクトの質を決定する要因、既存のフォーマットや基準、ガイドライン、手法のインベントリ等がまとめられているとあります。

発表の中では、概要として、利害関係者の要請や対象物の特徴、関与する人員の能力レベル、使用する機器の種類が製作作業を条件付け、最終成果物の質に直接影響すること、3Dデータの収集プロジェクトの計画・運営等のための国際的基準やガイドラインがないこと等が挙げられています。

Study on quality in 3D digitisation of tangible cultural heritage(EC, 2022/4/25)
https://digital-strategy.ec.europa.eu/en/library/study-quality-3d-digitisation-tangible-cultural-heritage

参考:
E2477 – 文化遺産のための欧州共通データスペースに関するEC勧告
カレントアウェアネス-E No.431 2022.03.03
https://current.ndl.go.jp/e2477

CA2017 – 動向レビュー:文化機関における3次元計測・記録データの管理・公開の意義と課題 / 野口 淳
カレントアウェアネス No.351 2022年03月20日
https://current.ndl.go.jp/ca2017